猫いらずを各所に置いて、４日目、そろそろ、効果が現れるんじゃないか？今夜あたりは、久しぶりのぐっすり快眠を取り戻せるよ、きっと。期待にどきどきモードで床に入った。まずは、寝付きの良さで一気に夢の世界に突入だ。薬が効いて、チュー公どもが、へたばってくれてれば、そのまま朝だ、目覚めだ、おはようさん！
問題の午前１時から２時、ぱちっと目が覚めた。いや、目は開けない。じっと瞼はつぶったままで、再度眠りの寄せ波を待つ。音は、しない！あの苛立つカシカシ、ガチガチという何かを囓る音は聞こえてこない。そうか、よし、よし、効いたんだな、殺鼠剤、良かった！これでぐっすり安眠できる。念のため、しばらく耳をすますも、それらしき物音は聞こえてこない。きっと今頃どこかの片隅で死んでいることだろう。目に付くところで成仏してくれればいいが。手の届かないところで死体が腐り始めたら、たまらんなぁ。あっ、もしや、まだ死出の旅路の途中かな？苦しんでんのか？我が身の突然の変容に悩んでいるか？苦痛のあまり、そこら中のたうち回ってんじゃないか？おいおい、恨みを残すなよ。お前たちが勝手にこちらの生活の場に入り込んできたんだからな。
なーんて、妄想がちらちらと浮かび始めたら、もう、いけない。ぼんやりとした寝覚めも、いつの間にか、１００パーセントすっきりお目覚めになってしまった。なんでだよ、チュー公どもの傍若無人から解放されたっていうのに、なんで、眠れないのよ！ネズミどものことは頭から消し去って、寝る！断固、寝る！ぎゅーっと目をつぶる！
決意を固め、睡眠に集中すればするほど、頭の中が晴れ渡っていく。脳みそを覆っていた薄膜が取り払われ、見事、完全お目覚め！かーーーっ！どうすればいいのよ。ネズミが居ればいたで悩まされ、居なくなった後でも、この苦悩。もう、まったく！
諦めた！ここまですっきりお目覚めじゃ、本でも読むしかない。読みかけの『ゴメスの名はゴメス』結城昌治を手に取った。
でもなぁ、これ面白いからなぁ、どんどん引き込まれて、明け方まで、なんてことになったらどうしよう？まっ、そん時はそん時、不眠の苛立ちよりははるかに健康的でしょ。
アクセス
トータル
ランキング
