先日、家系図の整理をしていて、あることに興味を持った。
それは、私の祖先が備後福山藩の藩士の次男(いわゆる部屋住み)であったので、
文明六年(1786)に、藩に願い出て許可を頂き、
家人らと、遠い讃岐の山奥に移住しているのだが、
山奥とはいえ遠い他藩の領地に、どのような伝手で移住して、土地を開拓し、
農家として生計を立て、子孫を残すことができたのだろうかということだ。
遠い藩の殿様の土地を開拓すると罰されたと思うのに。
江戸幕府ができたのが、慶長八年(1603)。
ペリーが浦賀に来たのが、嘉永六年(1853)。
大政奉還が慶応三年(1867)なので、その時よりも80年前だから、
まだ、幕府や藩主の権力は強かったと思う。
とすれば、開拓しての新田を見つけられると、
当時は、"パスポート"などの許可証?は発行されていないだろうから、
打ち首までいかなくとも、領地から追い出されるのではなかろうか?
いやいや、私が居るのだから、許可証か認可証のようなものがあったのだろう。
そんなことから、幕末に近い時代の部屋住み武士のいろんな生涯を知りたくて、
作家は丹念な取材や調査をして作品を纏めるので、
少しは参考になるだろうと思い、とりあえず、写真の短編時代小説を購入した。