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白水阿弥陀堂(福島県いわき市内郷)

2014年11月19日 22時49分39秒 | 東北地方
 『白水阿弥陀堂』は、福島県いわき市に位置する真言宗智山派の寺院で、県内唯一の国宝建築物です。平安時代末期の永暦元(1160)年に、岩城則道の妻・徳姫(藤原清衡の娘)によって建立されました。


 方三間の単層宝形造で屋根は柿葺です。堂内の板壁には壁画が描かれていたと思われるような面影がありました。阿弥陀如来像を中心に、両脇侍の観世音菩薩像と勢至菩薩像、ならびに二天像(持国天像、多聞天像)の5体の仏像が安置されていました。








 東北地方に現存する平安時代の建築は、岩手県平泉町の中尊寺金色堂、宮城県角田市の高蔵寺阿弥陀堂、白水阿弥陀堂の3ヶ所のみです。宮城県の高蔵寺阿弥陀堂は、まだ見学したことがないです。



 阿弥陀堂は東・西・南の三方を池に囲まれていて、正面に当たる南から中ノ島を経由して御堂にいたる参拝道が設けられています。更に北・東・西は山で囲まれており、阿弥陀堂を中心としたこれらの空間は、平安時代末期に盛んだった浄土式庭園の様式を取り入れています。開基の徳姫が奥州藤原氏の娘であることから、毛越寺や無量光院といった平泉の寺院の構造に影響を受けているようです。「白水」という地名は、平泉の「泉」という文字を2つに分けた物との説があって、岩城氏の本拠地であった平という地名の由来も平泉の「平」を取った物とも言われています。






◆白水阿弥陀堂◆
所在地:福島県いわき市内郷白水町広畑219
山号:菩提山
宗派:真言宗智山派
本尊:阿弥陀如来
創建年:永暦元(1160)年
開基:徳姫(岩城則道の妻)
札所等:磐城三十三観音4番