●公認会計士・アルファブロガー 磯崎哲也氏の意見
ネットによる「国際的制度アービトラージ」の時代とビジネス
・・・・(実は、この記事の内容も、公職選挙法の関係上、18日以降は書いてはいけないのですが、17日中に書いた記事はそのまま残しておいてもOKという、非常に不思議な規制の下にあるようです。)
これ、今後の日本を考える場合に、本当に重要なところです。
ベンチャー関係の仕事をしていると痛切に感じますが、新しい領域の芽というのは本当にデリケートなもので、ちょっとでも規制があると縮こまって、スクスクとは成長してくれません。
Googleの検索エンジンが日本の著作権法の解釈の下では「違法コピー」として成長できなかっただろう、という事例はよく取り上げられますが、Amazonの140億円の追徴課税を見ても、ネットの時代には、日本で仕事がしやすい環境を作らない限り、「仕事」や「付加価値」はどんどん海外に流出していってしまうわけです。
そして、今朝、ふと思いついて twitterでもつぶやいたのですが、日本のコミュニティビジネスも今、twitterの登場によって大きな国際的制度アービトラージの危機に直面しているのではないかと思います。
例えば、 ・・ (中略)・・
こういった、「日本の業者を規制するには十分だが、アメリカにタテツくほどではない」ことの積み重ねによって、国内の産業は成長できないことになり、日本の新たな成長領域はことごとくツブされていく気がします。
以前の記事、「「クラウドコンピューティング」は日本の地位を低下させるのではないか?」で申し上げたかったことは、日本はそういったネット時代の国際競争に打ち勝ってネットの大規模サービスを作り上げる「土壌」自体が欠けているんではないか、ということです。
(今後、ほとんどビジネスが、ネットと関係無しに行えるわけがなくなるのは、自明です。)
Googleが世界的なガリバーに成長してから「検索エンジンの研究をしましょうか」と大量の予算をつけて後追いするような個別的・局所的方法では、ネット時代に勝てないのは当然です。
「クラウド」の時代になっても、ネットによって海外に付加価値を吸い上げられないような「体質」を作るにはどうしたらいいか?ということ自体を考えることが今、求められているのではないでしょうか?
(ではまた。) |