南米大陸とアフリカ大陸の今を伝える記事がDeutscheWelleにあり、参考までに紹介いたします。
『南米大陸は世界のCOVIDホットスポット』(DeutscheWelle、2021/06/02)
ペルーの最新の統計によるとCOVID死者数が以前の発表数の2倍以上であったことが判明。南米大陸の他の国・地域にも同じ心配が及びつつある。
当初7万人だったペルーの死者数が、実際には18万人以上だった。この新たな死者数をペルーの人口10万人当たりに換算すると500人以上となり、これが世界最悪の数値でもあったことから、世界に衝撃を与えている。
この突然の変更の理由は実は単純なものであった。以前はCOVIDのテスト陽性者で死んだ人の数を用いていたのに対し、新たな方法はコロナ感染を明示する臨床データのある死亡者まで含めるとしたことによる。
“ブラジル:膨大な死者累積数にもかかわらずにCOPA AMERICA開催”
ぺルーの東隣、南米最大の国家ブラジルはCOVID関連死者数46.3万人以上にのぼり、死者数では米国に次ぐ世界第2位にある。
Rio de Janeiroが最初の感染例になったという事実が、ある意味で南米にコロナ感染が大流行した背景を示している。
最初の犠牲者である主婦Goncalvesさんは、多分仕事中に感染したと思われる。南米の会社経営等の支配層は休暇にヨーロッパによく出かける。多分その会社の経営者もカーニバルでイタリアにいき感染しウイルスを持ち帰ったと思われる。
南米は階級格差が大きく、支配層以外の階層の生活環境は劣悪であり、支配層により持ち込まれたウイルスが勢い良く社会に広まったのは当然の結果だったと言える。
これに輪をかけたのがCOVIDは“単なる風邪”以上の代物でないとして有効な防衛策を打ち出していないBolsonaro大統領で、2.12億人のブラジル国民はブラジル変異種(P1)WHO名(Gamma)と格闘中であり、第3波へと傾きつつある状況である。しかもCOPA AMERICAサッカー大会は止めようとしていない。
“アルゼンチン:ロックダウンでの世界王者、しかし今だ苦戦中”
ブラジルと異なりCOPA AMERICAの責任は回避出来ているものの、アルゼンチンは今毎日新規感染者が4万人以上という最悪のパンデミック進行のただ中にいる。
Bolsanaro氏と反対の姿勢を好むFernandez大統領は厳格なロックダウンを実施しているが、良い結果には結び付いておらず、今までに累計7.8万人を超す死者が出ている。
現在ほぼ2人に一人が貧困ライン以下で生活しており、よって多くの国民はコロナ禍の制約を生活の為には無視せざるを得ない。アルゼンチンはコロナにとって与しやすい国と言える。
“ウルグアイ:もはや素晴らしい国ではない”
数10年来ウルグアイは隣国よりも経済的に恵まれていると自負し、時に南米のスイスと称され多くのアルゼンチン資産家が自国でなくウルグアイに投資することを好んでいた。
この国土的には小国のウルグアイは、昨年来パンデミックに対しても南米第一の対応を見せてきていた。日によっては新規感染者ゼロもあり、多くても20人以下で押さえてきたのが実績であった。
しかしここにきて優等生の状況に変化が起こっており、3日前に6000人を超す新規感染者と死者は累計でほぼ4300人へと跳ね上がった。この変化は教訓的なものを含んでいる。
即ちウルグアイの様に上手くコロナを抑えている国の人々は時に過信してマスクを外したり、ソーシャルディスタンスを無視しがちになる。ウルグアイに正にその結果が出たといえる。
南米大陸には世界の5%を超える人間が住んでいる。世界のコロナ関連死者の1/3が南米で発生している。冬に向かい医療の崩壊も心配な南米大陸。ワクチン争奪戦にも遅れがちな大陸、新たな変異種が出る理想的な環境が存在しており、その新変異種が世界に拡散する恐れも大いにあると感染症専門家は指摘している。
今後上手く乗り越えていけるか目が離せない状況が続いている。
『アフリカはコロナ第三波への対応はまだ不十分(WHO)』(DeutscheWellle、2021/6/3)
ワクチン獲得にもがく、医療資源の不足に苦悩するアフリカは、次のコロナの波への準備が未だ出来ておらず、取り残されている。
木曜日、WHO(アフリカ担当・MatshidisoMoeti氏)はアフリカを襲う第三波の脅威が“現実のものであり、しかも高まっている”と警告し、大陸内の全ての国に医療崩壊を起こさないよう緊急にその整備充実するよう要請した。
“アフリカの現状”
WHOの先月の調査によると、アフリカ諸国は人口10万人あたりICU設備ベッドが1以下。アフリカの感染者累積者数は480万人、死者数は13万人以上であり、最近の2週間、大陸全体で新規感染者数が20%の増大傾向にある。8カ国に限定するとここ1週間で30%以上の増大地域も見られる状況である、とのWHO調査である。
Moeti氏は次の波にそなえるよう各国に要請するとともに、WHOは専門家および酸素濃縮器を含む医療機器の準備を迅速化する手伝いをする、としている。
“ワクチン事情”
人口の70%以上が免疫済み、が集団免疫に到達したという基準であるが、西欧諸国の幾つかがクリアしている中、アフリカ諸国はワクチン獲得に未だにもがいている。現状ワクチンはその大半が国連支持のCOVAX由来品の形でインド血清研究所から各国に入っている。
しかしインド政府はこの4月ワクチン輸出を禁じ、国内使用に限定した。
アフリカの全人口は13億人、1回目の接種を受けた人は3100万人、2回の接種を済ませた人は未だ700万人である。
「アフリカでは感染で重度化しやすい又は死ぬ確率の高い人への接種すらいまだ不十分である半面、一方では優先度の高い人への接種を済ませ子どもへの接種をも考え出している国もある。アフリカの願いはそれら富裕国に余っている分を提供して欲しい、ということである」とMoeti氏は言う。
彼女の訴えは同じ日英国で開かれたG7健康相会議に届けられ、Biden大統領が米国は残余分の75%をCOVAXに提供すると宣言した。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
『南米大陸は世界のCOVIDホットスポット』(DeutscheWelle、2021/06/02)
ペルーの最新の統計によるとCOVID死者数が以前の発表数の2倍以上であったことが判明。南米大陸の他の国・地域にも同じ心配が及びつつある。
当初7万人だったペルーの死者数が、実際には18万人以上だった。この新たな死者数をペルーの人口10万人当たりに換算すると500人以上となり、これが世界最悪の数値でもあったことから、世界に衝撃を与えている。
この突然の変更の理由は実は単純なものであった。以前はCOVIDのテスト陽性者で死んだ人の数を用いていたのに対し、新たな方法はコロナ感染を明示する臨床データのある死亡者まで含めるとしたことによる。
“ブラジル:膨大な死者累積数にもかかわらずにCOPA AMERICA開催”
ぺルーの東隣、南米最大の国家ブラジルはCOVID関連死者数46.3万人以上にのぼり、死者数では米国に次ぐ世界第2位にある。
Rio de Janeiroが最初の感染例になったという事実が、ある意味で南米にコロナ感染が大流行した背景を示している。
最初の犠牲者である主婦Goncalvesさんは、多分仕事中に感染したと思われる。南米の会社経営等の支配層は休暇にヨーロッパによく出かける。多分その会社の経営者もカーニバルでイタリアにいき感染しウイルスを持ち帰ったと思われる。
南米は階級格差が大きく、支配層以外の階層の生活環境は劣悪であり、支配層により持ち込まれたウイルスが勢い良く社会に広まったのは当然の結果だったと言える。
これに輪をかけたのがCOVIDは“単なる風邪”以上の代物でないとして有効な防衛策を打ち出していないBolsonaro大統領で、2.12億人のブラジル国民はブラジル変異種(P1)WHO名(Gamma)と格闘中であり、第3波へと傾きつつある状況である。しかもCOPA AMERICAサッカー大会は止めようとしていない。
“アルゼンチン:ロックダウンでの世界王者、しかし今だ苦戦中”
ブラジルと異なりCOPA AMERICAの責任は回避出来ているものの、アルゼンチンは今毎日新規感染者が4万人以上という最悪のパンデミック進行のただ中にいる。
Bolsanaro氏と反対の姿勢を好むFernandez大統領は厳格なロックダウンを実施しているが、良い結果には結び付いておらず、今までに累計7.8万人を超す死者が出ている。
現在ほぼ2人に一人が貧困ライン以下で生活しており、よって多くの国民はコロナ禍の制約を生活の為には無視せざるを得ない。アルゼンチンはコロナにとって与しやすい国と言える。
“ウルグアイ:もはや素晴らしい国ではない”
数10年来ウルグアイは隣国よりも経済的に恵まれていると自負し、時に南米のスイスと称され多くのアルゼンチン資産家が自国でなくウルグアイに投資することを好んでいた。
この国土的には小国のウルグアイは、昨年来パンデミックに対しても南米第一の対応を見せてきていた。日によっては新規感染者ゼロもあり、多くても20人以下で押さえてきたのが実績であった。
しかしここにきて優等生の状況に変化が起こっており、3日前に6000人を超す新規感染者と死者は累計でほぼ4300人へと跳ね上がった。この変化は教訓的なものを含んでいる。
即ちウルグアイの様に上手くコロナを抑えている国の人々は時に過信してマスクを外したり、ソーシャルディスタンスを無視しがちになる。ウルグアイに正にその結果が出たといえる。
南米大陸には世界の5%を超える人間が住んでいる。世界のコロナ関連死者の1/3が南米で発生している。冬に向かい医療の崩壊も心配な南米大陸。ワクチン争奪戦にも遅れがちな大陸、新たな変異種が出る理想的な環境が存在しており、その新変異種が世界に拡散する恐れも大いにあると感染症専門家は指摘している。
今後上手く乗り越えていけるか目が離せない状況が続いている。
『アフリカはコロナ第三波への対応はまだ不十分(WHO)』(DeutscheWellle、2021/6/3)
ワクチン獲得にもがく、医療資源の不足に苦悩するアフリカは、次のコロナの波への準備が未だ出来ておらず、取り残されている。
木曜日、WHO(アフリカ担当・MatshidisoMoeti氏)はアフリカを襲う第三波の脅威が“現実のものであり、しかも高まっている”と警告し、大陸内の全ての国に医療崩壊を起こさないよう緊急にその整備充実するよう要請した。
“アフリカの現状”
WHOの先月の調査によると、アフリカ諸国は人口10万人あたりICU設備ベッドが1以下。アフリカの感染者累積者数は480万人、死者数は13万人以上であり、最近の2週間、大陸全体で新規感染者数が20%の増大傾向にある。8カ国に限定するとここ1週間で30%以上の増大地域も見られる状況である、とのWHO調査である。
Moeti氏は次の波にそなえるよう各国に要請するとともに、WHOは専門家および酸素濃縮器を含む医療機器の準備を迅速化する手伝いをする、としている。
“ワクチン事情”
人口の70%以上が免疫済み、が集団免疫に到達したという基準であるが、西欧諸国の幾つかがクリアしている中、アフリカ諸国はワクチン獲得に未だにもがいている。現状ワクチンはその大半が国連支持のCOVAX由来品の形でインド血清研究所から各国に入っている。
しかしインド政府はこの4月ワクチン輸出を禁じ、国内使用に限定した。
アフリカの全人口は13億人、1回目の接種を受けた人は3100万人、2回の接種を済ませた人は未だ700万人である。
「アフリカでは感染で重度化しやすい又は死ぬ確率の高い人への接種すらいまだ不十分である半面、一方では優先度の高い人への接種を済ませ子どもへの接種をも考え出している国もある。アフリカの願いはそれら富裕国に余っている分を提供して欲しい、ということである」とMoeti氏は言う。
彼女の訴えは同じ日英国で開かれたG7健康相会議に届けられ、Biden大統領が米国は残余分の75%をCOVAXに提供すると宣言した。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan