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アジアのウイルス変異株が世界の脅威に(DeutscheWelle、June 1、2021)

2021-06-04 14:03:56 | 災害
コロナウイルスの流行が世界中に拡がり続けると、ワクチンの種類によっては有効性が減じることで免疫から逃れるウイルス種が生まれる可能性がある。適切な種類のワクチンを必要とされる場所に分配していくことが求められる。
(今は無駄に流行を起こしかねない機会を作ることを悪と考えて流行を抑える事が第一に求められること、またどの種類のワクチンであれ、ワクチンであればいかなる地域・国でも同じように有効であるとは言えない段階に入ってきている、と考えることが要求される段階に入ってきていると言えます。)

NEXTSTRAIN.ORGのようなゲノムのデータベースによるとSARS CoV-2ウイルスの変異株はすでに1000種を超している。

今までは“要注意変異種”は最初に発見された場所をその名前に使用してきた。この命名では特定の国に謂われなき汚名を与え続ける恐れがあり、WHOはギリシャ数字を使用する新たな命名法を導入している。英国/ケント種・南ア種・ブラジル種・インド種をそれぞれ今後Alpha・Beta・Gamma・Deltaと呼ぶように。しかしこの命名法は、より複雑な科学名まで置き換えて使わなくなるわけではない。

“要注意変異種”   
  WHO名      血統(Lineage)    初見地域と時期
  Alpha       B.1.1.7           UK 2020/9月
  Beta        B.1.351         南ア 2020/5月
  Gamma      P.1           ブラジル 2020/11月
  Delta        B.1.617.2        インド 2020/10月
”興味のある変異種“
  WHO名      血統(Lineage)    初見地域と時期
  Epsilon      B.1.427/B.1.429   米 2020/3月
  Zeta        P.2           ブラジル 2020/4月
  Eta        B.1.525        複数地域 2020/12月
  Theta       P.3          フィリピン 2021/1月
  Iota       B.1.526         米 2020/11月
  Kappa       B.1.617.1        インド 2020/10月

ベトナムで新たに発見の変異種は、Alpha(B.1.1.7)とDelta(B.1.617)とのクロスしたもののようだ。健康相Long氏によればこの新種は「空気感染で容易に」伝播するようで、5月に起こっている急速な感染者数の増大を裏付けるとしている。

ベトナムはコロナパンデミックが始まって以来この5月初めまでの累積患者数は3500名程、死者は47名と、簡便ではあるが厳格なロックダウンと包括的な隔離策を用いて比較的上手く対応してきた国であった。だが5月以降新規感染者は3000名を超している。BacNinh州とBacGiang州には国際的な技術企業の大量生産工場があり数十万人の労働者が働いているというリスクを抱えている。

“パンデミックの行方をきめるもの”

ベトナムの例をみると絶対数的には小さい部分の話と捉えることもできる。しかしアジアかまた別の地域で生じるだろう新変異種は、彼らの住む地域の全ての人に要注意のサインとなる。そして新変異種の発生は、単にそれによりパンデミックが長引き、苦難も長引くということだけの問題ではない。

中期的にみれば、北半球地域は広範なワクチン接種プログラムにもかかわらず再度感染の拡大が起こるかもしれない。グローバル化された世界では新要注意変異種は極めて速く伝播するであろう。

これらの新変異種が宿主の人間に適応していくと、ワクチン接種したことで、又は感染したことで得たわれわれの抗体が最早有効に働かなくなる恐れもある。入手可能なワクチンもその働きを抑制されていくかもしれない。

遺伝子配列の測定技術を使って変異種をできるだけ早く捕捉すること、更に適切なワクチンの充分な量を確保し富裕国に偏ることなく世界にあまねく提供するシステムを確保していくことが、極めて重要なことである。

“遺伝子配列測定が大切な理由”

4つの最も危険な要注意変異種とともに、ベトナムでのような合体種が生まれてきている。ある変異種がある時期広まっているような状況である。だが、多数の国が配列決定装置を持ってはいない事実を踏まえると、これら変異種の多くは単に偶然に発見されたともいえる。

今後ウイルスと戦うには、その遺伝子コードを解除し配列を捉える必要がある。次代の配列決定法(NextGenerationSequencingMethod)がウイルスゲノムを一塩基一塩基ごとに解除する方法を科学者に提供できる。それにより研究者はDNA断片を観察することでウイルスの遺伝子構造の微細な相違を検知でき、よって変異種の由来と伝染性の型を決めることが出来るようになる。この方法だけが適切なワクチン開発の道を開くといえる。

“多数の異なった変異種と誤ったワクチン”

現在アジアの各地で起こっている感染増大に一義的に関係していると目されるものとして、ウイルス変異種が挙げられるということを示唆する事実が多数ある。

SriLankaとCambodiaではAlpha(B.1.1.7)が主である。現時点での知見ではBioNtech/PfizerとModerna製のmRNAワクチンがこの種のウイルスに有効である。AstraZenecaワクチンも良好なワクチンと言える。

インド並びに北方のネパールではDelta(B.1.617)種が広まっており、ことにネパールでは4月中旬以降人口比を考えるとインド以上に急拡大しているとみられる。

インド国立ウイルス研究所で行ったゲノム配列研究によると、Delta(B.1.617)のスパイク蛋白内に8個の変異があると同定されている。その内の2つが伝染性の強さに関連しており、他の一つがGamma変異種と同様の免疫回避性能と関連しており人体内の免疫系に侵入する際の役割を果たすことになるとしている。

ロンドン帝国大学によると、Delta変異種はAlpha種よりも20~80%伝染性が高いとされる。加えてこの変異種は、以前の感染歴やワクチン歴由来の免疫系を回避し侵入する可能性があるとされる。英国の研究では、既存のBioNtech/PfizerやAstraZenecaワクチンがこの変異種にはそれほど有効でないことを示唆している。

ベトナムで発見された変異種はAlpha(B.1.1.7)とDelta(B.1.617)との混合種である。ベトナムでは未だ9600万人強の人口のうち100万人だけがAlpha種に有効とされDelta種には有効性に疑問のあるとされえるAstraZenecaワクチンを接種中である。今年の後半の半年、ベトナムではBioNtech/PfizerとModernaのmRNA型のワクチンを追加的に行う事を希望しているが、今の所ベトナムの変異種に対しどのワクチンが有効かを調べる検討は終えていない。

バングラディッシュにおいてはBeta(B.1.351)変異種が主要な疾病原因種となっている。AstraZenecaワクチンがこの変異種に対して最低限の防護性能しか提供できないと報告されているが、実際にバングラディッシュで入手可能なワクチンはCovishield(インドで製造のAstraZeneca品の名称)であり大きな問題を抱えていると言える。

“世界における不公平なワクチンの分配状況”

多くの先進工業国家はこの夏の終わりまでに全成人の大半のワクチン接種を目指している一方、他の多くのアジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々はワクチン接種運動のスタートさえおぼつかない状況である。

最近の医学会誌“TheLancet”によると、世界の富裕国は5種の主要COVIDワクチンの70%の入手を済ませており、その対象人口は世界の全人口の16%にも満たない、としている。

WHOによれば貧困国ではその人口の0.2%のみがワクチン接種済みであるという。ある経済誌は、貧困国での大規模ワクチン接種が今の状況が続くとすると2024年まで始まらないのではと指摘している。

WHOも共同で進めているCOVAX運動は、より公平なワクチン分配に向かう動きを意味しているが、しかし出だしから富裕国がワクチンメーカーと直接契約を結んでいった結果、一部寛大な贈与の形での移動は見えるものの、市場から余分のワクチンが消失するという事態が発生している。

WHOのGhebreyesus氏は“パンデミックは未だ終わっていない”と警告を発している。彼は分配に大きな格差があるとの非難を続けている。もしも今のような急激な変異種拡大が続けば、そしてそれらが人体に適応をし続けていけば、この不公平な格差の問題が富裕国に跳ね返っていくかもしれないとしている。まさに最後は“情けは人のためならず”そのものが突然出てきた感じです。

最たる不用不急のイベントのオリンピックが迫っています。

今は世界からの人を一堂に集める時期ではないでしょう。SARS CoV-2“要注意変異種”混合作成合戦大会になる恐れが極めて高いと言えます。

200ともいわれる参加国の人々の温かい交流・そして彼らと日本人との交流は理念上、止めようがなく防ぎようもないことでしょう。よって引き起こされる不必要な流行の拡大と併せての変異種種類の増大化と混合化が起こりうることが第一の問題点。そして第二の問題点として変異次第で的確ワクチンが限られるとか、新たなワクチンが必要とされる事態になって行く可能性も高く、更に今でも問題なワクチンの分配の不公平さの問題に大きな新たな負荷をかけていくことが懸念されます。

今は無用で不必要なリスク要因を如何に排除するか、人類に与えられた対応・対処時間を如何に多く作っていくかが問われている所です。こんなリスクを内在するオリンピックに何故未だにこだわるのか、大会関係者は開催することにより起こる結果に対する重大な責任を自覚した上で進めているのか、が問われるべき段階と思います。

説明は未だなされていませんよ。菅さん小池さん橋本さん丸川さん山下さんバッハさん、本当に重大な結果を日本のみならず世界中の人に生むかもしれないのですよ。極めて大きな責任を自覚して音頭をとっているのでしょうね? 世界の人々と共に今生きている市民の立場として中止を勧告します。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan

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