blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

不景気な話

2009-08-03 23:25:04 | 日記
先日TVのニュースを見て驚いた。
全日空(ANA)が運航する富山=札幌便を北海道国際航空(エア・ドゥ、以下ADO)が11月1日から引き継ぐことが報じられていた。
富山県にとっては、昨年の福岡便休止(実質廃止)に続く後退である。

形の上ではコードシェアといっても、1日1往復の便はADOの機材になるわけで、本質はANAが手離した格好である。
路線がなくなるわけではないにせよ、現在の270人乗りの機材が126人乗りと半分以下になる。
観光客はともかく、企業や学校関係では今から頭を痛めているところもあるかもしれない。

ANAの経営が厳しいのは分かるが、富山=札幌便の路線としての状況はどうか。
ANAのウェブサイトを調べたら、今年の5月までの月別の実績を見ることができた。
今年に入ってから利用率が50%を超えた月は1つもなく、1月と4月はなんと20%台であった。
念のため「もっともいい季節」であろう昨年の6~8月のデータも見たが、それでも70%前後であった。

ニュースでは、富山県からよりも北海道からの乗客が少ないという指摘があった。
ダイヤを見ればそれも無理からぬことで、午前富山発、夕方札幌発というのはいかにも富山側に便利な設定だ。
北海道から日中に富山に入ろうと思えば、羽田乗継しか選択肢はない。

機材の小型化に伴って2往復の確保はならないものかと思うが、現下の経済状況でANA・ADOともにとても楽ではないだろうからあまり期待はできない。
ニュースでは、料金を現在より若干安くできるというような報道がされていたが、一般人はあまり使わない「普通運賃」の話である。
低価格路線を行くADOとはいえ、各種割引運賃などもいずれ発表があるだろうから注目していきたい。
現在ANAは「富山⇔東京⇔札幌」の乗継料金を設定していないが、東京=札幌便にはADOのコードシェア便が多数あるので、せめてADO機材どうしの乗継になる場合は何らかの配慮があってもいいのではないか。

札幌便には個人的にも一時かなりお世話になったし、もとより北陸と北海道は歴史的なつながりも深い地域でもある。
そういった背景も「経営効率」という名のもとに後退を余儀なくされるのは残念だ。
北陸新幹線ができれば、東京便の6往復体制も怪しくなる。
地元の空港がどんどん寂しくなっていくのはいかにもしのびない感じがする。

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