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てらまち・ねっと



 昨日、外出から帰って、ネットのニュースを見て驚いた。
 ★「衆議院予算委員会で安倍首相は、会議のメンバーから『抵抗大臣』となり得る大臣を外し、改革を強力に進める考えを示した。
  ・・・規制改革に抵抗する可能性のある厚生労働、農林水産などの大臣を外す意向を示し・・」(FNN)

 いよいよ独裁政治ではないか、そう直感。

 ★「国家戦略特区関連法案を11月上旬に閣議決定し、今国会での成立を目指す。
   東京、大阪など大都市を中心に『来年、全国で3〜5カ所程度を指定する』
   今回、雇用や農業分野で狙い通りの規制改革メニューを盛り込めなかったことが背景にある」(毎日)

 ちょうど、昨日のブログで、解雇特区の見送りの情報を整理した。
 だから、なお、気になった。
    (◎ 2013年10月22日ブログ⇒ ◆解雇特区、政府内も対立、二転三転、事実上見送り/代わりに「5年超で無期転換権の発生」を延長する案

 {解雇特区を見送り」せざるを得なかった反省・悔しさから、「抵抗大臣を排除」するらしい。、
 ・・・「抵抗大臣」というのは、正確には、「官僚」何だろうけど・・・

 いずれにしても、何という安倍氏。
 議論を装いながら、自分や自分のブレーンの方向を強引に、とはいえ、強引ではない風を装う体制を作り上げていく方針。

 それでニュースを調べてみた。
 報道の記事の内容を見比べると、各社の評価が異なる印象。
 安倍政権に対する、あるいは経済政策に対するそれぞれの社のスタンスの違いかともとれる。
 例えば、安倍発言の要点をどう扱っているかの比較。

 ★読売
 「規制緩和に消極的な閣僚を意思決定の中枢から外すことで、戦略特区の規制緩和を進める狙いがある」
 「議論は妨げないが、大切なのは意思決定だ」

 ★朝日
 「具体的な事業の推進のために必要な場合の協議には関係大臣の参加を認めるが、意思決定には加えない方向と述べた」

 ★日刊建設通信新聞
 「首相は会合で『安倍政権の規制制度改革に終わりはない。世界で一番企業が活躍しやすい国を目指し、引き続き改革に積極的に取り組んでほしい』と述べた」

 なお最近、ネットの「ブロゴス」という媒体に、時々面白い意見が出る。
 ★ブロゴス/五十嵐仁
 「まさに『暴走』のためのブレーキ解除と言うべきでしょう。
  開幕した臨時国会は、「官邸主導国会」と言われています。このようなやり方から見れば、実際には『官邸独裁国会』と言う方が相応しいものではないでしょうか、
  邪魔者を追い出して好き勝手な規制緩和を行うために、『特区諮問会議』という戦略的政策形成機関を新設しようとしています。
  民主的な手続きの仮面を被った『独裁』的な手法だと言うべきでしょう。」

 そんなあたりをくくっておいた。

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●衆院予算委 安倍首相、特区諮問会議などから「抵抗大臣」外し
      FNN (10/21 12:18)
衆議院予算委員会は、21日から本格論戦が始まった。安倍首相は、国家戦略特区を進めるための「特区諮問会議」や「統合推進本部」から、厚生労働相など、対象の分野に関係する大臣を外す意向を示した。

11月の法案提出を目指す国家戦略特区に関連し、安倍首相は、会議のメンバーから「抵抗大臣」となり得る大臣を外し、改革を強力に進める考えを示した。
安倍首相は「大切なのは、意思決定でありまして、この意思決定には(関係大臣は)加えない方向で検討しております」と述べた。

特区諮問会議は、安倍首相を議長として、菅官房長官、特区担当の新藤総務相、甘利経済再生担当相と民間の有識者で構成される予定で、国家戦略特区の規制緩和分野では、雇用や医療、農業などが焦点となっている。
安倍首相は、検討している諮問会議や、特区ごとの統合推進本部のメンバーから、規制改革に抵抗する可能性のある厚生労働、農林水産などの大臣を外す意向を示し、「規制改革の突破口として、機能が十分発揮されるよう制度設計を行っていく」と述べた。

●国家戦略特区:推進体制、固まる 諮問会議を設置
      毎日新聞 2013年10月21日
国家戦略特区に関する組織

首相主導で地域を絞って規制改革を実施する「国家戦略特区」の推進体制が21日、固まった。特区の地域選定と、そこで導入する規制改革メニューを決定するため「特区諮問会議」を設置。関係省庁の抵抗で政府の意思決定が遅れることのないよう、規制を所管する閣僚は会議の正規メンバーとせず、必要に応じて意見を聞くにとどめる。また、特区ごとに詳細な事業計画を作成する「統合推進本部」を設け、中央と地域の2段構えで規制改革を進める。

 政府は18日、医療▽雇用▽教育▽都市再生・まちづくり▽農業▽歴史的建築物の活用−−の6分野で、特区で導入する規制緩和のメニューを決定。国家戦略特区関連法案を11月上旬に閣議決定し、今国会での成立を目指す。東京、大阪など大都市を中心に「来年、全国で3〜5カ所程度を指定する」(菅義偉官房長官)見通しだ。

 関連法案の骨子段階では、特区を指定する基準などを盛り込んだ基本方針を定めるため、首相と全閣僚からなる「国家戦略特区推進本部」を設ける方向になっていた。しかし、菅氏は21日の記者会見で「首相を中心として強力なリーダーシップを発揮できる体制にしたい」と述べ、首相、官房長官、経済財政担当相、特区担当相らにメンバーを限定した諮問会議とする考えを示した。
民間有識者を加えることも検討しているが、関係閣僚は会議の意思決定に関与させない方針だ。

 一方、諮問会議の方針に基づいて具体的な事業計画を練る統合推進本部は、首相、特区担当相、関係自治体の長、民間事業者で構成。関係閣僚は同本部の正規メンバーからも外れる。安倍晋三首相は21日の衆院予算委員会で「関係閣僚には(同本部で)意見を述べる機会は与えるが、意思決定には加えない方向で検討している」と明言した。

 政府が法案作成の最終段階で方針転換したのは、今回、雇用や農業分野で狙い通りの規制改革メニューを盛り込めなかったことが背景にある。首相は予算委で「安倍内閣には『抵抗大臣』は存在しない」と強調したが、国家戦略特区を成長戦略の柱と位置付け、業界団体などの抵抗が強い「岩盤規制」に切り込むと宣言しているだけに、関係省庁の関与を薄める必要に迫られたとみられる。【念佛明奈】


●国家戦略特区の意思決定、関係大臣は加えない方向=安倍首相
          朝日 2013年10月21日
10月21日、安倍首相は「国家戦略特区」に関して、特区ごとに具体的な計画を決める「統合推進本部」の意思決定には、関係大臣は加えない方針を明らかにした。(2013年 ロイター/Toru Hanai)

 [東京 21日 ロイター] - 安倍晋三首相は21日午前の衆議院予算委員会で「国家戦略特区」に関して、特区ごとに具体的な計画を決める「統合推進本部」の意思決定には関係大臣を加えない方針を明らかにした。

 塩崎恭久委員(自民)の質問に答えた。

 安倍首相は、統合推進本部のメンバーは国家戦略特区担当相と関係地方公共団体の長、民間事業者の3者で組織する方向で検討しているとし、具体的な事業の推進のために必要な場合の協議には関係大臣の参加を認めるが、「意思決定には加えない方向で検討している」と述べた。

 国家戦略特区で、解雇ルールの規制緩和が見送られたことについては、「解雇の自由化は最初から考えておらず、そうならなかったのは当たり前だ」と語った。

 一方、菅義偉官房長官は21日午前の会見で、国家戦略特区に関して政府が設置を検討しているとされる「特区諮問会議」に言及し、首相、官房長官、国家戦略特区担当相、経済財政相がメンバーとなることを中心に今検討しているとした上で、「特区を前に進めていくための会議であり、首相を中心に強力なリーダーシップが発揮できるような体制にしたい」と語った。

 21日付の朝日新聞は、政府が国家戦略特区を進めるための関連法案に、安倍首相を議長とする「特区諮問会議」の設置を盛り込む方針を固めたと伝えていた。特区諮問会議でどこを特区にするか、特区ごとにどの規制を緩めるかを決め、その方針に沿って具体的な計画を「統合推進本部」が定めるとしている。
 (石田仁志;編集 山川薫)

●関係分野の閣僚除外=規制緩和へ—戦略特区諮問会議
           ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年 10月 21日/[時事通信社]
 政府が大胆な規制緩和を地域限定で進める「国家戦略特区」関連法案で、司令塔となる「特区諮問会議」(議長・安倍晋三首相)メンバーから、厚生労働相や農林水産相など関係分野の閣僚を除外する方針を固めたことが21日、分かった。関係閣僚の影響力を排除するのが狙い。

 法案では、会議を経済財政諮問会議と同じ「法定組織」とし、強力な権限を持たせる。メンバーは首相のほか、新設する特区担当相、官房長官、経済財政相と民間有識者に限定。これにより、雇用や医療、農業、教育などで「岩盤」とされる規制の緩和をトップダウンで強力に推進する。

●戦略特区、全閣僚参加組織見送り…規制省庁除外
      (2013年10月22日10時05分 読売新聞
 政府は21日、今国会に提出する「国家戦略特区」の関連法案で、全閣僚がメンバーとなる「国家戦略特区推進本部」の設置を見送る方針を固めた。

 特区の具体的な内容を検討する「国家戦略特区諮問会議」と「国家戦略特区会議」についても、厚生労働相や農相など規制を所管する官庁の閣僚をメンバーから除外する。
規制緩和に消極的な閣僚を意思決定の中枢から外すことで、戦略特区の規制緩和を進める狙いがある。

 安倍首相は同日の衆院予算委員会で、特区会議について「必要な場合(規制を所管する)関係閣僚の参加を認める。議論は妨げないが、大切なのは意思決定だ」と述べた。

 関連法案には当初、推進本部と諮問会議、特区会議の三つの組織の設置を盛り込む予定だった。推進本部は特区の中身を正式決定する最上位の組織として想定されていた。
諮問会議は首相を議長に官房長官、経済再生相、特区担当相と民間議員らで構成され、規制緩和の内容や地域を決定する。特区会議は全国で3~5か所指定される戦略特区ごとに、特区担当相と首長らが参加して事業計画をまとめる役割を担う。

●【「いま」がわかる政治解説】国家戦略特区 ビジネス環境、世界一狙い
          産経 2013.10.22
国家戦略特区の主な規制緩和案
 政府は、成長戦略の柱として打ち出した「国家戦略特区」の関連法案を今国会に提出する。大胆な規制緩和を実施することで「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を整え、日本再生に向けた経済成長の起爆剤にする構想だ。ただ、官僚らの抵抗は根強く、今国会で成立できないと「アベノミクス」の今後に大きく影響することになる。

 ◆東京五輪特区も
 政府は国家戦略特区の法案骨子に、国が定めた地域で規制改革などを推進することにより、「産業の国際競争力の強化、国際的な経済活動拠点の形成を図る」と明記した。

 これまでの特区制度は地域おこしや地方活性化といった面が強かった。国家戦略特区はその延長線ではなく、「日本が世界に打って出るためのグローバルなものにする」(政府高官)ことを目指す。安倍晋三首相は6月、都内の講演で「ロンドンやニューヨークなどの都市に匹敵する国際的なビジネス環境をつくる」と強調した。

 すでに政府は地域活性化統合本部に国家戦略特区ワーキンググループ(WG)を立ち上げ、具体的な規制・制度改革に向けた作業を開始。住居整備を促すための土地利用規制の緩和や、高度な医療技術を国内に取り入れる外国人医師の診療規制の緩和などを実施する方針だ。

この国家戦略特区に最有力とみられているのは、2020年夏季五輪の開催都市に決まった東京だ。競技場や宿泊施設などの整備に民間の資金や経営ノウハウを導入する「PFI」方式を活用できるようにする規制緩和を検討している。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は今月20日、川崎市内の街頭演説で、国家戦略特区の対象地域について「来年、全国で3~5カ所程度、指定する」との見通しを示した。

 ◆雇用規制 足踏み
 ただ、雇用規制に関しては関係省庁や労働組合の強い抵抗で調整が難航し、10月中旬を予定していた特区の地域選定は大幅にずれ込む見通しだ。

 政府は、柔軟な働き方や雇用形態を可能にし、事業再編などを促すことを狙って雇用規制の緩和も目指してきた。しかし、野党から「解雇特区」と批判されたことなどから抜本的な雇用規制の緩和は見送りに。グローバル企業などでの労使紛争を防ぐ「雇用ガイドライン」の作成や、企業向けの相談窓口「雇用労働相談センター(仮称)」の新設などが盛り込まれるにとどまった。

 国家戦略特区は、日本経済再生の牽引(けんいん)役として「日本の『本気』を示すプロジェクト」(新藤義孝総務相)と位置づけられる。それだけに、安倍首相が「岩盤」といわれる規制にどこまで切り込めるか注目される。(豊田真由美)


●国家戦略特区/国が都市計画主導/エリア限定で規制緩和
         日刊建設通信新聞 2013-10-21 1面]
 政府は18日、首相官邸で日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)の第10回会合を開き、地域を限定して導入する「国家戦略特区」で行う規制改革の内容を決めた。

「都市再生・まちづくり」の分野では、都心居住を促すため、容積率や用途などの土地利用規制を見直す。具体的にはマンション建設で使い切らない容積を、別敷地のオフィスビルに移転するなどの特例措置を講じる。
特区は日本再興戦略の要に位置付けられており、政府は11月上旬に関連法案を提出し、今臨時国会での成立を目指す。特区指定は年明けにも行われる見通しだ。

 規制改革は医療、雇用、教育、都市再生・まちづくり、農業、歴史的建築物の活用の各分野で実施。首相は会合で「安倍政権の規制制度改革に終わりはない。世界で一番企業が活躍しやすい国を目指し、引き続き改革に積極的に取り組んでほしい」と述べた。

 都市再生では東京五輪開催も追い風に、国際的な都市設計を推進し、都心居住の環境整備も加速させる。特区内では国が自ら戦略的に都市計画を主導。特区ごとに設置する統合推進本部が都市計画決定を行う。
 容積率の移転については、例えば、本来延べ2万㎡の建物を建てられる敷地に延べ1万㎡のマンションを建設する際に、残る延べ1万㎡分の容積を別敷地でのオフィス建設事業者に売却できるようにする。都心での住居系、業務系両方の市場活性化が期待される。

 この手法は、東京駅丸の内駅舎の保存復原に当たり活用された「特例容積率適用地区制度」と同様のものだが、今後このほかにも、容積率や用途に関する新たな規制緩和策が打ち出される見込みだ。

 歴史的建築物の活用では、重要文化財までには至らない古民家について、宿泊施設やレストラン、サテライトオフィスなどへの用途転換を促し、地域活性化や国際観光の拡大につなげる。現行基準に合わせた耐震、防火対策などが必要になるが、特区では、古民家などの建築基準法の適用除外手続きを円滑化する。建築審査会の個別審査を経ずに、地方自治体に新設する専門委員会で適用除外を認める仕組みをつくる。委員会は歴史的建築物や構造安全性の専門家らで構成する。

 さらに、歴史的建築物の活用を全国規模で展開し、観光振興などに役立てるため、内閣官房に府省横断的な検討体制を築く。
 このほか、特区内の「国際医療拠点」では病床規制の特例により、病床の新設・増床を容認。高度医療を提供するための病床数を、都道府県が基準病床数に加えられるようにする。

●「雇用特区」規制緩和は見送り 海外・日本の報道の違いとは
             ブロゴス NewSphere 2013年10月21日
 日本経済再生本部で18日、成長戦略の柱となる「国家戦略特区」の規制緩和概要が決まった。

 注目された雇用規制緩和については、「労働時間法制」と「解雇ルール緩和」が見送られた。安倍首相は検討を支持していたが、田村厚生労働相は、「世界で見ても、特区で労働規制の根幹を緩める例は見当たらない」と規制緩和に慎重な姿勢を貫いた。

 政府は11月上旬に規制改革の内容を盛り込んだ関連法案を今国会に提出する。成立すれば、年明けに規制緩和の細目を決定する見込みだ。

【特区案の概要】
 国家戦略特区とは、地域を絞って雇用や農業分野を含む岩盤規制を緩め、経済を活性化する構想で、外国企業の誘致などに不都合な規制を外すねらいがある。当初案では、(1)解雇ルール(2)労働時間法制(3)有期雇用制度が見直し対象とされていた。

  (1)解雇ルールについては、労働側と企業側がともに反対しており、政府が雇用契約の指針をつくり、企業に助言するという妥協案となった。新藤総務相は「外資系企業が日本に立地することを躊躇する原因とならないよう、雇用ルールを明確化する」と述べた。

 (2)週40時間が上限という労働時間の規制を適用しない「労働時間法制(ホワイトカラー・エグゼンプション)」については、不当な残業を強いられるなどと厚労省が強く反発したこともあり、見送られた。企業側からは、労働生産向上のため賛成の意見が出ていた。

 一方、(3)非正規社員の「有期契約」については、専門職に限り、全国一律で5年から10年に延長する案を政府は出した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「この種の雇用需要は2020年東京オリンピック前にふえるだろう」という、みずほ総合研究所の岡田豊主任研究員のコメントを掲載した。

【今後の見通しは?】
「18日の提案は最初のステップにすぎない。さらなる規制緩和策が提案される」と関係者は述べている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、法人税減税に注目している。同紙は、東京都と大阪府が特区の法人実効税率を「20%以下」とするよう要求していることを取り上げた。20%を下回れば、シンガポールの17%、香港の16.5%と競合できるようになる。なお現在、東京の法人実効税率は38.01%である。

 なお日経新聞は「政府内の調整は時間切れ」で、「岩盤規制」の突破には遠いと厳しい姿勢だ。一方朝日新聞は、「緩和色が大きく後退」として、「解雇特区」は事実上、見送られたと報じている。朝日の編集委員は「国際労働機関(ILO)の調査では、解雇の規制緩和が雇用を生み出したと裏付けるデータはない」と指摘した。
     
●「特区諮問会議」の設置は規制緩和のために「ブレーキ」を解除しようとするものだ
      ブロゴス/五十嵐仁 2013年10月21日
「特区諮問会議 設置へ」「医療・雇用・農業 関係大臣を外す」
 本日の『朝日新聞』の一面に、このような見だしが踊っていました。この記事は、次のように伝えています。

 政府は20日、国家戦略特区を進めるための関連法案に、安倍晋三首相を議長とする「特区諮問会議」の設置を盛り込む方針を固めた。メンバーからは厚生労働相、農林水産相など関係分野の大臣を外す。各省庁の規制を守りがちな大臣の「抵抗」を抑え、トップダウンで規制緩和を進めるねらいだ。
 ……
 政府は11月上旬に臨時国会に関連法案を出し、どこを特区にするかや特区ごとにどの規制を緩めるかを決める特区諮問会議の設置も盛り込む。経済財政諮問会議と同じ「法定組織」になり、政府方針を定めるといった強い権限を持つ。
 何としても、遮二無二、規制緩和をすすめようという安倍首相の強い決意がうかがわれます。抵抗を排する、ということで、「厚生労働相、農林水産相など関係分野の大臣を外す」というのですから、呆れてしまいます。

 それぞれの担当大臣は、担当する行政についての最終的な責任を負うべき立場にあります。だからこそ、国民のためにならないと考えれば、たとえ安倍首相の強い意向であっても抵抗するわけです。

 すでにこれまでも、産業競争力会議や規制改革会議で、大胆な規制緩和を求める民間議員と、それに対して異議を唱えて抵抗する担当大臣という構図ができていました。その担当大臣を外すための装置として「特区諮問会議」を設置しようというわけですから、まさに「暴走」のためのブレーキ解除と言うべきでしょう。

 そもそも、このような形で「特区」を設け、そこでだけ憲法や法律による規制を弱めようというやり方には、大きな問題があります。一定地域に住み働く人に対してだけ、憲法や法の保護・規制を緩和するということですから、「法の下の平等」に反するからです。

 また、解雇規制や労働基準の緩和など、憲法で保障された人権の保護を特区の設置によって弱めるということになれば、法律によって憲法の内実を変えてしまう結果をもたらします。

 下位法たる法律によって、基本法にして上位法である憲法の一部修正を行うようなものですから、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認と同様、「憲法下克上」ないしは「憲法クーデター」と言うべきものです。このようなことが許されれば、憲法による人権保障は有名無実となるでしょう。


 開幕した臨時国会は、「官邸主導国会」と言われています。このようなやり方から見れば、実際には「官邸独裁国会」と言う方が相応しいものではないでしょうか。

 野党の無気力さと内閣支持率の高さを背景に、安倍首相はやりたい放題の「暴走」を始めつつあります。それを目隠しするために、「安保法制懇」などの私的諮問機関や経済財政諮問会議・産業競争力会議・規制改革会議などの戦略的政策形成機関を利用してきました。

 今回また、邪魔者を追い出して好き勝手な規制緩和を行うために、「特区諮問会議」という戦略的政策形成機関を新設しようとしています。民主的な手続きの仮面を被った「独裁」的な手法だと言うべきでしょう。

 前回のブログで紹介した『日本経済新聞』10月18日付のコラム「春秋」は、「経済の『特区』は科学の『実験室』に似ているかもしれない」と指摘していました。その「特区」で「実験」されようとしている規制緩和のターゲットは、国民の暮らしや働き方に向けられています。

 このコラムを書いた「春秋」子は、「実験」の材料が生きた生身の人間であるということをどれだけ自覚していたでしょうか。「実験」の結果によっては、その人々の生活や人生が大きく狂わされてしまうということ、すでに小泉構造改革の「実験」によってそのような人々が大量に生み出され、大きな社会問題となっているということを、どれほど認識していたでしょうか。


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