ひらひらと空中を舞っていた黒い蝶が
次第に浮力を失い
私の足元に落ちてきた
開いた羽は 傷ついていた
暫らくして羽をたたみ 横になろうとした
最後の場所を そこに決めたように
私はうろたえ 蝶を枯葉に乗せて日陰に運び
水筒の水を与えた
寿命が ほんのわずかに伸びたとしても
黒い蝶が喜んだとは 思えない
むしろその場所を移動させられたことに
憤慨しているのではなかろうか
私が こころの準備ができていなかった
それだけのことである
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