老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

官僚の策謀

2012-09-26 15:15:34 | 民主主義・人権
猫家五六助さん紹介の佐藤優氏の記事、わたしの地方では東京新聞が購読できませんので、大変参考になります。

戦前、軍部の独走で戦争に突入した、というのが、戦後の通説ですが、そうとばかりは言えないと思います。佐藤氏も指摘しているように、軍人は複雑なたくらみは苦手です。当然ながら、戦争に突入するためには、かなり複雑な仕掛けが必要になります。そのための知恵の多くは、官僚が考えていた節があります。

たとえば、満州事変を計画したのは、たしかに石原莞爾、板垣征四郎などの軍人でしたが、満鉄もかなりの協力をしています。同時に革新官僚と呼ばれた官僚たちの協力もあったとされています。「満蒙は日本の生命線」と喧伝された時代、これだけの宣伝工作(国民洗脳)は国家挙げてのものだったはずです。それを計画立案実施したのは官僚です。これには、国家危機をあおり、国民を戦争方向に誘導、国内矛盾を覆い隠すという国家意思が働いています。(※この当時、東北農村では娘の身売りが多く行われ、労働争議は頻発、国民は塗炭の苦しみにあえいでいました)この状況から一気に解放される魔法の杖として【満蒙は日本の生命線】という言葉が喧伝されたのです。

現在の日本の状況も似たようなものです。国民生活の窮乏化はかなり深刻な状況になっています。高度成長期以降、絶えて聞くことのなかった餓死のニュースが何度も聞かれ、「弱いものが弱いものを食う」という人間社会の業のようなニュースも聞かれます。この状況こそ【ファシズム】の温床なのです。

自民党党首選の各候補者の演説、まるで極右の演説を聞いているようです。そう思っていたら、今日自民党が【徴兵制復活】の計画をしているというニュースが流れていました。

これがこの三年間の民主党攻撃の狙いだったのです。政界・官界・経済界・メディアなどの既得権益層の総力を挙げての攻撃に屈した民主党が菅・野田内閣で既得権益層と手を結び、消費税増税に踏み切ったのです。海外メディアから【日本の右傾化】と警戒の目を向けられ始めたのが現在の日本の政治状況です。橋下維新もその補完勢力に他なりません。

わたしは小沢一郎攻撃が始まった時から、今回の事態を深く憂慮していました。小沢一郎個人の好き嫌いでなく、法治国家の原則をないがしろにする検察など法務官僚の法意識それ自体がファシズムそのものだと考えていたからです。また、震災復興に名を借りた財務官僚の暴走も目に余ります。震災復興の金を他の事に使用するなどという【火事場泥棒】的やり方も明らかになっています。同時に、社会の木鐸であるべきメディアが、完全なプロパガンダ機関と化してしまったのもファシズムそのものの象徴です。

ここにも佐藤の言う【官僚の暴走】が国を危うくする現状があります。法務官僚の暴走(法の恣意的解釈・証拠捏造など)は司法の信頼を根底から崩しました。郷原信郎氏が【検察崩壊】の本を上梓するのも無理はありません。

こういう時ほど民主主義の原点に返り、憲法の精神を見直さなければなりません。戦後曲がりなりにも日本国民の思想の原点になってきた【憲法】の重要性が今ほど増している時代はないと思います。

「護憲+BBS」「 新聞記事などの紹介」より
流水

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