尖閣諸島の国有化で火がついた中国の反日デモは何ともおぞましい。
この国の本性がまるだし、といった印象を持つ日本人は多いだろう。
中国のあちらこちらの都市で暴れるデモ隊の様子はまさに暴徒である。
日本の車を燃やしたり、日本企業の中国従業員たちが生産設備を壊したり、
日本に関係するものであれば何でもかんでも襲撃、破壊するという短絡さ。
日系スーパーになだれ込んで鉄パイプを振り回し、店内の商品を略奪する…
こんな行為をデモとは呼ばないだろう。 まるで集団強盗じゃないか。
ジャスコやセブンイレブン、ファミリーマートなど次々に襲われたという。
「売り場を荒らした」という報道もあるが、これも略奪に違いない。
何だかんだとわめいて、どさくさに紛れて物品を奪う。
これを 「愛国心」 というのか?
中国に住む日本人は、中国メディアが煽っているとも言っていた。
中国当局としては、デモを抑え込むと国として不都合だから、
デモ自体は禁止していないが、暴徒と化した集団を放置すると、
今度は国際社会から大きな批判を浴びることになるので、
現地警察は中途半端な対応で、暴徒にてこずっている。
しかし、 「やめろ、やめろ」 と表面では制止しながら、
実は 「もっとやれ!」 と心で思っている警官もいるのではないか。
現にこの無法者たちは、一人として逮捕されていない。
元はといえば、中国当局の、日本を見下した威嚇的言動が続いたことで、
短絡思考しか持たない部類の中国人たちが、調子に乗って、こうなった。
また 「反日」 を叫びながら日頃のうっぷんを晴らす人間も多いのだろう。
見ていて腹立たしいと同時に、情けなくなる。
ある報道で 「デモはヒマな中国人たちが集まってやっていること」
という北京に住む中国人の女性のコメントが紹介されていた。
仕事を持って忙しい中国人たちは、こんなことに関心はない…と。
本当にそうか…?
上海で、タクシーに乗った日本人が、運転手から、
「おまえは日本人か。降りろ」 と言われたそうである。
仕事をしている人間も、反日感情をむき出しにしているわけで、
冒頭の、日本企業の中国従業員が生産設備を壊した話にしても、
決してヒマな人間だけが騒いでいるようには思えない。
むろん例外はあるだろうけれど、これがこの国の実態でないか。
野田首相は、「大事なことは冷静かつ毅然とした対応だ」
とテレビで語っていたが、言葉とは便利なものである。
口で言うだけなら、誰にでも言えるのだ。
具体的にどう対応するのかが不明である。
明日9月18日は、満州事変の発生した日で、今の事態がなくても、
毎年、反日感情が一気に盛り上がる日だという。
また、中国漁船の大集団が尖閣諸島周辺に出航準備をしているという。
これから一体どうなっていくのか。
物事の理非の判断もつかないような国と隣り合わせたことが悲運だ、
…と、事態を見守るだけの僕たちは、そんなため息をつくしかない。