津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■町在を読む―2

2024-06-12 06:47:02 | ご挨拶

 今読み下しにチャレンジしている「町在」、大方1/4ほどを読了した。
是には中古町に住みながら細工町の別当を勤める友枝良右衛門が、零落した80名ほどの人形師を助けるために、自らの貯えを融資して援助し、家業の更生に尽力したことが書かれている。
さてその額なのだが「鳥目、拾貫目餘」と書かれている。「鳥目(ちょうもく)」とはその形からきた、いわゆる「穴あき銭=一紋銭」のことである。
詳しく読んでいくと、このことにより町の根取たちが藩に対し「士席浪人格」や「正月の門松」「町獨礼」などにするように推挙している。
問題は「鳥目、拾貫目餘」の解釈である。「鳥目」とは「銭」のことだが、後半の拾貫目とは「銀勘定」を表している。
仮に銭「拾貫」の書き間違いだとすると、当時は「1両=銀60匁=銭6,500文」位だとすると、銀10,000匁/6,500文=1,5両ほどにしかならない。
やはりこれは「銀勘定」と考えられ、銀60匁=1両で計算すると、銀10貫目×1,000/60匁=167両ほどになり、5万/1両くらいと考えても835万円ほどになって納得できる。
ならば頭についている「鳥目」をどう解釈するかである。「銀」としてあれば何の問題でもないのだが、色々調べてみると、我々が通常「お金」と呼ぶ感覚であるらしい。
商売が立ちいかぬ人形師たちの生業が立ちいくように、別当として自らの資金を提供して励まし続ける、良左衛門に対し町の根取達が藩に対し請願をしている事情がよく理解できる。
良左衛門は他にも、大阪へ直接「絵具」の買い付けをして、人形師たちに提供している。
おかげで人形師たちの生業も復活し、それぞれが返済に勤め「備銀」の貯えが900匁に及んだという。

 

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