先日の台風18号の時、私は窓の外を見ていた。と言っても風に揺れる山の木々ではなく、窓のすぐ数センチ前に居る「蜘蛛」である。
いったい何時からここに居るのだろうか。一ヶ月くらい前には居たような気がするが定かではない。窓の外の景色に焦点を合わせると、蜘蛛の姿は消えてしまう。カメラもオートで撮影ようとすると蜘蛛を認知せず、蜘蛛の身体を突き抜け、奥の景色にピント合わせてしまう。蜘蛛は観ようと思わなければ見えないのだ。
ある時から、蜘蛛が2匹になった。
台風18号の暴風雨の中、巣は大きく揺れ、蜘蛛の身体は、鉄棒選手のようにクルクルと回転した。風が強く吹くと回転も速くなった。
台風が通過すると、何もなかったかのように蜘蛛も落ち着いていた。人も飛ばされされそうになるほどの風でも、蜘蛛はその小さな知恵で克服した。
事件?は翌日に起きた。小さい方の蜘蛛が大きい方に駆け寄り、いきなり喧嘩?を始めた。数秒後、大きい方は窓の下の方に逃げて行った。一晩そこにいたが、翌日には姿を消した。蜘蛛の世界でも、関係を保つのは大変なことなのかも知れない。