ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

株価暴落、街の声?

2016-01-15 09:39:48 | 世の中へ

 株の値段が下がり続けているようだ。中国経済の行き詰まりとか北朝鮮の水爆実験とか、原因はいろいろと取りざたされている。これまでも蕪は播いても株は持たず、カブ(スーパーカブ)には乗ったことはあっても株の尻馬に乗ったことはないから、どんなに上がろうが、下がろうか、人ごと他人事の屁のカッパだ。

 この資本主義の世の中、株の価格が経済を大きく引き回し、巡り巡って僕たち庶民の暮らしにも、時にさざ波、時には津波となって襲ってくることくらいは知っている。先の大戦のように、世界中がひっちゃかめっちゃかな戦乱に巻き込まれたのも株の大暴落が遠因だった、これも知識としてはある。

 ただ、どうも、我慢がならないのは、そんな大事な株価だが、それが金を儲けたいって射幸心で左右されてるってことなんだ。パチンコやったり競馬に金注ぎ込んだりする人たちと同じだ。違うのは対象が、機械や馬じゃなくて、企業活動だってことと、運や釘知識やあやふやな勝ち馬情報、怪しいジンクスやを頼りにするんじゃなくて、景気動向とか経済指数とか企業実績とか技術開発動向とか、やたら細かく多岐にわたる情報、それも世界規模の要因で、買いだ売りだと騒いでいる。が、しかし、要するに金儲けたい!ってことだ。

 そりゃ誰だって金は欲しい。儲かるものなら儲けたい。でも、それが生き方の基本じゃないだろう。金は手段であって目的じゃない。これが世のほぼ大多数の人たちのまっとうな考え方ってもんだと思う。だから、金にばかり執着する人を「金の亡者」と呼んで蔑んできた。シェイクスピア『ヴェニスの商人』の上演も喝采を浴び続けてきた。金に目が眩んだ人生なんてまともなもんじゃない、こう、教えられ、そう、伝えてきた、僕も。金は大切だ、でもそれは己が働きで手にするものだ。株の売買みたいに金を右から左に動かすことで利益を上げる、古風な僕の勤労観にはそぐわない在り方なんだ。要するに、卑しい!

 で、今日の不平不満だ。株価の暴落を伝えるテレビニュースで取り上げられた「街の声」が、なんと、みな株をやってる人たちの感想だったってことだ!おいおいおい、何処の街だよ?どういう人たちだよ?言うまでもない。インタビューは証券会社が凝集する兜町界隈で行われた。マイクを向けられた人たちは証券会社の株価ボード?を気にしてた人たちに違いない。だったら、株取引に手を染める人たちは、とか、一般株主の皆さんの声は、と限定して伝えるのが筋ってもんだろうが。マイクに向かう人たちの発言は、株価の成り行きに不安や不満を訴える声ばかりだった。

 「えっ、株?持ってないから関係ないっす」なんて若者の声や「株?下がったの?それより野菜よ。値段下がって助かるわ」みたいな主婦の発言は当然収録されない。でも、それも街の声だろう。いやいや、それこそが街の声なんじゃないのか。今の時代、株の値段に一喜一憂する人たちの割合はどれほどのものなんだろう。僕の周囲を見回せば1パーセントにも達しない。どう考えても多数派ではないだろう。なのに、テレビが伝えた街の声は100パーセント株価暴落を憂う人たちのものだった。テレビよ、おまえはどっちを向いているんだよ?!

 

コメント
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