蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

メッセージ

2018年05月05日 | 映画の感想
メッセージ

主人公のルイーズ(エイミー・アダムス)は言語学者。世界各地に巨大な謎の浮遊物体が出現し、各国は物体の中にいるエイリアン(イカ的な感じ?の外見で、「ヘプタポッド」と命名されている)との接触を試みるがうまくいかず、アメリカ軍はルイーズにヘプタポッドとの意思疎通を依頼する。
ルイーズは科学者のイアン(ジェレミー・レナー)とともにヘプタポッドとのセッションを重ね、彼らが書く?円環のような文字の解読を進めるが・・・という話。

今まで見たことがないアプローチの宇宙人モノで、宇宙人との軋轢や戦闘シーンはなく、アプローチする地球人側のエピソードが語られるわけでもない。
ヘプタポッドとの地味な接触シーンや、カットバックされる(最後の方まで見ないと意味が分かりにくい)ルイーズの過去の記憶シーンが長く続く。
そうかといって退屈なわけではなく、カットバックシーンの意味(ホントは「バック」じゃないんだけど)が種明かしされると、納得感が強まって観客への「メッセージ」が伝わってくるようになっている。
監督(ドゥニ・ビルヌーヴ)の編集力がとても高いことが伺われた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徳は孤ならず

2018年05月05日 | 本の感想
徳は孤ならず(木村元彦 集英社)

Jリーグ:サンフレッチェ広島の総監督を務めて優勝に導き、その後も大分、愛媛、岐阜で地元チームの強化や会社としての改善に携わってきた今西和男の評伝風ノンフィクション。今西さんは自分の功績を自ら語るような人ではないようで、周囲の人たちの証言からその人柄を浮かび上がらせる手法をとっている。

今西さんは、スカウティングしてきた新人に、セカンドキャリアをどう考えるのか?というところから話はじめて、対人関係に関する研修や英会話などを受けるように薦めていたという。また地元への貢献活動を非常に重視し、サッカー教室などに限らず選手を地元の集会などに数多く派遣してきたそうである。
こうしたことは、今でこそ(プロサッカー界では)当たり前の取り組みなのかもしれないが、Jリーグが始まる前からそういった活動を始めていたというのがすごい。

今西さんは、乞われてなった岐阜FC社長時代に資金調達で苦労し、(本書によると)Jリーグの事務局の圧力によって、地元自治体(岐阜FCの大株主)から石もて追われるように解任される。著者は、(サッカー関係の著書が多いとはいえ元々は硬派の記者なので、自身の取材に基づいたJリーグ事務局の汚いやり口への攻撃は非常に鋭く、かつ容赦ない。
表ヅラはとても良いJリーグやサッカー協会も中にはいって見れば、まあ普通の会社なみにドロドロしてんだなあ、ということがよくわかる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忍びの国(映画)

2018年05月05日 | 映画の感想
忍びの国(映画)

原作もそうだったんだけど、映画でも(特に前半は)日置(へき)大膳(伊勢谷友介)の方が主役っぽくてカッコいい。小説では冒頭部分に大膳の大弓の腕前を描写した部分があり迫力満点なので、どのように映像化されているのか楽しみだったのだが、そういったシーンはあく、合戦中に大膳が弓をひくシーンはあったけど、イマイチだった。悪いことに、並の人間には引くことすら難しそうな大膳の大弓を(織田)信雄が正確無比に放つシーンが少し後に出てきて、(大膳の大弓は誰でも操ることができるみたいに見えてしまって)ちょっとシラケた。

主役の無門(大野智)のとぼけた味はなかなかよかったのだけど、とぼけているけど、気合入れたときの忍者としての凄みみたいなものも出してほしかった。格闘シーンも冴えない感じだった。
あ、それと伊賀の12人の評定衆も冴えなかったなあ。特に百地三太夫はもっと迫力がある人をキャスティングすべきだったのでは?落語家だと真面目な顔してても次のシーンでは大笑いしてそうなムードがあるもんですから(文句ばかりですみません)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする