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てらまち・ねっと



 「箇所付け」というのが話題になっている。
 一般の人にはなじみの少ない言葉かもしれないけど、要は
 予算を使う事業に関して、どこで、どれくらいの金額で実行するか、その「内訳、明細」。

 いろんな事業の総まとめが全部の予算として提案され、国会で予算が通る、そのことで予算が決定する。
 そのとき、個別・具体的な内訳の想定・予定なしには予算の総額は決まらない。
 そういう関係にある。

 市町の議会では、当然、個別の内訳も議論する。それなしには全体が見えないから。
 ところが、国会は、個別のデータは示さず、議論しないようだ。
 「国会(の会期中)に出せ」と野党が要求しているとおり。

 その個別の具体的な場所と額を、民主党が党利党略で、一部の関係者に公式というしかない「非公式」な流れで伝えた問題。

 自民党時代は、もっと非公式に、内々に伝わっていたという。
 野党にはその情報は漏らされなかった。

 政権交代し、立場が逆転して、しかも民主党が全国一斉にやったので、自民党の反発も強い。

 同じ穴のムジナの少し「たち」の悪いだけ・・・
 あるいは、改革を言っていた民主党も、その立場に就くと「ある種の利得に使う」そこは同じではないか。
 いや、むしろ、功名かつ開き直っているとの印象。

 ということで、「箇所付け」を宣伝していた代議士のそのデータから、イメージをつかもう。

  ●自民党時代の久間代議士の例、
   ●    おなじく、福井県の代議士の例、
 
  自治体は、・・・高知県の例、

 もっともわかりやすい出色の記事は、産経新聞の2月7日の記事だったので、消えないうちに記録したい。

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  長崎県第二選挙区支部内の箇所付け予算書



拝啓
時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
皆様には平素格別のご高配を頂き厚く御礼申し上げます。
かねてより御要望の平成18年度予算が内示されましたのでお送りいたします。
今後とも、地域発展を念頭におき予算獲得には全力を傾けてまいります。
よろしくご支援の程、お願い申し上げます。
 
平成18年3月吉日
〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2第二衆議院会館708号室
 自民党総務会長 久間章生


   福井二区選出の衆議院議員 山本拓 のホームページ"
平成20年度箇所付け予算――福井県2区内
投稿日: 2008/10/17(金) カテゴリー: 福井県活性化の為に
 今年度補正予算が10月16日、原案通り成立しました。



 まずは、福井県の2区内に関する箇所付け予算(国土交通省、林野庁関係)の状況、および補正予算の概要について、ここにご報告申し上げます。

 補正予算のすみやかな執行を図ると同時に、地方の実態経済に対応し今後も必要な対策を講じて参る所存です。

平成20年度箇所付け予算
国土交通省関係

<道路>・・・・・


  高知県 / 平成21年度公共工事箇所付け一覧を公表します。

 


● 2月6日(土)  県内でも分かれる受け止め
        信濃毎日 2010.2.6
 民主党が、2010年度予算案の道路事業などの個別予算額(個所付け)を、予算成立前に党の都道府県連を通じて地元自治体などに伝えた手法が波紋を呼んでいる。

 県内でも同党の衆院議員らが、首長らにいち早く予算額の見込みを「内示」。参院選もにらみ、与党の力を組織的にアピールする狙いといえるが、党内からは「政権党のおごりと思われかねない」と危ぶむ声も出ている。

 党本部が都道府県連幹部を集め、「個所付け」情報を伝えたのは1月29日。
県連関係者によると、県内分は道路関連が19カ所、河川関連が18カ所、公園が1カ所で、金額には一定の幅があった。党本部側は「政治主導」として、国交省の地方整備局に伝わる前に、関係首長らに情報を伝達するよう促したという。早いところはその日のうちに、議員らから首長や市町村担当者に伝えられた。

 飯田市の牧野光朗市長は今月1日に記者会見し、同党の加藤学氏(衆院5区)から連絡を受けたとして、国直轄の三遠南信道の事業費配分を説明。概算要求を上回る配分があったことを歓迎し、伝達方法については「必要な予算を付けてくれるなら、やり方は政権が決めること」との受け止めを示した。

 岡谷市には、国交省が概算要求段階で事業の凍結を検討した国道20号下諏訪岡谷バイパス(岡谷市-諏訪郡下諏訪町)に「1億円程度」を配分するとの連絡が党側からあった。今井竜五市長は、自民党政権下でも国交省の内示より前に自民党の議員から連絡を受けていた-として、「抵抗は別にない」とする。

 一方、国営アルプスあづみの公園関連の予算配分を聞いた安曇野市の宮沢宗弘市長は、「その昔、地元の自民党議員が、予算成立前に後援会ニュースに個所付けを詳しく載せていて、食い入るように見たのを思い出した」としつつ、「筋論からすれば、国会軽視になるかもしれない」と違和感も口にした。

 民主党本部が主導した今回の手法について、県連関係者の受け止めも分かれる。ある国会議員は「官僚ではなく政治家が地元の意向を酌んで予算を決める。官僚に先駆けて予算額の見通しを伝えるのはおかしくない」と強調する。

 一方、別の議員は「予算審議前に、これ見よがしに個所付けを示すのは政権のおごりととらえられかねない」。自身も個所付けを自治体に伝えた一方で、党本部側には手法を見直すよう求めたという。

●公共工事:「個所付け」資料提出拒否 片山善博・慶応大教授の話
         毎日新聞 2010年2月6日 
 ◇姑息で低レベル--行政刷新会議議員で前鳥取県知事の片山善博慶応大教授の話

 政府の対応は姑息(こそく)で情けないほど低レベルだ。
 自民党の方がまだコソコソと節度を持ってやっていた。情報公開は万人に平等でなければならず、お気に入りの人だけに提供し、他の人に提供しないのは公開の精神にまったく反する。堂々と国会に出して個所付けの理由を答弁したらいい。国会に出せない資料を人に渡したなら秘密漏えいだ。


 「こんなレベルの低いインサイダー政治をやめよう」というための政権交代だったのではないのか。「刷新」するはずが余計悪くなっている。前原誠司国土交通相の公開拒否の理由も詭弁(きべん)だ。新政権だから錯誤も間違いもあるが、それは直せばいい。強弁を張ってはいけない。

●今度のブーメランは「箇所付け」 民主と公共事業と選挙戦略
     j-cast 2010/2/ 9 12:50
・・・・ 既に出回っている「個所付け」表では、夏の参院選で民主党の苦戦が予想される地区に手厚く配分してあるという。

三反園訓(テレ朝コメンテーター)は「あまりに露骨で、やり過ぎと言う民主党議員もいる」と話す。

「なぜ選挙のために?」
番組コメンテーターの若一光司(作家)は、10年ほど前、鳩山由紀夫代表時代の民主党が、(個所付けは)省庁で決めるのではなく、国会の場で議論してコントロールすべきだと主張していたとし、「それがこういう状態になっている。このギャップは何なのか」と怒る。

ゲストの荻原博子(経済ジャーナリスト)も「私たちが民主党を選んだのは、集めた税金をムダに使わない、弱者の底上げをするという理念に共鳴したから。なぜ選挙のために使われるのか、怒りを覚える」と述べる。
文 アレマ | 似顔絵 池田マコト

●【政治部デスクの斜め書き】馬淵氏はどんな悪いことをしたのか (1/4ページ)
    サンケイ 2010.2.7 18:00
前原誠司国交相 「本当は何が悪いのか」。それが分からなくなるニュースが時々ある。

 公共事業の「個所付け」リストの流出事件は、その一つだ。

 「流出事件」と書いた。それは、皆が「出てはいけないものが出た」と言っているからだが、そもそも「流出」が問題かどうかも疑問がある。

     ◇
 主人公は、国土交通省の馬淵澄夫副大臣(民主党)だ。

 事件のもう一つの主役は、公共事業を、どこの自治体の、どの道路で実施するかというのを決める、「個所付け」といわれる行政行為だ。新聞では「個所付け」と表記するが、普通は「箇所付け」と書く。正式文書では「実施計画」と呼ばれる文書だ。

 この文書は、通常なら、新年度予算が成立した4月に決定される。

 だが、それが、来年度予算の審議は始まったばかりのこの時期に、政府(国土交通省)から民主党に提示され、そして、それが民主党の各地方県連にわたり、そして、外部に、一部では自治体側に流出した、
というので自民党などが騒ぎ、官邸以下、鳩山政権の首脳たちが一斉に謝罪する騒動になった。

 自民党議員の秘書が、その行政行為の持つ意味を説明してくれる。

 「一秒でも早く、箇所付けの紙、いや紙がなければ、付いたか付かなかったかを知らないといけない」

 公共工事は大枠で○億円と書いてあり、その分の予算が確保されているが、それが事業計画に落ちてきて、具体的に○○道路○億円と書かれると、地元の道路工事が実施されるという仕組みだ。

 予算が成立した後、各省庁では、総額の中から事業ごとに優先順位を付けていく。

 うちの道路に予算は付いたのか? 地元自治体は、その情報に血眼になるので、議員たちは省庁からその情報を仕入れて、「情報があります」と電話で自治体にささやく。すると「先生は頼りになる」となる。


この情報をほしがっていたのは、自治体だけではない。切実なのは、ゼネコンなど建設業者だ。事業が決まれば、見積もりだって早く作れるし、入札準備や根回しも、場合によっては「話し合い」の準備すらできる。だから、議員秘書は、何かが決まれば、関係するゼネコンの担当者にも電話で教えた。

 大物国会議員なら、逆に省庁幹部が直接電話した。「先生、地元のあれ、付けておきました」。
しばらくすると、その役人が退職して選挙に立候補したりした。「○○君、何とか、あれ付けてよ」と、地元関係者を前に役所の局長に、これみよがしに電話する大物議員もいた。

 自治体だって、黙ってみていたわけではなかった。何度も通っているうちに、課長や課長補佐クラスが「まだ言わないでくださいね、予算付きましたから」と答えてくれることもあった。

 自治体の首長の中には、局長級に知り合いがいると、内々に「大丈夫ですよ」とお墨付きをもらった人もいた。
予算がとれるかどうか分からず、自身の自治体の予算が作れないと、あたふたする市役所の部下を「まあ、落ち着いて」などとやっていた。

 当時の野党はほとんど情報がとれなかった。自民党でも力のない議員には役人もサービスしない。政府に刃向かうと、予算は付かなかったし、教えてもらうこともなかったという典型だ。

 まさに「箇所付け情報」は、政権与党の力の源泉だった。

      ◇
 従来の仕組みは、あるフィクションを前提にしていた。「4月に予算案が成立するまでは、箇所付けは存在しない」というフィクションだ。

 実際、予算は個別事業が積み上げられているので、公共工事予算は漠然と数字だけがあるわけはなく、具体的な事業が書類の中で積み上げられている。「この予算額なら、ここまで工事できそう」という具体名も出ている。

 前出の課長補佐は電話で言った。「でもこれが事前に漏れたら、予算付かなくなりますからね」。前出の首長も「4月まで新聞には書いちゃだめ」と言った。大物国会議員の秘書も「あの予算は付いたでしょう。でも、正式決定は春だから」と言っていた。


まあ、大体分かっているでしょうけど、そこはそこ、大人なんだから、知らない振りして、わくわくしながら、箇所付けを待って、箇所付けが出そうになったら、その紙をちょっとでも早く届けてね。まあ、一応確認したいじゃないですか。

 もちろん、土壇場で削られたり、誰かの横やりで予算を持っていかれて、「来年は必ず」とか「補正で盛り込むから」などのやりとりをしていたこともあった。全体が決まるのはやはり4月。だから、確かに最終確定という意味では、4月まで流動的な面があり、それまで箇所付けは存在しない。

 だが、大体は決まっていたものだ。有力者はだいたい知りたいものは知っていた。
馬淵副大臣の今回の流出はいただけないが、自民党の「財政法違反」という攻撃も鼻白む思いがするのはそのためだ。馬淵氏の上司である前原誠司国土交通相が「外に出たのは想定外であり、極めて遺憾だ」と言ったのは、正直な感想だとも思う。外に出たらダメなのだ。

 これまでは、個別案件が漏れたら、その予算は罰として召し上げという強制力があったらしい。それぞれ、事前には秘密を守ってきたものだが、少し大きな事業は、予算編成段階で「ゴーサイン」が出ていたし、中くらいの事業は、予算編成の中で、省庁から「○○プラン」などといって発表されたりもしてきた。モデル事業だって、「多分おたくにやってもらいます」と担当省庁から自治体に電話があった。

      ◇
 ということは、この問題はやはり「流出事件」となるのか。

 自身のブログに「これはフライングだ」と書いた他党の国会議員もいたが、公表してはいけないものを、間違えて早く外に出してしまった罪を馬淵氏が犯してしまったということなのだろうか。

 私はそうは思わない。私は馬淵氏の罪は、フライングにはないと思う。むしろ、このことが表沙汰(さた)になった後の鳩山政権の処理の仕方にある。

 鳩山由紀夫首相は、かなり以前から、こんな主張をしていた。

 「箇所付けを国会で決定する公共事業コントロール法案を何度も国会に出してきた。個々の事業に対して、必要なものかどうか、地元住民のためになるかどうかなど、国会議員の責任によって議論し、決定していくことができるのです」

 鳩山氏は、公共事業は「中央官庁が主導して、必要のないものを次々を実施している」と主張。箇所付けを国会で議論しようと言っていた。

 実は政権交代後にも、馬淵副大臣は、地方自治体の首長との会合(10月)で、こうした「イズム」を説明していた。

「前政権では、3月末の予算成立と同時に事業評価が発表され、箇所付けが決定され、事業実施計画が認められ、執行決済が同日に行われていた状況でした。この状況がおかしいと判断した民主党は、国会で、しっかりと箇所付けについても議論していく仕組みにしていきます」

 「(平成21)年内に、箇所付けを決定し、国会で議論していくことになるでしょう」

 「(地元選出)議員にもできるだけ早い段階でお伝えできるようやっていきます」

 そう言っていた。

      ◇

 民主党は箇所付けそのものの見直しを掲げて、「箇所付け第1案」を早急に作り、地方と国会に提示して、議論させ、国主導で膨らんできた公共事業を削減しようとしてきたはずなのだ。

 ならば、馬淵副大臣が地方に配布したのは「予定通りです。これは現在の途中経過です。これから、この是非を国会で議論してください」と説明して終わりにしてはいけなかったのか。

 地方に出すと同時に、国会議員に配布してしまえばよかったのではないか。

 なぜ、馬淵氏は先に民主党県連に紙をまいたのか。

 前原国交相は「外に出ることは想定外」などと言わずに、「さあ、これで、この事業が本当に必要かどうか、地方で国会で議論してください」と言えなかったのだろうか。

 平野博文官房長官は、なぜこれほどまでに低姿勢で謝ってしまったのだろうか。馬淵氏がすべて悪かったのだろうか。

      ◇
 ここからは邪推である。

 昨年秋までは、民主党は本当に公共事業改革を国会などの「平場」で、議論しようとしてきた。馬淵氏の10月の発言もそれを裏付けている。

 だが12月。「地方の要求を聞け」「それも党本部を窓口にして聞け」という最高幹部の号令が出た。

 そして、箇所付けは、平場で議論するものではなく、自民党政権と同じように、非公式にまとめる素材に戻ってしまった。

 そして、当然、最高幹部の意向を忖度(そんたく)すれば、作り上げた箇所付けの原案は、まず党側に示すべきものとなった。

 そう考えた馬淵氏は、それを党に渡した。

 最高幹部の意向をさらに忖度した党側の責任者も、当然のように、地方県連に資料を配布した。そしてその資料は漏れた…。


 今回の事件の真実はこの当たりにあるのではないか。

 だとすれば、これはフライング事件でも、流出事件でもない。

 民主党が掲げてきた公共事業の見直し作業が、ある最高幹部の号令で、骨抜きになり、すっかり自民党時代の遺物に戻ってしまい、それが変な形で表に出たという「事件」なのではないか。


 馬淵氏が世間にさらしたのは、民主党の公共事業改革が変質する「1シーン」だったようだ。(金子聡)

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