イチヤクソウ(一薬草)はその名の通り薬草で、外傷に生薬をつけると良いと言われている。毎年この時期になると、細長い茎の先端に、白い花を下向きに咲かす。葉はやや肉厚で、葉脈がはっきりしているのですぐに分かる(写真は5月24日撮影・6月7日現在まだ開花していない)。
このあたり(高尾山一帯)は、金毘羅信仰、山岳信仰の地として知られ、昔は信者が関東一円から訪れたという。イチヤクソウはそんな修験者の足の傷を癒したかも知れない。
修験者を影で支えたイチヤクソウの末裔も、今は「山の神様」の周りで静かに暮らしている。