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気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

野口整体にマニュアルは無い

2013-09-13 16:16:42 | 野口整体

 野口整体を学び始めた頃、私は野口整体の思想を学ぶことよりも、とにかく「技術」を習得したいという想いが強かった。たとえば咳が出た時には、何処を抑えたらいいのか。腹痛の時には、何処を抑えたらいいのか。そういうマニュアル的なものを求めていたのである。しかし、野口氏の著作には、そういうことは書かれていない。いや、実際には多少は書いてあるのだが、字面だけを読み、知識として得ても、技術としては使えない。

 野口氏は、整体操法には「機・度・間」が大事だと説いた。何時、整体をするのが良いのか(或いはしない方が良いのか)、どの程度の力と間隔で抑えるのか、それはひとによって違う。百人百様の身体に臨機応変に対応しようとすることが野口整体であり、技術を体系化するようなマニュアルは作れない。

 野口氏は、万人に合う体操など無いことは分かっていたから、活元運動を作った。活元運動は、決まった型が無いからこそ、本人だけに合う体操になり得る。愉気法にしても特定の場処に手を当てるのではなく、当てる時間や手の重さなども人によって違うのが自然なのである。

 人によって違う身体を、どうやって識別するのか。その「観察力」を身に付けるには、まず自分のカラダを知らなければならない。そのためには、活元運動や気功、瞑想などによって、自分のカラダを深く見つめる時間が必要だ。それを通して得られる感覚を、規準とするのである。そういう生活をしていくうちに、身体(感覚)は磨かれ、整体に近づいていく。指導者になりたい人は、技術を学ぶ前に、そうあるべきだと思う。 


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