野口整体を勉強したいなら、まず創始者である野口晴哉氏の著作を読むことだ。入門に一番相応しい本は「健康生活の原理」だが、「整体入門」、「風邪の効用」でも良いだろう。
野口整体の概略を知ることよりも大事なことは、野口晴哉氏の思想を掴むことである。著作を繰り返し読めば、氏の健康観や哲学(生き方)が、少しづつ分ってくる。何故それが大事なのかと言えば、野口整体は技術ではなく、生き方そのものが問われるからである。野口整体を学ぶということは、野口晴哉氏の生き方を学ぶことにほかならない。もちろん野口整体にも「整体操法」などの技術があるが、それらの全てには、野口整体の思想・哲学の裏付けがある。思想・哲学の裏付けのない技術は有り得ないのである。だから野口整体は、巷によくある「整体師養成3ヶ月コース」のように、技術だけを伝授するようなものとは、全く似ていないのだ。
野口整体の思想を身に付けるには、本を読むだけでも可能である。しかしそれは、さらさらと上辺を読むのではなく、ゆっくりと意味を理解しながら進むべきである。野口氏の文章は、誰でも分かるように書かれているが、真の意味は深い。自分の身体を整え、整体に近づけば、本から汲み取れる量が増えてくる(理解の程度が深くなる)。
野口整体には「活元運動」「愉気法」という独特の技術(調整法)がある。その方法が本に書いてあるので、見ながらやれば、誰でもできる。活元運動は動きが出ないかもしれないが、気にすることはない(いつか出てしまうものだから)。愉気法は今すぐできる。
もし、将来野口整体の指導者(技術者)になりたいのなら、まず、自分が「覚悟」をしなければならない。野口整体的な生き方をするという覚悟である。自分に覚悟ができれば、いずれ野口整体的な生き方をしている覚悟のある指導者に出会うことができるだろう(覚悟の無い指導者を見抜くことができるだろう)。