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気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

アオサギの寝顔

2016-08-18 20:25:51 | 
 小雨が続き、釣りを止めるタイミングを計っていたら、急に大降りになったので、悩むことなく仕舞うことにした。瀬脇を急ぎ、大岩を越えようとした時、想像していないものが眼の前に現れた、アオサギ!

 アオサギは翼を畳んで丸くなり、目を閉じている。やがて少しだけ翼を広げ、頭を垂らし、嘴を横(コチラ)に向けて…まるで眠っているよう。

 自然豊かな川に居るアオサギは神経質で、いくら離れていても、こちらの姿を確認すればすぐに飛び去ってしまう。それが何故今、周りに気を配らず(目と鼻の先にいるのに!)、こんなにも無防備に休んでいる?川と雨の轟音で、私の存在が分からないのではなく、私の意識と関係がある。釣りの最中だったら、私の動きには緊張が漂い、アオサギもそれを感知して逃げたに違いない。私がその「空間」に飛び込めたのは、鮎や釣り、仕掛け…というものから解放されていたからだ。
 対峙中、雨や川の音はしなかった。そこには時間が無く、ただアオサギだけが居た。
 しばらくして我に返ることができたのは、増水する前に川を渡り切らねばという思いがあったからだ。川面に叩きつける雨の中から振り返ってみると、アオサギはとても小さかった。私はもう、その「空間」から遠く離れてしまった。