蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

幸せのちから

2007年12月24日 | 映画の感想
主人公は医療機器のセールスをしているが、売れ行きはかんばしくなく、妻は一日16時間も働かないと家計が維持できない状態。子どもの保育所への送迎をめぐって二人は対立し、主人公が子どもを引き取って別れることになった。

主人公は大手証券会社の見習いに採用(採用面接でほとんど絶望というところから、主人公は冴えたジョークで大勢をひっくり返す。このジョークが確かに傑作で、あんな場面でこんな機転をきかせられる人なら採用したくなりそう(この映画は実話に基づいているそうだが、このジョークが実話なのか、是非知りたいところだ)。日本の会社じゃとてもおこりそうにないことではあるが・・・)されるが、見習い期間は無給の上、社員として採用されるのは20人のうち一人(こんな雇用条件が今のアメリカで許されているとは思えないが、30年近く前の話なので)。

この無給期間、子どもをかかえてホームレス同然の暮らしの末、主人公はついに本採用を勝ち取る、という話。

主人公が終始抱えている医療機器がとても重そうで、この機械(全部買い取ってから販売するというあこぎな商売にはまっていた)が主人公の人生のクビキであったことを明確に表現している。
この機械がすべて売れて主人公に運がまわってくる。

「努力は必ず報われる」というのは陳腐な言葉ではあるが、それがこの映画のテーマで、確かに「そうかも」と一瞬思わせてくれる。
ホームレスに追い詰められても証券会社のテキストを手放さず、あきらめを知らなかった主人公の姿と、ホームレスでありながらもその努力が成果にむすびつくアメリカ社会の良い面を描いている。(ただし、30年前の話。今でのそうなのかはよくわからない)

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