まだまだ暑い日が続いているけれど、
いつのまにか蝉の鳴き声は聞こえなくなった。
9月なんだなぁ…と改めて思う。
このところ毎年、蝉の声が消えたときに思うことがある。
「蝉の声は秋の訪れと共に消えてゆくが、耳鳴りは消えない」
…という、悲しい現実を突きつけられるのだ。
夏の間、ジージーとやかましく鳴き続けた蝉の声が収まると、
周囲にはまた静寂が戻ってくる…となるのだけれども、
僕ら耳鳴り持ちは、夏が終わっても耳の中で蝉がジージー鳴き続ける。
年がら年中、片時の休みもなくジージーと鳴り続けるのである。
耳の中…というより、脳の奥のほうから響くこの耳鳴りは、
沢山の蝉が鳴く公園などの中に入ると、その音に紛れてわからなくなる。
だからこの季節は、耳鳴りにとってまだマシな季節…とも言える。
それが、蝉の音が消えるとまた、つらい症状を自覚しなければならない。
今年も、ちょうど今ごろの季節がそうなのである。
僕は2007年の9月に耳鳴りが発症したので、丸5年間というもの、
ずっとこの耳鳴りに悩まされ、蝉の季節が終わるたびにため息が出る。
何度も書いたことだけれど、僕の耳鳴りが発症した2007年9月26日は、
当時政権を担っていた自民党の福田康夫氏が首相に就任した日だった。
翌年の9月、福田氏はわずか1年で退陣し麻生太郎氏が就任した。
しかし、僕の耳鳴りは退陣してくれなかった(泣)。
さらに翌年の9月、政権交代があり鳩山由紀夫氏が首相に。
毎年9月になると首相が変わるのに、耳鳴りはそのままだ。
鳩山氏も1年足らずで菅直人氏に首相の座を明け渡す。
その菅直人氏も、同じように1年余りで退任し、
野田首相が就任したのが去年の9月である。
今年もまた、民主、自民両党が、
「踊る大総裁選」に必死になっている状態である。
5年で5人と、コロコロ首相が変わっているというのに、
福田総理誕生と共にスタートしたわが耳鳴りはちっとも変わらない。
今年になって発症した首と肩の痛みと左手のしびれは、
最近、またコスパで水泳や筋トレをしているうちに、
いつのまにか、ずいぶん楽になってきたようである。
数ヶ月前に整形外科で診てもらった際、医師が、
「人には自然治癒力というのも備わっていますしね」
と、自然に治るケースも多い…と励ましてくれた。
結果として、その言葉どおりになりつつあり、
首・肩痛と手のしびれが緩和されてきたのだ。
両手に重みがかかるマウンテンバイクにも乗れるようになった。
そんなふうに 「自然治癒力」 が力を発揮したのだけれど…
この耳鳴りも 「自然治癒力」 が期待できるのかどうか…?
そう信じたい思いと、これは別なんじゃないかという思いが、
あれやこれやと交錯して頭の中を駆け巡るのである。
そんなことを考えていると、敏感な耳鳴りはまた大きくなる。
「気にしない」 ということが一番大事なのはわかっているけれど、
蝉の鳴き声が止み、総理大臣の去就がどうのこうのと言われ始める、
…つまり、この季節になると、また耳鳴りが一段と気になるのである。
困ったことである。