昨日は「桂川(都留漁協)・支流」の最上流に初釣行。地図を眺め、ここには渓魚がいるのではと予想して出発。大きな砂防堰堤が幾つもそびえ立ち、その都度巻くことを余儀なくされるが、それもまた渓魚に会うためである。パーマーク(斑紋)のくっきりとした山女魚が2匹釣れて、予想が間違っていなかったことが嬉しかった。その後は岩魚が続いて出たが、ある処からアタリがプッツリと無くなった。前方に釣り人が見えた。恐らくその人は沢の途中から入渓したのであろう。残念だが仕方がない。諦めて場所を下流に変えてみたが、すでに私の集中が切れていたのか魚は出なかった。
ところで先日、私が遊ぶ渓の近くに「一乗寺」という寺があることを知った。「一乗寺」は「肥田式強健術」を編み出した肥田春充が若い頃に、病弱な肉体を改造することを誓ったと言われている。肥田春充の本を最近読み返したりしていた矢先に、偶然にも肥田因縁の場所を訪ねる機会がすぐ近くにあることを知って驚いたのだ。
肥田の健康法は、自分の身体をもって作り上げたものだ。一見シンプルだが、キチンとやるのは大変である。彼の提唱する「聖中心」を体感することは、それ以上に難しい。その先には「無念無想」の境地があるというが、果たして肥田以外にそれを体現した人がどれだけいるのだろうか。
「一乗寺」に向かう道の真ん中に石碑が立っている。
「三つ峠」を後ろに控え、気の澄んだ、気持ちの良い寺であった。
「一乗寺」をさがして、道を尋ねようかと思ったところに現れた女性は、私が「それ」を訊くことを予想していたかのような対応だった。しばらく歩いて別の寺と間違いそうになった時に、再びその女性が今度は車で現れて、「ここではありません。もう少し前です。」と教えてくれた。その車は50m程前で停車すると、窓から右腕を出して、「ここを曲がってくださいね」と腕だけで合図をしてくれた。全てのタイミングがよく、風のようにサラッと去って行った。