台風の影響で教室が休みになったので、裏山を歩くことにした。秋の虫が午前中に鳴いているのは、昨晩鳴きそこなったからなのか。夜中からコツコツと何かが壁や窓に当たる音が聴こえていたが、その正体が判った。「どんぐり」だった。風雨と共に降っていた。
黄緑色のどんぐりは、落下するのが予定よりも早まったのかも知れない。
小さな枯れ枝も集まればアートになる。その下は、たった一日で造られた「階段」。誰を通すために・・・いづれも作者は「台風」。
一晩中台風に揺らされ、木々たちは疲れきっていた。普段は誰よりも静かにしている「この枯れ木」が今、水を得て、一番生き生きとしている。
今日、ここへ来なければ、「この枯木」について持っている先入観を変えることは出来なかった。