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 僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

 花のパリ

2008年04月21日 | 旅行

4月9日に、大阪城のそばにあるKKRホテルという場所で会合があった。
大阪府下各市の、僕と同じ部署にいる人たちが参加する新年度の会合であった。
4月の人事異動で多くの顔ぶれが変わり、その人たちと名刺交換をした。

そのとき一人の男性が、名刺を交換した際に、僕を見て、
「やぁ、あなた、やっぱりあのときの!」と、場ちがいな大声を出した。
「へぇ…? あのとき、と言いますと…?」と、僕は、その人の顔をじっと見つめて必死で頭の中の記憶を検索した。…でも、思い出せない。
「私ですよ。覚えていませんか? 海外研修で一緒だった○○市のTです」
そう言われてみて、はじめてわかった。
「ああ、あの海外研修の時のTさん! そうでしたね~、一緒でしたね」

あの海外研修…。
関西空港が開港したばかりの94年(平成6年)、僕は、大阪府下の自治体職員たちの合同ヨーロッパ研修に参加した。宝くじの収益で運営される大阪府市町村振興協会というところが主催する毎年恒例の行事で、大阪府下の市町村から1名ずつ、合計50人近い団体で実施される研修旅行であった。

それが僕にとっての初めてのヨーロッパ旅行で、オランダ、オーストリア、スイス、フランスの4カ国を訪問した。いろんな市役所へ行ったり、施設を見学したり、現地の大使館職員の講演を聞いたり、その合間にグループ単位で独自研修をしたりと、慌しく過ぎた2週間だった。

そのとき一緒に参加したのが、今の○○市のTさんだったのである。

「いやぁ~、なつかしいですねぇ」
Tさんとは、14年ぶりに再会したわけである。
会合が始まるまで、その場で立ったまま当時の思い出話に花を咲かせた。

旅というものは、行って帰ってハイ終わり…ではないな~と、つくづく思う。
旅が終わったあとも、それが縁でさまざまな人々との交流が始まり、予想もしない多彩な展開をたどって行く。それがまた、人生に芳醇な香りを添える。

その時のTさんと交わした会話で、すっかり忘れていたような出来事も思い出したりして、14年前の旅の記憶がまざまざとよみがえってきた。それと同時に、お互い歳は取ったけれど、Tさんとは、旅行期間中のわずか2週間だけの付き合いで、しかもその後14年間のブランクがあったのに、それが嘘のような懐かしさを覚え、まるで何十年来の知己のように思えてきたりしたのである。(Tさんとはその後10日間ほどで、一緒に飲んだり、電話で仕事に関する相談をし合ったりしている)

その研修以来、僕は完全にヨーロッパに魅せられてしまった。
中でも、特に印象が鮮やかだったのが、最後に訪れたパリだった。
それまでのどの街も素晴らしかったが、パリの魅力には及ばなかった。
セーヌ川やエッフェル塔や凱旋門を見ただけで、ブルブルっと震えた。
しかし、あくまでも団体の研修旅行だったので、何かと制約が多かった。
行きたいところにも勝手に行けない。どうしても行きたければ、時間を決めて、班長に許可を得なければならない。まあ、研修会という性質上、それも仕方のないことだったけど。

「よ~し。来年にはゼッタイ自分でパリに来るぞ」そう心に決めた。
そして翌年の秋、休暇をもらって妻と2人でパリへ出かけたのだ。
現地にはいっさい係員がつかない、まったくの個人旅行だった。

夜にホテルに着いたので、実質のパリ探訪は、翌日が第一日目であった。
当時の記録を読み返すと、その第一日目には、地下鉄の回数券を買ってあちらこちらと巡っているのがわかる。日が暮れて、エッフェル塔の夜景を見ようと、地図を確かめ、地下鉄に乗ってトロカデロという駅まで行った。エッフェル塔の手前、シャイヨ宮の庭の大噴水が、ザザッ~っと華やかに、ライトアップされた夜空に舞い上がった。これはもうびっくりするほどの華麗なる光景であった。
「うわ~、すごい。写真を撮ろう!」
と大急ぎでカメラを出すと、なんとフィルムが無くなっていた。
こんちくしょう、と思いながら、慌ててフィルムを入れ替え、さあ撮ろうと構えたら、チョロチョロ~ンと水の勢いが弱くなり、やがてピタリと噴水は止まった。
あぁ…。

そんななつかしい思い出に浸りながら、自分の書いた記録を読んだ。
そして、そのエッフェル塔の夜景を見たトロカデロという場所を、今またパリの地下鉄路線図を広げて、確かめていたときのことである。

その駅のすぐ隣に「ボワシエール」という名の駅があった。

ボワシエール…。

知る人ぞ知る。ブログ仲間のボワシエールさんが住んでおられたところである。
パリで3年間生活しておられたボワシエールさんは、ブログ仲間ならよくご承知のように、去年7月にパリでBebeちゃんを出産され、9月にご家族で帰国されて、現在ママとして子育ての大奮戦中である。

僕が初めてブログを始めたのが2005年の夏だったけれど、そのときに「外国語」か何かをテーマにしたブログを書いたとき、検索でたまたまボワシエールさんのブログを見つけ、コメントを送らせていただいたのがきっかけだった。

当時は「BOISSIERE 20」というお名前で、僕のところにもコメントのお返事をいただいた。ブログを始めてまだ日の浅かった僕は、こうして、居ながらにして外国に住む方と知り合いになれたことに感激し、ネットやブログというものの持つ威力に、ホントにすごいなぁ~、と大いに感心したのであった。

  ………………………………………………………………………

長い長い前置きになってしまいましたが…。

今週後半から、その、大好きだったパリへ行きます。
過去3度行きましたが、もう9年ほど行っていません。

ボワシエールさんにお伝えしたら、おいしいお店を紹介していただきました。
あまり高級なフランス料理店というのは、マナーもよくわからないし、金額もずいぶん高そうなので、気軽に入れるようなお店のほうがいいです…とお願いしましたら、2回にわたってご自分のブログにいろいろと書いてくださったのです。
方向音痴の僕のことですから、教えてもらった場所がうまく探し当てられるかどうかわかりませんけど、そのボワシエールさんの2回分の記事を印刷して、ガイドブックにはさみ、該当場所近辺には地図に印をつけました。

また、レストランやカフェにおけるパリの「流儀」も懇切丁寧に教えてもらいました。無我夢中で歩いた昔のパリ旅行では、行き当たりばったりで、習慣の違いがわからないことから何度も失敗したことを覚えています。今回は、おかげで少しマシな旅行ができるのではないかと期待しています。

10数年前の旅行の時には、後にボワシエールさんが住むことになる場所のすぐ近くまで行っていたり、また今回の旅行に当たっては、ブログ仲間として、ご親切に詳しいパリ情報を教えていただいたりと、こういう“ 縁 ”というものに不思議さを感じます。

先日の会合でのTさんとの思いがけない再会もそうでしたが、本当に旅というものは、それをきっかけに、後々になっても、あらゆる形で人と人との交流につながってくるものだなぁという思いを、いっそう強くしたものでした。

ボワシエールさんに書いていただいたパリ案内です。

         

   パリのレストラン案内その1 

   パリのレストラン案内その2 


 

           しばらくブログは休みます。

           ではまた5月の連休明けに

 

 

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10 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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3度目のパリですか? (のこたん)
2008-04-21 10:11:45
 体調にお気をつけて、楽しんできてくださいね。
 記事がUPするのを待ってま~~~~~す。
返信する
いってらっしゃ~い (yukari)
2008-04-21 18:45:17
うわ~、いいですね。
楽しんできてくんなせ~☆
関係ないけど、フランスの耳鳴り治療ってどんなのかなぁ?
返信する
いいな、いいな~ (やまぶき)
2008-04-21 20:23:49
旅行記待ってま~す。
あと写真のupもお願いします

yukariさんのコメントにクスッとしました。
私もフランスの耳鳴りの治療って気になるぅー。
返信する
行ってらっしゃいませ~ (ちひろ)
2008-04-22 11:27:34
きっと、楽しいご旅行になることと思います。
どうぞお気をつけて

で、その隙にこそっと大阪にお邪魔しに行きます…。

ご無理のない範囲で、おみやげ話をお待ちしています!
返信する
アルコール順応症 (のこたんさんへ)
2008-04-23 21:52:05
のこたんさん、こんばんは。
いちおうパリは4回目ですが、最後に行ったのが1999年でまだ20世紀の頃でした。
パリの食堂では、ランチメニューを注文するとワインがついてくるようです。
ワインやビールは清涼飲料水のように考えられているみたいで、酒飲みの僕がそういう国に入ると、過度に順応してしまうのはないかとちょっと心配です。体調が体調ですし。でもワインが目の前に置かれたら平静でいられるかどうか…。
妻には「くれぐれも飲みすぎないようにね」と言われ続けています。
まあ、アルコールを飲むとフランス語が達者になるという話です。
「ウィッ」と、いい発音になるらしいですから。
返信する
フランス耳鳴り治療 (yukariさんへ)
2008-04-23 21:55:43
yukariさん、調子はいかがですか?
耳鳴り、気になりますね。しんどいですよね。
パリの街を歩いているときに、ここはパリだいうことをふと忘れたとしても、耳鳴りは相変わらずうるさくて、忘れられないでしょうね。どこへ行っても、現実を忘れさせてくれないのが耳鳴りです(泣)。

ヤフーの検索で「フランス」と「耳鳴り治療」を入力・クリックしたら、フランスの耳鼻咽喉科のナントカ博士が「外国語習得トレーニング」というものを開発したという記事に出会いました。
聴覚を鍛えたら脳が必要とするエネルギーが発生する…みたいな話です。
それと耳鳴りと同関係があるのか、イマイチわかりませんが、外国語を聴いて聴覚を鍛えたら耳鳴りが改善するのであれば、フランス語の勉強をしとくんだったなあ。もう今さら遅い!
ところで、フランス入国審査の時に係官が耳につけいるTCIを見たら何と言うでしょうか? それに、僕はどう答えたらいい…? 
返信する
パスポートより大事なもの (やまぶきさんへ)
2008-04-23 21:58:59
やまぶきさん、耳鼻科のお医者さんで長いこと待たされたりして大変ですね。患者って、立場、弱いです。残念ですけど。

パリ旅行、いいな~とおっしゃっていただき、恐縮です。
まあ、旅行に出たら出たで、いろいろと気がかりなこともあります。
今回は、耳鳴りの不快感と不整脈の不安を抱えながらの旅行です。
パスポートやお金以上に大事なものは薬です。
失くしてしまったら、その日から身体が危険にさらされてしまいます。
特に不整脈の薬をなくしてしまったら大変です。
血液凝固抑制剤、糖尿病・尿酸値・不整脈の薬、そして安定剤と睡眠薬を袋にいっぱい詰めての出発です。
また、帰ってきましたら、写真もアップして、旅の報告をさせてもらいますね。
返信する
みやげ話 (ちひろさんへ)
2008-04-23 22:01:07
ちひろさん、のすけクンは元気にしていますか?

せっかく大阪にいらっしゃるのに入れ違ってしまうのが残念です。
のすけクンも、好奇心が強くて多趣味のママを持って幸せですね。
これからだんだん理解力が深まってくると、電車を喜ぶだけでなく、お寺や仏像、美術関係なんかにも造詣の深い少年に成長していくのではないですか?
ついでに、串カツ大好きちゃんにもなったりして…。

パリ旅行はどんな道中になることやらわかりませんが、みやげ話というのは、得てして現地で困ったこととか失敗談のほうが面白いものです。ハプニングやアクシデントがなく、平穏に終わったら、みやげ話も面白くない…ということになるので、まあそのへんが辛いところですね~(苦笑)。
返信する
今頃は (ボワシエール)
2008-04-25 21:10:15
もう、パリに到着されているでしょうか。コメントが遅くなってすみません。

わざわざ私の記事まで紹介してくださって、本当に恐縮です。

記事を書きながら、パリにいたら、のんさんご一行様をご案内できたのになあ、と思いながら、慣れ親しんだパリの街を思い出していました。

9年ぶりのパリとのこと、街並みにはそれほど大きな変化はないと思いますが、お店や人の対応などはだいぶ違っていると思います。前よりもアジア系の人たちも増えましたし、英語を話すフランス人も増えました。

どうか、楽しいパリ旅行になりますように。お土産話を楽しみにしています。
返信する
ありがとうございました (ボワシエールさんへ)
2008-05-06 17:58:50
出発前には貴重な情報をご提供いただき、ありがとうございました。

パリはこれまで、どうしても表通りばかりを歩きがちでしたが、今回はパッシー通りという日本人はほとんど見かけない通り(お洒落な通りでしたね)を歩いたり、さらにひとつ裏の通り(マクドの両脇道)に入って、市場や八百屋さん、肉屋さんなどが立ち並ぶ、生活の匂いに満ちたもうひとつのパリの風情に浸ることができたのは、ボワシエールさんから事前にご案内をいただいたおかげです。他にも、教えてもらったお店などを訪ねることができ、旅の密度もグンと濃くなりました。心から感謝します。

しかしなんですね~。カフェの数の多いのには、改めて驚きました。
そこに座っている人たちの数の多さにも圧倒されます。
強烈なコミュニケーション…と言ったらいいのでしょうか、共に食べ合い、飲み合いながら語り合う人々の熱気が、街を歩きながら、じかに伝わってきた感じがしました。

今回は地図を睨みながら移動はほとんど地下鉄と徒歩だったので、街の表情を堪能することが出来ました。
一口で印象は述べるのは難しいですが、もしこういうところで3年間住んだら、自分はどう変わるんだろうか…と想像するのはとても楽しいことでした。
想像を絶する部分のほうが多かったですが…。
返信する

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