老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「安保法制違憲訴訟」-差し止め第3回期日

2017-04-14 18:00:37 | 憲法
昨年9月から始まっている「安保法制違憲訴訟」の「差止請求訴訟・第3回期日」が東京地裁でありました。

傍聴席100名のところ傍聴希望者は120名位。当初よりは人数が減りましたが、まだまだ関心は薄れていません。抽選の結果、私は当選し傍聴席に着くことができました。

最初に代理人から提出書面の説明。その中で、国側が「差し止めの対象は行政処分で、安保法制は行政処分ではないので却下するよう」主張していることに対し、「厚木判決でも自衛隊機を飛ばすことは行政処分と認めている」という例を引いて反論。また、稲田防相の「(南スーダンの情況について)『戦闘』は憲法9条上問題になるので『武力衝突』という言葉を使っている」という国会答弁を取り上げ、「憲法と立法が対立状態にある。」「立法、行政がでたらめを行っている今、日本の未来は司法に掛かっている。是非とも賢明な判断をしていただきたい」と訴えました。

次に裁判長から、「被告は原告の意見陳述そのものに反対と主張しているが、裁判所としては、今回も認める。但し3人で10分の範囲内でお願いしたい」との発言があり、原告の意見陳述が始まりました。

今回の意見陳述は、両親と自分の家族3人が共に障碍を持つ女性、JALのパイロットだった男性、父親の戦争体験を聞いて育ち、戦争をテーマに研究活動をし、現在は診療医師として働く男性の3人。夫々に、

「障碍者は戦争が起きれば真っ先に邪魔者扱いされるというのは先の戦争から明らか。今私たち家族はその不安の中に置かれている。」

「周辺事態法成立以来、政府は民間機も武器弾薬の輸送をするよう求め、会社は何とか断ってきたが、イラク戦争では自衛隊の帰国に、今回は南スーダンへの自衛隊員派遣に、民間機が使われることになった。こうして民間機も敵の攻撃の対象とされ、テロの標的にされるようになってしまった。」

「父親の戦争体験の悲痛な思いを聴いてきた。再び戦争をする可能性を持つ安保法制は耐え難い。2013年に硫黄島で遺骨収拾の活動に参加したが、まだ大勢の兵士が現地に残されたままになっている。戦争を悔いていた父親や、硫黄島に遺骨が残されたままの彼らの、二度と戦争しないようにと願う声が聞こえる気がする。」

と安保法制が不安や苦痛、あるいは具体的な危険になっていることを語りました。夫々の真剣な発言に、思わず拍手が傍聴席から起こり、「傍聴席は静かにするようお願いします」とやんわり裁判長がたしなめる一幕もありました。

原告の陳述の後、裁判長・原告・被告の間で今後の進行が話し合われ閉廷。次回は7月24日ということです。

裁判長は終始紳士的な態度で、原告の主張にも耳を傾ける姿勢を見せていますが、原告の切なる訴えが届いているか、その胸の内は分かりません。原告の一人として、私も今後の成り行きを引き続きしっかり見守っていきたいと思います。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子

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