T.NのDIARY

写真付きで、日記や趣味をひとり問答で書いたり、小説の粗筋を纏めたブログ

「消えた人達」を読み終えて!

2010-04-29 15:42:16 | 読書

北原亜以子の爽太捕物帖シリーズ第2弾の長編時代小説。

 第1弾を読まなくても登場人物の過去の経緯や関係は十分理解できたが、人物の感情描写が浅く、感動させる文章も少なく、読後に心に残る感動がなかった。

弥惣吉の女房

 爽太は鰻屋十三川の居候から一人娘おふくの入婿になり、鰻の扱いは苦手だが、定町廻り同心の岡っ引。友達の徳松と竹次郎が、その下っ引をして爽太を助けている。

 十三川の主人十兵衛が爽太を居候に引き取ったのは、店が潰れるところを昔爽太の父に助けられたからだ。

 十兵衛夫婦の人柄はもちろん爽太の人柄から、町役達からも岡っ引がいる家なのに親分が居て心強いとまで言われている。女房のおふくも、人から嫌われる仕事と承知の上で十手を預かっている偉い人間だと心から惚れている。

 とにかく、爽太は皆から慕われ頼りにされている。

 爽太の所に、ざる屋の弥惣吉が来て、女房のおせんが、探さないでくれとの置手紙を残して消えてしまったといってきた。

 文化三年の江戸の大火事で、爽太をはじめ、徳松、竹次郎、弥惣吉も親無し子になり、その時からの爽太を中心にした仲間だった。その中で弥惣吉だけは盗みなどの悪いことはしない口数の少ない真面目な子供だった。

 おせんも大火事に会い、病人の父親がいたおせんは男の袖を引いていて夜鷹と喧嘩しているところを徳松に助けられ、弥惣吉が見初めて惚れたのだった。

川越

 穀物問屋武蔵屋の江戸の出店で取引先と上手く行かず江戸をよく知っている入婿の若主人栄之助が自分から出かけることを申し出た。

 栄之助も文化の江戸の大火事で、親を失い武蔵屋に奉公したのだ。

 数日して供をしていた手代が一人で帰ってきて、取引先との話はすぐに纏まったが、あの世に旅立つことを許してくださいとの置手紙を残して栄之助が居なくなったことを告げる。

 川越のある取引先に掛取りに行った手代が帰ってきて、既に若主人に支払ったと言われたとのこと。主人の半右衛門は、集金した金を懐に江戸に行ったのは初めから行方をくらます覚悟があったのだと、栄之助の持ち物を探せという。

 行李の底から気にかかるものが出てきた。江戸買った本を結んでいた着物の付紐だ。おるいは紐の裏に、おせんと書いた字を見つけた。

絵姿

 爽太達は弥惣吉からおせんの親戚を聞いて尋ねてみたが何も判らず、仲間におせんの似顔絵を描いて貰って、出合茶屋を訪ね歩いた。

 ある店で、おせんに似た女が男と逢引していた事が判った。相手の男は大店の若旦那といった格好だったという。

 竹次郎が、我々はおせんの恥ずかしがりの引っ込み思案の絵姿を見ていたのだという。絵姿には裏返しをしても何もない、生身のおせんには、後ろも裏もあったのだと思った。

二人の女

 おるいは父について江戸に出てきた。おるいにとって栄之助は恋しくてならない夫なのだ。文屋を通して栄之助の付合い範囲を調べて行方を尋ねたいと思っていた。

 栄之助はおせんと江戸を出奔して数日経った時に旅籠で寝込んでしまった。眠りから覚めた栄之助は、真っ先に弥惣吉の親友の爽太が追っかけてこなかったか、おせんに聞いた。しかし、おせんの心は違い、弥惣吉に殺されても恨まれてもててと思っていた。

 おせんと栄之助が会ったのは、おせんが弥惣吉と所帯をもって二年目のときに、所用で江戸に出てきていた栄之助が雨宿りでおせんの家の軒下に飛び込んできたのだ。無口のおせんがどうした事か自分から話しかけていた。

 おせんは弥惣吉の恩人の優しさを時おり重たく感じていた。栄之助も舅夫婦と女房からあまりにも大事にされるので、毎日が息が詰まりそうな気持でいたのだ。二人が深い仲となるのに時間はかからなかった。

 元気になった栄之助は、覚悟をしての駆落ちだったのに、嬉しい、楽しいで、恩を捨ててよいわけがないと離別の話を持ち出し、おせんが帳場に茶を貰いにいった間に栄之助の姿が消えていた。

 捨てられたと思ったおせんには帰るところもなく、おせんに恨まれても呪い殺されてもよいから川越に行こうと思った。そこへ爽太が尋ねてきた。おせんはまた蓋を閉じた貝の様な暮らしに戻るのだと思った。

 そんな時、武蔵屋の出店に川越から早飛脚で栄之助が帰ってきたとの文が届いた。

隠れ家

 爽太はおせんも直ぐには弥惣吉と住めないだろうと、江戸での落ち着き先を見つけるために、板橋宿に住んでいる爽太の昔の友達の政五郎におせんを預けて江戸に帰ってきた。

 次の日に爽太を追うようにおせんが爽太の家に来た。政五郎が、おせんに栄之助が置いていった金を盗んで江戸に逃げたという。政五郎は博打の借金があり追われていたのだ。

暮春

 川越に帰ってきた栄之助は元気なく、おるいには、何時までも二人の間にはおせんの面影が挟まっているような気がしていた。

 おせんが爽太の家から居なくなった。爽太が工面して渡した15両の金が入ったおせんの風呂敷包みも無くなっていた。

 おせんは川越に行って武蔵屋の小僧を通じて15両を栄之助に返し、江戸に帰り千住の料理屋で働いていた。

 爽太はおせんの居所を知ったが、弥惣吉には教えないことにした。

驟雨

 爽太に飛脚便が届いた。高崎宿栄之助からで中身は25両入っていておせんに高崎に来てくれるように伝えてくれと言う内容だった。

 爽太が、武蔵屋の出店で栄之助の居場所の裏を取ったら、病気療養でおるいと上州に湯治に行っているとの話を聞いているという。爽太は栄之助からの手紙でなく、誰かが人に頼んで書いてもらったものと思った。

 爽太はおせんを近くの茶屋に連れ出して栄之助の手紙を読んで聞かせた。おせんは、借金のある身で今は身動きできないから金は預かっていてくれと、料理屋に帰っていった。爽太は料理屋の主人に金を渡しておこうと後を追ったら、もうおせんの姿は無かった。

 弥惣吉の姿も判らなくなっていた。爽太は友達の弥惣吉がおせんに危害を与えるかもしれない事が一番心配だった。

中山道・高崎宿

 弥惣吉は大阪までの手形をもって江戸を出たようだ。爽太達は高崎に向けて後を追った。おせんは手形を取りに江戸へ帰ったところを爽太の手下が抑えて爽太の後を追ってきている。

 高崎宿について栄之助を探していたら、ある宿で栄之助からのおせん宛の預け文を貰った。都合で松井田で待っているとのことだった。爽太はその手紙を見て女が男の手に似せて書いたものと見た。

 松井田まで行くと追分で待つとの託し文を受け取り、おせんもようやく騙されている事を信じた。

安中にて

 栄之助はおせんを置き去りにした自分を責めて、湯の宿でおるいに看取られながらあの世に旅立ったが、息を引き取るときにおせんと言って息絶えた。

 憎かった。許せなかった。おるいは、まず弥惣吉に手紙を書いた。

 弥惣吉は、おるいからの敵討ちをしませんかの手紙に乗って、自分を捨てた女房に思い知らせてやりたい一心から旅に出た。

 しかし、今は安中宿近くの農家で腹痛の為に寝込んでいる。心の中では、何もかも放り出して江戸に帰りたくなっていた。

 おるいは、まだ心を納める事ができず、弥惣吉に確りしてくれといって、自分は、次は奈良井宿へ来てくれとの手紙を書いている。

 そこに、追分で待つとの手紙を旅人に頼んでいるおるいを見つけて後をつけた爽太が入ってきた。やっと、弥惣吉を探し当てた。

 

 

 

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少しづつの剪定!ー450回

2010-04-25 19:51:47 | 日記・エッセイ・コラム

 曇と晴が三日続いたので、毎日、後の掃除を含めて1時間、朝食後の気温が低い時に剪定を行った。気がつかなかったが、写真で見るとだいぶん虎刈りだ。

 まだ半分残っているし、庭の除草もまだなので、後四・五日は外回りの清掃にかかりそうだ。高齢者でもあり雨の日も多そうなので、五月の上旬までに終わればと思っている。

 どこかの首相ではないが、何時までにと頑張らなくてもよい身分だからのんびり遣ればよいのだが、性格上、どうも気になってしょうがない。

 それにしても、どこかの首相は、本当に宇宙人だと思う。宇宙人だからか、それとも昔の殿様のような環境で育った人だからか、プレッシャーもストレスも感じないのだろう。不思議な人だ。

                                                 

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春に三日の晴れ間なし!

2010-04-21 17:46:01 | インポート

 今日は久し振りの晴だった。明日、明後日は雨の予報になっている。

 今年は特に天候不順で野菜も高値のようだが、困ったものだ。気温もその高低が酷過ぎる。

 冬は散歩も殆どしないので、毎年ながら体重も4kgも増加している。

 早くスマートになりたいので、とにかく運動とまではいかなくとも身体を動かさないとと思っているのだが、どうも思うようにはいかない。

 しかし、どうしても遣らないといけない庭の剪定があるので、ぜひとも晴天とまでいかなくとも曇でもいいから晴れた日が三日ほど続いてもらいたいものだ。

                                  

 昨日、2010年の本屋大賞が発表された。珍しく時代ものだったし、内容が暦に関係するといった理系のものでもあったので、購入した。ついでに文庫本を二冊、これが余分だが、ゴールデンウィークも天候不順が続くだろうと予想されるので、読む時間は十分あるだろう。

                                                        

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家の周りの花

2010-04-19 14:26:47 | 日記・エッセイ・コラム

 三寒四温だろうけど、気温の差が酷い。桜の花の上に雪が積もっていた写真を見たが、驚きだった。

 しかし、家の周りの春の花がだんだんと咲いている。平年の時期と比較は出来ないが、日本には四季があり、心が癒される。

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「まんまこと」を読み終えて!!

2010-04-15 17:51:44 | 読書

私は初めて読む推理作家?の畠中恵のまんまことシリーズ第一弾の6編連作短編推理時代小説。

 神田の町名主・高橋宗右衛門の息子・麻之助は元々評判の良い若者だったが、16歳になった時、ある事情から、自分の意思で気楽な人間になってそっと社会勉強をした。その麻之助を中心に、隣町名主八木家の息子で女好きの清十郎、堅物の同心見習・吉五郎という幼馴染みの三人が名主家に持ち込まれた調停を解決していく物語。

 調停に持ち込まれたものについて、何が問題かを明白にし、要点を衝いて解決してゆく物語が平易に書かれていて一気に読ませてくれた。

まんまこと(本当のこと)

 清十郎の家に相談に来た笠松屋は、娘・おのぶのお腹に麻之助の子供がいると言う。しかし、麻之助はおのぶとは初対面である。おのぶも父親の口喧しさからついでた名前で、本当のことは一切口にしない。

 麻之助は、ぎっくり腰の父に代わって赤子の本当の父親を探す事になった。

 麻之助は策略を考え、笠松屋の近くの長屋の周りで、おのぶが父親の名前を明かしたので、笠松屋が名主に訴える気になったとの噂を流すことにした。

 その効果があり、小倉屋の次男・半次郎が袖の下を持って麻之助のとこにやって来た。

 おのぶは小倉屋の跡取りの許婚で、半次郎は文使いをしていて、兄を妬み確かに寝間を供にしたこともあったが、兄の子かもしれないという。

 今は兄が死亡しそれも分らず、自分が跡取りになり小町娘と名の高い和国屋のおぬいとの話が出来ているので、内々にして貰おうと麻之助の要望もあり半次郎は袖の下を倍払いした。

 10日後に、半次郎の意に反して、笠松屋の調停をすることで、高橋家玄関座敷に和国屋親子も呼んだ。

 麻之助は、おのぶの赤子の父親が誰かは興味ない、大事なことは、赤子が無事に生まれ大切に育てて貰えることだろうという。そして、半次郎が袖の下として出した50両を赤子の為におのぶさんに貰ってもらうという。

 いつものきつい顔の影も消えた笠松屋は両手をついて麻之助に礼を言った。

柿の実を半分

 三池屋小左衛門の家の柿をもいだことが原因で小左衛門の話を聞かなければならない破目になった麻之助と清十郎。妻子を亡くしている堅物の小左衛門が話すのは、何時も同じで昔好きだったお亀という女のこと。麻之助達は寂しさが語らせる話で少し創ったものではないかと噂していた。

 ある日、お亀の子供だといってお紺という女がお亀の形見を持って小左衛門の前に現れた。

 小左衛門は自分の子に間違いないので、人別に載せてくれと調停をしてきた。

 数日後の高橋家玄関座敷の調停の場には、思いもかけず小左衛門の兄と弟と従弟も付いてきていた。兄弟達は相続される金が減るから子供とは思えないという。

 麻之助は吉五郎の岡っ引に調べさせたら、お紺の勘違いでどうも衛門違いだと判ったので、次の調停の場では、小左衛門の子供ではないことを伝え、全員が納得して終わりとした。

 10日ほど経って、麻之助と清十郎は小左衛門に後添いを貰ったらどうか、相手はお紺だと言ったら喜んで了承し、これから毎年、この柿の木にできる実の半分を自由にもいでくれと言う。

万年、青いやつ

 とうとう麻之助にも縁談話が持ち上がった。吉五郎が持ってきたのだが、相手は吉五郎の縁続きの武家の娘・寿ずで、想い人がいるという噂が立っている。

 そんな時に高橋家に万年青を巡る争いの相談が松野屋から持ち込まれた。

 万年青の愛好会の披露会があり、済んだ後に持ち主札のない鉢が1つ残ったのたが、持ち主が二人現われた。松野屋と安助だ。今は植木屋に預かってもらっているとのことだ。

 松野屋と安助に麻之助が尋ねると、両者とも実から作った羅紗の小葉種だと同じことを答える。その後、植木屋に実物も見に行った。寿ずは今日一日麻之助に付いてきたが、明日、噂の人に会ってくれという。

 寿ずは麻之助の縁談を口実にして、子供の時から好きだった水野又四郎の見舞いのための外出をしていたのだ。

 寿ずの案内で病人の又四郎に会った。又四郎も万年青の事をよく知っていて、今度の事にも関心があったのだ。

 又四郎は、本当の持ち主は、大事な万年青だのに肝心の鉢のことについて言及していないので両者とも持ち主と違うと言う。

 麻之助も同じ意見だが、真の持ち主は植木屋の金太郎という奉公人だという。

 奉公人は新種の万年青を作っても店の収入になるだけなので、金太郎は持ち帰った人から安く買い戻し自分のものにするつもりだったとの証言を得たという。

 後日の調停の場では、両人とも持ち主ではないと言うだけに終えて、金太郎のことは植木屋の内情の事なのなので口に出さなかった。

 その後、金太郎から植木屋の主人に辞めたい、餞別の替わりに万年青を一鉢欲しいと持ち帰った。主人に新種と見抜く眼力が無かったのだ。

吾が子か、他の子か、誰の子

麻之助の家に、年配の武家の大木田七郎右衛門が清十郎の弟・幸太が自分の孫だと言って来た。

 幸太の母親のお由有は麻之助の幼馴染みでもあり、清十郎の継母でもあるので変な噂が立たないように事の真相を早く調べたいと麻之助は清十郎や吉五郎に協力を頼む。

 国許の七郎右衛門へ息子・松三郎が江戸で亡くなる前に、江戸に子がいるので金子が入用だとの手紙が来たので、今回の出府を機に調べたのが、その子がどうも幸太と考えられるとのことだった。

 麻之助達は、その手紙を見せてもらおうと、七郎右衛門を藩屋敷に訪ねる途中で、急ぎ足で先を行く当人にあった。七郎右衛門は、昔の知り合いのおかくという女によく似た娘につけられていて怖くなって急いでいたという。

 早速手紙を見たが、幸太という名前は無く、さらに子が出来たのではなく子に出会ったとだけで、他に四人の女の名前があり、その中に確かにおゆうという名前があった。

 調べた結果、そのおゆうは、松三郎が居た下屋敷の近くの茶屋にいたし、子供もいたが、しかし、その付近の茶屋にはおゆうという名前の女は多くいたことまで分った。

 七郎右衛門の後をつけていた女が麻之助達が調べている後をつけて来ていたので、尋ねてみると、松三郎と知合いになり、偶然にも義理の妹ということまで判ったのだが、暫く会えなかったので、藩屋敷の前で待っていたらよく似た七郎衛門に会ったのだと言う。名前はおむめという。手紙にもその名前があった。

 麻之助は七郎右衛門に来てもらい、幸太の母親は神田にいたので松三郎の行動範囲からしてあまり離れすぎていて会うことはありえない、松三郎の手紙には子供に出会ったとしか書いてないと話をして、別室からおむめを連れてきた。

 おかくの娘のおむめだと七郎右衛門に引き合わせ、これから先は町名主の手に余りますと言って、顔を赤くする七郎右衛門の前に、おむめの住所を書いた紙を差し出した。

こけ未練(思い切りの悪いこと)

 寿ずから又四郎が会いたいので行って貰いたいとの便があり、麻之助は清十郎を誘い又四郎宅へ行く道すがら、清十郎から一両借りて高い羊羹を土産に買った。その菓子司で飼い主が判らない狆を拾ったまま仕方なく抱いて外へ出た。。

 今度は臥煙に囲まれていた娘を助けた。その娘はおしんと名前だけ言ってその他のことは何も喋ってくれない。麻之助はそれでも面倒を見ようとするので、清十郎が許婚を押し付けられている寿ずや又四郎に会いたくないからだろうとひやかす。

 そこへ狆の飼い主の女中が岡っ引を連れて追いかけてきたので、都合よくおしんも家への送り返すことを岡っ引に頼んだ。

 遅れて着いた又四郎宅で、又四郎から麻之助の腕を強く掴まれ、寿ずを頼むといわれたが、好きだったお由有のことが忘れられず、どうしても確とした返事が出来なかった。

 お由有が源兵衛の後妻になる前に、お由有が麻之助にそのことを告げた。

 麻之助はどうしてと聞くのが精一杯だったが、それに答えてお由有からお腹に赤ん坊がいるのだが、父親になってくれるかと言われ、麻之助は自分の力の無さに一言も言えなかったことが、いまだに忘れられないのだった。

静心なく

 幸太が誘拐された。家に文が届けれられ五十両用意しろと書いてあった。源兵衛は心労のあまり卒中で倒れ、吉五郎の岡っ引や下っ引も手助けする。

 たまたま、高橋家に又四郎が亡くなったので麻之助との縁談を断りに来た寿ずも喜んで手伝う事になった。

 麻之助は、町名主の八木家に調停を頼みに来た事件の中で、不平を持っていると思われる者から犯人を絞っていき、青竹屋の跡取りが固く禁止されている賽子賭博に出入りしていて、父親からの申し出て人別から外され勘当されたが、その息子の頼みで、母親はたかが博打といった感覚で息子を助けたい為に博打の借金五十両を取ろうとしたのだろうと考えた。

 寿ずも同じ考えで、先に青竹屋に走っていた。麻之助達も追いつき幸太を助け出すことができた。

 後日、寿ずと麻之助の両方の親が良縁だと縁談を勝手に進めてしまった。結納の朝が来て、麻之助は、これが年貢の納め時かと思っていた。

   

 

 

 

 

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