すでに全国を巡回しているようなので、観にいった方も多いと思いますが、プラモデル・パッケージの原画などが見れる「BOX ART」展を観にいってきました。
(撮影禁止ですので画像は無しです。)
考えてみると、プラモデルの箱ってほとんど絵が描かれてるんですね…今の時代ならカラー写真を美しく印刷できますから、そのほうが簡単だし資料としても正確だからいいと思いますが、昔からの名残なのか、メーカーのこだわりなのか。
いずれにしても、キット内容だけでなく美しく描かれた絵画も商品として付いてくるというのは、ある意味ありがたいことなんですよね。
私も子供の頃はウォーターライン・シリーズのファンだったので、作り終わったあとは箱絵を切り抜いて集めていました。
大人になると、絵が描かれたプラモデルの箱が何となく恥ずかしくて、ガレージキット等の無機質な箱がいいなあと思うようになりましたが、良く考えてみるとせっかくメーカーの人が綺麗な絵を提供してくれてるのに、バチ当たりな考えです。
さてさて、改めて原画で箱絵をじっくり鑑賞してみますと、そのほとんどは水彩画で描かれているんですね。予想してたより大きい原画も多く、まさに「作品」と呼べるものです。
やはりウォーターライン・シリーズの情景描写が懐かしさもあって見入ってしまいました。
反面、タミヤのホワイト・パッケージになって以降の絵は、AFVにしろクルマにしろ何となく物足りないですね…やはり背景も丁寧に描かれてるほうが、絵としてみるにはいい感じです。
今はクルマ模型はホワイト・パッケージとか黒バックが多いと思いますが、せっかくならやはり情景画がいいかも知れませんねえ、まあ私はあんまりプラモ買わないんですけどw
展示は戦前からのオモチャのパッケージ画や本や絵本の絵も展示されて、それらは戦争に関連したものが中心で、現在のプラモデルも戦争関係が多いこともあって、展示の趣旨としてオモチャや絵本、プラモデルの存在が子供たちを軍国主義に駆り立てていることを暗に指摘しているようで、それはちょっと違うんだけどな、と思って見てました。
戦前のオモチャや本に軍国主義が影響しているのは明らかだけども、プラモデル文化は戦後のもの。しかも自発的に子供たちが興味に示した結果が商品となっている筈なので、これらを一緒に展示するのはどうなんだろ、と感じました。
むしろ、パッケージ画によってメカ描写が発達した過程が見て取れるので、そうゆう視点で展示すべきだったのではないでしょうか。
何はともあれ、美しい原画と、懐かしいキット、ジオラマ作品なども展示されていて模型好きには必見の展示会なので、観る機会がありましたら是非どうぞ。
ホントに暑い日が続きますね。この時期はニュースで必ず大分の暑さが取り上げられますから、そちらは想像以上だろうなと思ってます。
こちらでも美術館での展示でした。昨年紹介した海洋堂の展示会も美術館でしたし、ジャンクアートがちゃんとした美術館で展示されるようになったのも時代なんですかね。
こちらでの展示では順路というのがあって、最初に戦前・戦中の絵本などを見ることになります。
それらは明らかに子供たちを戦争に引き込むために描かれたもので、その後戦車や戦艦のプラモデルのパッケージ画を見るのですから、戦争兵器の模型の影響について考えざるを得なくなりますよ。
見る人がどう考えるかは自由なんですが、あまりおせっかい過ぎる展示演出はどうかと思いました。
演出でなかったら、無頓着過ぎますしね。
私はボックスアート展は一昨年、大分市の美術館で見たのですが、まず「美術館」で開催されたということがすごいことだと思いました。
箱絵を見るというよりは「原画」を見るというのが趣旨ですよね。日ごろ見慣れている箱絵から、絵が「ひとつの作品」として鑑賞されるものなんだなあと驚きました。
原画を見て、よく描きこまれているなあと感動したり。ほんとウォーターラインの絵はよかったですねえ。
戦前の絵が子どもを戦争に駆り立てているのではなくて、国が子どもを戦争に駆り立てるために絵画やオモチャを利用していたのだな、と思うと暗い気持ちにはなりましたが、別の部屋に展示されていたのであまり気になりませんでした。
改めて在庫のプラモの箱絵を見てみますと、本当に味があるのがあります。拡大してポスターサイズにして部屋に飾りたいくらい。
プラモがアートかどうかは意見が分かれるところですが、箱絵は確かに立派なアートです。
>@河童さん
絵というのは、写真では影になっちゃう所や、重なって判別しにくいディティールも分かりやすく描けますからね。
男の子の兵器好きってのは、単に戦争・平和論や思想・主義ではない、もっと人間の根源的な部分に根ざしている嗜好なので、薄っぺらな理屈で論じて欲しくないですね。
この展示会においてプラモデルの子供たちへの影響を指摘していると言うのは、いささか穿った見方ではあると思います。
戦争絵画が現在プラモのボックスアートとして残っている事実を考えれば、そのルーツも紹介する必要があると考えられたというのが本当でしょう。
ただ、明らかに戦意高揚を狙って描かれた戦前・戦中の戦争絵画を同時に展示することで、穿った見方もされてしまう事も仕方ないと思います。
そもそもこのようなジャンク文化には常に負の側面は付いて回りますから、そのことも念頭に置いて企画された展示会なら、それはそれでいいんですけどね…
タミヤのF1ものだと、なかには下手な資料画像より細かい描写もありますよね。
私も飛行機乗るの大嫌いだけど飛行機模型大好きだし、
ナチスドイツは鉤十字見ただけで反吐が出ますがドイツ戦車は大好きですな。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎めと強制されるかの如き思考ってのは、それはそれで或る種ファシズム的なものを感じます。
思えばデジカメで画像とっておけばよかったんですな。orz
展示の趣旨に関して、もしそれが本当の狙いならそんな展示やる意味がないと思います。純粋にボックスアートとして美しい、すごいと思えるから展示会として成り立つのであって、それ以外に他意のないものでなければ。
AFV ってジャンルはいつもこれが論争のねたになりますけど、戦車が好き=戦争肯定なんて単純なもんじゃないですよねぇ。