ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

品種の個性

2019年09月12日 02時24分11秒 | ワインの事
ワインは沢山の、というよりも星の数ほどの葡萄の種類があることが、他のアルコール類と比べて突出している部分であるんだろうと思います。

それが世界の気候風土の違う各地で「それぞれの」造り方をしていますので出来上がるワインは千変万化の顔を見せるのです。

ですので、まさに今、多くの受験者がいるソムリエ協会の2次試験のテイスティングも簡単ではありません。

「品種の個性を知ればだいたい解る」という人もいますが実はそう簡単なことではありません。

栽培や醸造の違いで天と地ほどの差が出ますし、年の差や葡萄の樹齢でも違うんだろうと思います。

「すぐそれと判る」と言われるゲヴルツトラミネール種は確かに判りやすい品種ですが、それでも「えっ?」ということはありますし

「リースリングにはぺトロールと言われる石油的な香りがある」と覚えていると実は本場ドイツでは無いことも多く・・・。

また同じシャルドネでも酵母が違うと同じ畑の同じ葡萄で造っても「全く別」の仕上がりにもなります。


ま、同じ日本人でも大阪で吉本のお笑いテレビを存分に見て育った人と、東京の粋な落語を聞いて育った人では感性は違うようなものです。

或いは「アメリカ人はでかい」と思っていたら、小柄な方も少なくないわけです。


大事なことは「目の前にあるワインの性格や体格はどうか?」です。

試験を受ける方もそうでない方も「このワインはこういう性格だ」「細身だ」「筋肉質だ」と感じた部分を飲むときの「方法」に繋げていけばいいのだと思います。

どうぞ「品種を当てよう」とシャカリキにならずに丁寧に「性格診断」をしてくださいまし。



さて今日12日はお休みを頂戴します。
(今日中のお問い合わせはFBメッセンジャーが便利です)

では、明日以降のお越しをお待ちしています‼

グラス拭き

2019年09月11日 01時38分02秒 | サービス
ワインのお店でもグラスワインに特化している店ですから、忙しい時はとんでもない数のグラスを使います。

そうすると洗い上げて、拭き上げての連続。

しかし、ヒマでグラス拭きがあまりないことを思うとありがたいなあ、と思って拭いています。


で、その光景を見たお客様から「手際良いですねえ!」とか「速いですね」「きれいに磨けますね」と言われることがあります。

しかし、実際のところは「磨いている」のではなく「水滴を軽くふき取っている」だけです。

強い力ではなく「軽く」「滑らすように」です。

たまに聞かれるのは「良いグラス磨きのタオルを買ったけど上手くいかない」です。


恐らく、そのタオルは「磨き専用」で通常の洗い立ての水滴がついたグラスには向きません。

どうぞ普通のグラスタオルと言われるものを買ってください。

吸水性が良く毛羽が少ないもの。

そして十分な長さがある「いわゆるタオルサイズ」


コツはグラスの中にあまりぎっちりとタオルを差し込まない事です。

「きれいに洗えている」が前提ですから、水滴を吸わせるだけでいいわけです。

詰め込み過ぎるともう一つ弊害があります。

左右の手でグラスの端をグラスタオルごと持つのですが「ちょっとダラッとした余裕」が無いとクルクル回せません。


ま、文字で書いても実感がないかもしれませんので、あとは店で拭き上げている様子を見てください。

ちなみに私、竹中さん、山本さん、それぞれ少しづつ拭き方が違ったりします。

「拭ければよい」のです。


あ、ご自宅の場合は飲んですぐ洗うのは危険ですね。

だって酔っているんですもんねえ。

軽くすすいで翌日の素面の時に洗ってください。

そしてお客様に出すのでないなら「お湯ですすいで」「タオルの上に伏せておく」で充分だと思います。


などと言いながら、何事も「慣れ」が肝心です。

「手際が良いなあ」な感じになるまで慣れていただく事です(笑)


             樋口誠

たまたまですが中間色

2019年09月10日 02時20分39秒 | ワインの事
そむりえ亭では必ず一種はロゼワインをグラスで開けています。

が、今日現在はロゼを含む「中間色」なワインが6種ほど開いていまして・・・


理由は簡単。

8月から引きずっているアイテムと9月のアイテムが重なっていることが一つ。

もう一つはロゼのようでロゼでないアレ=所謂【オレンジワイン】や赤ワインだけれどロゼっぽいジュラの赤などが重なっている、というのが二つ。


今日、明日にも少しづつ整理されていますが、役割はそれぞれ違っていて面白いものです。

「え~、同じ色やん」ってな感じですが温度もグラスも替えて、合わせる料理も違います。


勿論、普通に白も赤も沢山開いていますので、料理ごとのバラエティを楽しんでくださいまし。


             樋口誠


ワインの認知度

2019年09月09日 02時21分48秒 | ワインの事
かなり前から言い続けているのですが・・・・

日本のワイン消費量なんて知れたものです。

そりゃ30年前から比べると増えているのに違いありませんが、それでも成人一人当たり3.5ℓ程度=750㏄のボトルを4本と少し。

結婚式などで「飲む飲まないを問わず」注がれるワインも含めての量ですから実質はもっと少ないハズです。

「そんな少ないわけないやろ‼」

「私なんか年間に何百本も飲んでるし・・」

いえいえ、寧ろそういう人がいるということで「一般の人の平均値はもっと下がる」のです。

そむりえ亭等の店(ワインを主とした飲料として供出する店)では周りを見渡すと皆さんワイングラスを手にしていますので、錯覚するかもしれません。

しかし、居酒屋や焼き肉店、普通の和食屋さん、あるいはアジア料理などの店で飲まれるワイン等たかだか知れているのです。



あ、ワインを馬鹿にしている訳ではありませんよ。


しかし・・・・

「ワインを気楽に飲もう」

「フランス人には普通の飲み物やし」

でもないんです。

ちょっとした入り口の準備が大事なんだろうと思います。


或いは「ワインを知っている、と思われている人たち」はついつい高額なワインを「〇〇村の△さんのワインは一味違うねえ」と言いがちですが初めての人には「鬱陶しい」話です。


また「飲めばわかるでしょ」でもありません。

例えば海外から日本に初めて来る人に梅干しを無言で出したらどうなるか?

「あ、甘そうなフルーツだぜっ」と口にした途端に吐き出すはずです。

「それだけで食べると酸っぱくてしょっぱいですよ。でも温かいご飯に乗せると美味しい【ウメボシ】という食べ物です」などと説明すると喜んでくれるものです。

「ほとんどの人」にとってワインは未だにそういうものだと理解しています。


またワイン好きな人が「マリアージュとか面倒くさい」「どうでもいい」と言われたりします。

そういう人はそういう人で好きに飲めばいいんだろうと思いますが、多くの人は「普段は日本酒で美味しい食事がワインだとダメになる」と失敗して、結果としてワインから遠ざかるのです。

ですから私はマリアージュに拘ってサーブをします。

同時に簡単な説明。


私のマリアージュはいつも同じではありません。

隣のテーブルで同じ料理が出ていても、違うワインをサーブすることもあります。

高めあうもの、寄り添うもの、邪魔しないもの等は勿論、ファーストチョイス、オルタナティブチョイス、或いは・・・


ワインを嫌いになって欲しくないのです。

私の方法が最適かどうかは自分で判断できませんが、30年以上の中でそれなりの答えを感じています。


「お気楽にどうぞ」を簡単に言うわけにはいきません。

お気楽かどうかはお客様が感じること。

或いはワイン通同志のワイン会などに初参加される方が「もう懲り懲り」という声もあったりします。


最初の方で書いた「成人一人当たりの消費量3.5ℓ」は右肩上がりかというと、実は2013年以来は横ばいのようです。


敢えて「ワインなんて」と卑下しながら地道な「樋口なりの方法で」進みたいと思います。


           樋口誠

2010年9月は・・・・

2019年09月08日 01時36分19秒 | 日記
そむりえ亭が開業して2年が過ぎ、3年目に入ったばかりの9月。

前店舗では2階まで客席がありまして大変な広さでしたが一階部分だけでも25席ですので狭くはありません。

で、その一階の奥に個室部分があって「良い感じ」で使っていました。

しかし、2010年夏に個室のエアコンが潰れます。

細かく言うと「たまに動き、たまに停まる」感じでした。


今年の9月はまだまだ暑いわけですが、2010年はさらに暑く12日迄35度以上が実測されており、最低気温も13日まで26度越え。

「神は意地悪だ」と思ったのを覚えています。

こういう年は何年かに一度訪れます。

当時はエアコンの修理を「高くつくので少し我慢しよう」とケチったのが間違いでした。


「温暖化」は困ったものですが、毎年同じような気候でないわけです。

その年に合った方法でお客様の快適さと従業員の身体の維持を考えないといけません。


特に室内を外を行き来する人は要注意ですし、そのあとにやってくる「涼しい秋」での体調不良(夏風邪含む)には声を掛け合って気を付けたいものです。


今日は33度予想ですが、深夜の湿度は80度台。

まだまだムシムシしそうです。

「汗を搔かない様に」ではなく「しっかり動いて汗を搔こう」で頑張りましょう。


           樋口誠

「AI」は・・・・

2019年09月07日 02時02分46秒 | ちょっと休憩
もう既に市民権を得ている単語になっていますね。

PCやスマホでは昔では考えられない位「賢い」機能が働いているようですし、

将棋や囲碁でもAIに名人級の人でも勝てなくなっています。

「もうAIの時代やで‼」と声高に言われる方が増えるのも仕方ありません。

ですので「AIの発展でなくなる職業」などという話も出てきて当然です。


しかし、逆に車の自動運転などは「自動」から「アシスト」的なニュアンスに戻っていたりしますし、天気予報も正確なように見えますが決局判りにくくなっていたり・・・

スーパーやコンビニのレジも最新式のものより、一昔前のレジスターで慣れた人の手の方がスピードが速い、ように見えます。

ワインの世界もAIが入り込んでいるのかもしれません。

しかし、今のところ「人の経験値」を頼りにしたほうが良さそうに思えます。



私はAIを否定する気など毛頭ありませんし、コストや時間を削減できるなら賛成でもあります。

「今のところ」は未だ「むしろコストが掛かって」「時間も掛かる」という気がしていますので、それまでは自身のスキルを上げて「その時を待つ」のが良いのではないかと思っています。

と言っても私の世代には残された時間は少ない訳でして(笑)


ま、焦らずに「進化」を見届けたいと思います。


             樋口誠


オフドライ

2019年09月06日 01時59分31秒 | ワインの事
「甘口は苦手やねん」

「男は辛口に限るで~」

などという言葉はお酒の世界では支配的かもしれません。


しかし、甘みは大事な要素です。

例えば料理に砂糖などの甘味を使うことは洋の東西を問わず「普通に」あること。


シャルキュトリーやフォワグラにフルーツを合わせると美味しいですし

お肉のソースにも甘いものが合います。

肉じゃがや煮つけにも砂糖は大事な味わいを造るのですし・・・


さてワインの世界ではかつてドイツの甘いワインが重要な位置を占めていました。

私もホテル時代は沢山使ったものです。

それが95年のポリフェノールブーム位から雲行きが怪しくなって「白の」「しかも甘いワイン」が退行していったように記憶しています。


しかし、大事なものは復活するんですね。

暫くすると=そうですねえ、2000年代の半ば位からでしょうか?「オフドライ」という言葉が出始めたます。

オーストラリアやワシントン州でリースリング種のワインが「辛口一辺倒」→「辛くないor少し甘い」タイプが「むしろ主流」の感じになっていたりします。

美味しいですよねえ。

今月から暫くワシントン州のリースリングが登場しています。


ワインの世界は「多様であってこそ」です。

辛口ばかりに囚われずオフドライを試してみてください。


さて今日はお席に余裕があります。

お待ちしています‼


               樋口誠

介護の記録

2019年09月05日 01時57分25秒 | 日記
そういえば母の介護をしながら「困ったなあ~」と思ったことに「物を隠す」というのがあります。

通常の状態なら「意地悪」でしかないことですが、母にとっては違いました。

認知症の親御さんを持たれる皆様には「あ、うちもだ」という事のようです。


例えば・・・・・

「財布が無い」と母が言います。自分で隠したのですが、それさえ覚えていません。

必死で探した挙句、見つかったのは冷蔵庫の冷凍室の奥の奥。

「メガねが無い」となれば、水屋(食器棚)のどんぶりの中。

「こないだ買った時計が無い」と言った時はグルグルに巻いたタオルの中。

そして最後に言うのは「さっきの侵入者に隠された」「盗られた」

挙句の果てに「こんな泥棒の住処にいたくない」と言ったこともあります。


母の場合、レビー小体型認知症ですから幻視が見えるわけでして、それが彼女の中での「真実」

ですので否定したところで感情を逆なでするだけ、とは少しして覚えた私なりの知恵ですし、ヘルパーさんにも教えられました。


母が歩けたうちに幾つの探し物をしたのか定かではありませんが、まるで敏腕刑事のように家中を探し回ったことも懐かしい想い出です。

ひょっとして見つかっていないものもあるのかもしれませんが、次の引っ越しがあるならば「あ、こんなん出てきた」と笑いたいと思います。


皆様もそうなった時には穏やかに冷静に対処してあげてください。


気持ち次第では「楽しいゲーム」かもしれません。




          樋口誠

11月4日:久しぶりのイベントです。

2019年09月04日 02時26分27秒 | ニュース
2012年以来、主に「ル クロ ド マリアージュ」で開催してきたチャリティを兼ねたコラボディナー。

その回数も18回を数えます。

しかし、恥ずかしいことに昨年のそむりえ亭移転や母の死去があって、少し遠のいていました。

で、一緒にやってくれていたソムリエ達の何人かから「今年はまだ?」と声がけを頂きまして・・・

男女のソムリエの「ミックス」で開催が決まりました。


場所:ル クロ ド マリアージュ

日時:11月4日(月)(文化の日代休)18時30分開宴 18時開場

会費:お一人様12,000円(税込)

内容:ル クロ ド マリアージュの阪本シェフの5種の料理にソムリエ達がワイン5種を合わせます。

   料理と料理の間には楽しいアトラクション。このアトラクションでは皆様に景品が当たるかも‼

   デザートタイムにはオークション。売上金は子供の為の支援金として送付。

   また会費12,000円の一割=1,200円は未だに癒えない東日本大震災への義援金といたします。

   つまり「美味しく」「楽しく」「ちょっと役に立つ」イベントです。


ソムリエ:総勢9名   以下順不同

     井下 奈未香 NATAN葡萄酒専門店 ソムリエール・ワイン用葡萄栽培
     イノシタ ナミカ   【徳島県三好市池田町マチ2185-4   090-3180-7210(店舗専用)】

     村上 静香 本格中華を楽しむ Volver the Bar(ボルベール ザ バー)ソムリエール
     ムラカミ シズカ   【大阪市中央区東心斎橋2丁目5-11 リップル八幡3階 06-6212-7880】

     竹内 香奈子 ワイン酒屋 mista ソムリエール
     タケウチ カナコ   【大阪市中央区東心斎橋2-5-27  06-6211-3923】

     竹内 景子 フランス料理 chere(シェール) ソムリエール
     タケウチ ケイコ   【大阪市北区堂島1-3-3 北新地西辻ビル1F  06-6343-3510】

     松浦 宏行 軍鶏と旨い酒 らっき 店主 ソムリエ
     マツウラ ヒロユキ   【大阪市北区曾根崎新地1-5-31 2階 080-7168-0166】

     品川 誠二 かっこよく言うと「フリーのソムリエ」
     シナガワ セイジ

     サービス指揮:小山田 順子  ル・クロ統括マネージャー
     コヤマダ ジュンコ 【大阪市中央区谷町2丁目2-22NSビル2F06-6942-9666】(会場)
      ヘルプ:山本理沙子 そむりえ亭
     ヤマモトリサコ
          樋口 誠 ダイニング.ウィズ.ワイン そむりえ亭 オーナーソムリエ
          ヒグチ マコト

申込:お近くの上記ソムリエにお申し込みください。

   その際は食材のお苦手伝え頂き、可能なら前金にてお願いたします。

その他:「あ、そういえばオークションに出して役に立てたい」というものをお持ちの方は事前にお知らせの上ご持参ください




2か月先のイベントですので、何度かリマインドしますね‼
皆様のご参加をお待ちしています。

           樋口誠


ご近所散策

2019年09月03日 00時56分49秒 | 日記
母が歩ける間は自宅周辺をよく歩いたものです。

買い物ついでの散歩です。



私が住んでいるのは谷町6丁目駅に近いエリア。

南に空堀商店街

北東に大阪城公園

西に松屋町商店街

そして坂の多いエリアでもあり、公園や緑、そして古い建物(古民家等)があって住みやすい街です。


母との買い物は運動を兼ねて週に4,5回出かけていました。

空堀商店街と、谷町5丁目を東に入ったイズミヤとドン・キホーテに交互に行きます。

飽きないし、違う買い物ができますから・・・


しかし、母が旅立ってからは空堀商店街での買い物は途絶えていました。

イズミヤとドン・キホーテが一体になっていると何でも揃いますから横着が出てきたわけです。


先日の休みに久しぶりに空堀界隈を歩いてみました。

わずか1年半近く空いていましたか?

いやあ変わってましたねえ。

いつの間にか新しいスーパーが出来ていたり、知っている人の店が開店していたり・・・


休みの日もあまり出かけない私ですが、ちょっと気分を変えて歩いてみるのもいいな、と思った今日この頃です。


           樋口誠