老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

イラク派遣・名古屋高裁判断

2008-04-18 12:45:55 | 憲法
名古屋高裁判断で「空自イラク派遣は憲法9条に違反」と判断されました。京都のイラク訴訟の原告としては最高にうれしいです。

色々なサイトに出ていますがGOOのニュース
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2008041700053.html

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
ごまめの翁
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原告団の一人として、地裁の木で鼻を括ったような判決を目の当たりにした者としては、よくここまで来たと「感無量」です。名古屋訴訟を精力的にリードしてきた若い弁護士さんたちに、心から感謝と拍手を送りたいと思います。

今回の判決内容とそれを受けての原告団の声明を以下にご紹介しておきます。

http://www.haheisashidome.jp/hanketsu_kouso/
http://www.haheisashidome.jp/seimei/ikenHanketsu.htm

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
笹井明子
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憲法76条3項には「すべての裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律のみに拘束される」と記されている。

昨日(4・17)名古屋高裁でついに自衛隊のイラク派兵は「憲法違反」との判決が下された。http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20080417AS1G1701O17042008.html

他にも全国11カ所で同様の裁判が係争中で、これまで一審・二審の全ての判決が憲法判断を避けて、イラク派兵に反対している原告側敗訴である。今回も原告の慰謝料請求については棄却され、実質原告敗訴のようであるが、イラクへの自衛隊派遣を憲法に照らし違憲と判旨した憲法判断が、画期的判決と言われる所以であろう。仮に原告団に自衛隊の家族が含まれていたならば、慰謝料請求は棄却されずに名実ともに政府は敗訴していたはずである。

今回の判決の内容を各種ニュースで聞くと、イラクへの自衛隊派兵の現状をよく分析して三段論法で憲法違反と判旨しているように思われる。しかし判決そのものは基本的に各原告団が主張している「イラクへの自衛隊派兵は憲法違反」を追認したもので、また現状のイラクへの自衛隊派遣を憲法に照らせば、どの裁判官でも自ずと導き出されるものであって、決して難しい判断だとは思われない。むしろ難しいのは憲法判断に踏み込む裁判官自身の勇気の喚起であり、それは他の裁判官もよく分かっているはずである。

これまでも述べてきたように、日本の裁判官制度では下記のように裁判官の指名・任命が行政府に握られており、「裁判官の良心」を発揮しにくくなっている。

・最高裁長官は内閣が指名し天皇が任命する(憲法6条)
・長官以外の最高裁の判事は内閣が任命する(憲法79条)
・その他の下級裁判所の裁判官は最高裁判所の指名した名簿により内閣が任命(憲法80条)。また出世異動の人事権は最高裁判所長官にある。

今回の判決は一人の勇気ある裁判官が憲法76条3項の「裁判官の良心」の規定に忠実で、勇気をもって6条・79条・80条の規定のプレッシャーを打破したからこそ、憲法判断に踏み込めたといえるだろう。

ところで、原告団は今回の判決を受けて、上告しない戦術のようであるが正解である。上告すれば最高裁は憲法解釈を忌避することは過去の判例が示している通りである。何れにしろ原告団が掲げるように「画期的判決」であり、今後他の裁判や政府にはプレッシャーとなり、一方全国のイラク派兵反対派の国民には何よりの朗報であり、今後の何よりの励みである。

余談ながら、「裁判官の良心」ここにありの判決であるが、どうしてこのような画期的な勇気ある判決が出せたのであろうか。日経には「青山邦夫裁判長(異動のため高田健一裁判長代読)」と報じられている。何らかの異動が青山裁判長の「裁判官の良心」の背中を押したのではなかろうかと想像しているところである。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
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イラク派兵違憲が確定した。イラク派兵は違憲である、しかし差し止めについては、事件性(実害)がないため棄却されたということである。裁判所は実害の無い抽象的な訴訟は全て棄却しているからである。日本は三権分立であるから、司法は違憲審査権によって違憲判断をしたけれども、内閣の顔を立てて差し止めは棄却したともとれる。

この政治的影響は計り知れない。行政が違憲な行為を堂々と行なえば、ルールを守らなくても良いということを世に示すことになる。それが続けば、日本では、例えば、児童が学校のルールを守らなくても良いということになる。

自公政権は大義名分を失った。政権交代が秒読み段階に入ったと考えられる。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
竹知庵
コメント (2)
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