最近立て続けに、遠藤周作の「鉄の首枷・小西行長伝」「沈黙」を読んだ。私の遠藤周作への入り込みは、突拍子もないユーモアにあふれたエッセーからだ。ウオッシュレットのトイレが珍しかった頃、トイレに入ったお客が、飛び出す温水に吃驚して驚くのを、にやりとほくそえんで喜んだという、そんな話が最初だった。佐藤愛子とか北杜夫とかの交遊を通しての話も面白く、好きな作家の一人となった。ところが小説のほうは硬い。エッセーとは別人ではないかとさえ思わせる。二作品とも「切支丹」が主人公である。緻密な資料収集によって成された作品であることがよく理解できる。熊本に係りある小西行長について、私はまったくの知識をもっていなかったが、この「鉄の首枷」や巻末の年表によって、行長像は固まってしまった。
ブックオフに出かけて、エッセーを見つけて又読んでみたい衝動に駆られている。
ブックオフに出かけて、エッセーを見つけて又読んでみたい衝動に駆られている。