蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

サラリーマン球団社長

2019年12月14日 | 野球
サラリーマン球団社長

先週号(2019年12/12号)の週刊文春から清武英利さんの「サラリーマン球団社長」というタイトルのノンフィクションの連載が始まりました。おお、満を持して持してジャイアンツの、そして「清武の乱」の内幕を語るのか、と思って読み始めたら、どうも対象はタイガースとカープの社長のようでした。

「えー、巨人の話をしてよ」と最初は感じたのですが、第一回を読んだだけでもとても面白そうな話になりそうでした。
全国的には「阪神」といえば「タイガース」のことなのですが、(当時親会社の)阪神電鉄から見ると、タイガースは一事業部門に過ぎず、マスコミにもみくちゃにされることもあってタイガースの幹部になることは阪神電鉄グループ内では左遷に近いイメージだったとのこと。系列の旅行会社の営業のエースだった野崎さん(のちの球団社長)もタイガースに異動するときはイヤイヤだったみたいです。

清武さんって、強化方針を大きく変更するなど、現場トップとしての水際だった手腕(実際、この育成路線を続けていたらジャイアンツはダントツの存在になっていたでしょう)からして、もともと野球に詳しい人(スポーツ記者とか)かと思っていたのですが、ジャイアンツから放逐された後で出した本(で最初にベストセラーになったの)は破綻後の山一證券を描いたもので、(私にとっては)とても意外でした。
でも、もともと読売新聞の社会部の敏腕記者だったんですね。
その「しんがり」の後も何冊もベストセラー級の著作をものにしているので、プロ野球マニアしかその存在や業績を知らないような球団スタッフをしているより、いろんな意味でで良かったんじゃないかと・・・まこと人生は塞翁が馬。

そして連載第二回では「第一回を読んで、大半の読者は巨人時代の話がないのを残念におもっているだろうな」と見透かして、さっそく冒頭で本筋とは関係ないサブローのトレードの真相?を綴っています。

マリーンズファン以外はもう忘却の彼方でしょうが、2011年のサブローのトレードは衝撃的でした。日本一になった直後にチームの主力選手と、どうみても釣り合わない選手の交換トレードで、当時は陰謀説も含め真相を詮索する向きも多かったのです。清武説によれば、理由はしごく単純。日本一になって選手の給料が上がってしまったことを懸念したろってのオーナーから経費削減を厳命された瀬戸山さん(マリーンズを含めいくつかの球団社長を務めた辣腕の人)が泣く泣く高年棒のサブローを放出せざるを得なかった、ということらしいです。
(巨額の宣伝費を使うロッテグループから見たら10億~20億円の赤字なんかたいsたことないだろ、なんて思えるのですが、重光さん(オヤジさんの方)は厳しかったんですね。球団が黒字化したとたん戦力補強に積極的になったのもうなずけるところです)

これからも、こうしたサービス?も含めてますます面白くなりそうな連載に期待したいです。
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