夜のピクニック(恩田陸 新潮文庫)
高三の主人公の通う高校では、年に一回、全生徒が徹夜で80キロを踏破する行事がある。主人公には、ある同級生との間に「大きな秘密」があり、その秘密に絡んである決意をしてこの行事に望んだのだが・・・という話。
恩田さんの作品であることや「夜のピクニック」というタイトルから、ホラーの味付けの青春小説かと思ったら、怖い話なトリッキーな仕掛けは全くなかった。
本書は第2回本屋大賞に選出された大ベストセラー。(余談だが、本屋大賞って、「埋もれた傑作を書店員が掘り起こそう」みたいな趣旨だったと思うのだが、2回、3回とすでに堂々のベストセラーになっていた本が選ばれているのはどうなんだろう)映画化され、文庫本もヒット・・・という本なのだが、申し訳ないけれど、私には全く面白くなかった。
高校生同士の会話が不自然ではなかろうか。もう30年近く前になる私の高校時代でもこんな歯の浮くような上品な会話はなかった。現実の高校生って、今も昔もこんなに無邪気で単純で公明正大だとは思えない。むしろ自分と周囲の両方への不満とイライラで爆発しそうなのが普通で、そのために会話だって途切れがちでこの小説のようにひとつの話題が長々と繰り返されることはないと思う。
いくら特殊なシチュエーションであっても、こんなに何でもあけっぴろげに心を開くなんてありえない(と私は思う)。
それとも、そんなありえない「理想的な」高校生活の話をファンタジーとして読むのが、正しい本書の読み方なのだろうか。
高三の主人公の通う高校では、年に一回、全生徒が徹夜で80キロを踏破する行事がある。主人公には、ある同級生との間に「大きな秘密」があり、その秘密に絡んである決意をしてこの行事に望んだのだが・・・という話。
恩田さんの作品であることや「夜のピクニック」というタイトルから、ホラーの味付けの青春小説かと思ったら、怖い話なトリッキーな仕掛けは全くなかった。
本書は第2回本屋大賞に選出された大ベストセラー。(余談だが、本屋大賞って、「埋もれた傑作を書店員が掘り起こそう」みたいな趣旨だったと思うのだが、2回、3回とすでに堂々のベストセラーになっていた本が選ばれているのはどうなんだろう)映画化され、文庫本もヒット・・・という本なのだが、申し訳ないけれど、私には全く面白くなかった。
高校生同士の会話が不自然ではなかろうか。もう30年近く前になる私の高校時代でもこんな歯の浮くような上品な会話はなかった。現実の高校生って、今も昔もこんなに無邪気で単純で公明正大だとは思えない。むしろ自分と周囲の両方への不満とイライラで爆発しそうなのが普通で、そのために会話だって途切れがちでこの小説のようにひとつの話題が長々と繰り返されることはないと思う。
いくら特殊なシチュエーションであっても、こんなに何でもあけっぴろげに心を開くなんてありえない(と私は思う)。
それとも、そんなありえない「理想的な」高校生活の話をファンタジーとして読むのが、正しい本書の読み方なのだろうか。