T.NのDIARY

写真付きで、日記や趣味をひとり問答で書いたり、小説の粗筋を纏めたブログ

1191話 [ 「雲竜剣」を読み終えて 5/6 ] 5/7・土曜(曇・晴)

2016-05-05 17:38:03 | 読書

[ 落ち鱸 ]

1章

報謝宿を尋ねて来た侍は、金杉川で、お頭を襲ったと聞いていた剣客に似ていましたが、お頭が仰せられていた堀本伯道とやら申す者にそっくりのような気がしました

 と、与力・佐嶋に、同心・吉田が報告したのだ。

 佐嶋は与力・小林と相談して、同心・沢田に、密偵・庄吉を伴い、「伯道らしきものが南湖の報謝宿に入ったことと、鰻売りの忠八が屋台を出しだしたこと」を、お頭にお知らせするよう、丸子に向けて出立することを命じた。

2章

 半蔵は、多摩川の丸子の渡し舟の船頭に紹介してもらって、対岸の相模屋に宿をとった。

 夕食の席に挨拶に来た相模屋の主人の伊兵衛に、平蔵は、

「わしは、いささか剣術を遣うのだが、以前、この辺りに、高名な剣客が道場を構えていたと耳に挟んだことがあるが、その道場があるか?」

 と問うた。 伊兵衛から、

「百姓家を買い取ったものだが、15年ほど前までは、堀本伯道先生と申される方が……。いまの御当主は、中島桐之介とか……」

 と、伯道には先生を付けて呼び、桐之介は呼び捨てにして話し、続けて、

「伯道先生は、医者でもあったので、この辺りの人は大変助かりました」と言う。

 その夜、密偵の五郎蔵は、その百姓家を覗いて見た。道場の中で、浪人らしい男が数人酒を呑んでいた。

3章

 翌朝。 同心・沢田と密偵の庄吉が相模屋に到着した。

 平蔵は、沢田の報告を聞いて、先ず腹ごしらえしておけと労って、密偵の五郎蔵を連れて、道場の様子を調べに行った。

 平蔵は、例の百姓家から出てきた二人連れの浪人剣客を見つけた。 急ぎ、松並木の陰に走り込み、相手を行き過ごさせて、あの一人は大川べりでわしを襲った奴だと、五郎蔵に告げた

 平蔵は、浪人たちが江戸に向かうのを見て、五郎蔵と庄吉の二人に、後をつけるように命じ、自分は、沢田を残して夕暮れまでには役宅に戻ると付け加えた。

 そして、沢田に、わしは江戸へ戻るが、今は道場に近づくなと告げて、

「忠八のことだが、忠八が金子を殺害していない。殺害したのであれば、深川へ戻るまい。一時消えたのは、同心殺害で、あの辺りが喧しくなり、自分に都合が悪いことにでもなったか、夏の暑さで腹を下したのかもだ」

 と言って笑った。

4章

 南湖の報謝宿の前庭で、鍵師・助治郎とかの老人・堀本伯道が密かに語り合っていた。

「お使いをいただき、藤代宿の桶屋の太四郎さんを訪ねてまいったら、太四郎さんから、知らせがあるまで待てとのことで……」

「実は、尾張屋が、突然、金蔵を作り替え、ついでに錠前も新しく変えてしまったのだ。その蝋型をとるのに手間がかかり、行き違いもあって、おぬしへの連絡をしたところ、もう置手紙をし藤代を発った後だったので驚きました」

「あのときは、あのようにするのが一番良いと思ったのです」

「ともあれ、助さん、尾張屋押し込みの夜は10日後に迫っておる。その合鍵を小田原城下の手前の一色というところの鍛冶屋で作ってもらいたい」

「で、蝋型は?」

「ここにある。 それにしても此度は手違いが色々とおきて……尾張屋に入り込んでいる彦兵衛とつなぎをしている忠八という者が暑気あたりで7日ほど寝込んでしまったり……。万一にも、しくじりが無いようにしなくてはと思っている。 ……、おぬしも人助けをしているが、医術には金がかかるのでね。金がないと、今の世の中では、医術も物をいわぬのでな」

5章

 その日の夕暮に、中年の二人の男が南湖の報謝宿にあらわれ、堀本伯道と鍵師・助治郎を迎えに来た。

 その4人が、東海道への道をとらず、海沿いの道を西に一色へ向けて、すぐ出発した。

 密偵のおまさが後をつけた。 同心・吉田は、藤沢の本陣へ急ぎ、そこで待機していた密偵・元次郎に報謝宿を見張るように、密偵・駒蔵にはおまさの後を追うように、そして、同心・吉田に江戸の役宅に知らせるよう依頼し、自分は、伯道たちの後を追って東海道を西に走った。

 伯道たちは、相模川の手前の東海道へ出るまで、少し多めの時間がかかった。それは、途中、江戸から迎えに来た二人の伯道の配下が、伯道に一通の手紙を渡し、その中味について二人が補足し、今後のことを打ち合わせていたのだ。

 伯道たちは、東海道の相模川の渡しで向こう岸へ渡った。 木村・おまさ・駒蔵の三人も、その後の渡しで後をつけた。

6章

 この日の夕暮れ前に、平蔵は、丸子の相模屋に同心・沢田一人を残して、役宅へ戻った。

 平蔵が着替えをして、与力・佐嶋と話しているところへ、丸子の道場から出てきた二人の浪人剣客をつけて江戸に入った密偵の五郎蔵が居間に面した庭へ入ってきた。

「庄吉を見張りにつけておきましたが、二人の浪人は、根岸の奥のほうの寮へ入りました」

 五郎蔵の知らせを聞いて、平蔵は、佐嶋と相談し、五郎蔵に、同心・岡村啓次郎と桑田伴造、それにおまえが選んだ二人の密偵を連れて、根岸へ案内してくれと命じた。

                                             

                         次節に続く

 

 

 

 

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1190話 [ 惜しい ] 5/6・金曜(曇・雨)

2016-05-05 15:51:20 | 日記・エッセイ・コラム

                                                                                                                 

                                                                                                             

 昨日、5日は今年の「立夏」。

 立夏に相応しい晴天だった。

                       

 高松商業も全国大会で準優勝だったが、

 大手前高松は、それに劣らない成果だと思う。

 昔は、県内で一回戦から負けていたものね。

 写真の花のように、陰でひっそりと咲いていたものね。

 それが花ひらいて、四国大会で一勝したのだから、ほんとに惜しいのだ。

 夏は頑張れよ。

 

 

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