僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

泥だらけの酔っ払い

2010年01月14日 | 日常のいろいろなこと

あぁ、自分はなんてバカな人間なんだろうと、改めて思う。
酒を飲むと、酔ってメロメロになる。毎度のことである。
僕はやはりアルコール依存症だ。間違いない。

先日、新聞でアルコール依存症が疑われる人に対する自己診断が載っていた。酒に関するいろんな項目があり、該当する個所に丸印を打つ。その自己チェックを試してみた結果、僕はデータ的には100パーセントのアルコール依存症であったのだ。

そして、今年初めての「飲み会」に出かけたのがこの12日だった。

在職中から親しくおつき合いをいただいている紳士・淑女のお2人と、楽しく飲んだ。
生ビールを飲み、瓶ビールを飲み、焼酎のお湯割りを飲み、また瓶ビールを飲み…と、
ペースはどんどん上がって行った。そうして、挙げ句の果てが…

お2人と分かれたその後、1人になったところから問題であった。
家まで歩いて帰れる距離のところだ。
そのまま、すんなりと自宅に戻っていればいいものを…。

お2人とは、どこでどうして分かれたのかも覚えていないけれど、ところどころの断片的な記憶をたどると、そのあと、これまで何度か行ったことのあるカラオケスナックへ、フラフラと1人で行ったようだ。かすかに、0・1ミリぐらいの微小な記憶が頭の中に残っている。でも、そこで誰と話をして、何をしたのやら、さっぱり覚えていない。

気がつけば、朝の9時過ぎだった。
僕はTシャツとパンツの姿で、自分のベッドの中にもぐっていた。
いつ、どのようにして家までたどり着いたかは、不明である。

重い目をこすりながら、よろよろと起き上がり、リビングに行くと、ふだん何も言わない妻が、「そんなになるまで、飲まなければいいのに」と、珍しく、強い口調で言った。
「玄関を見てよ。泥だらけよ。それに、その顔…」
「ん…? 顔…?」

鏡で自分の顔を見て驚いた。
右目の下のあたりが赤く腫れている。さわると、いてててて。打ち傷だ。
あぁ、どこかで転んで顔を打ったのだろうなぁ。覚えていないけれど。

玄関に降りて行くと、床に、かさついた泥が散乱している。
靴も言うまでもなく、泥だらけ。
風呂場の前に荒っぽく脱ぎ捨ててあったジーンズも、泥だらけ。
ベルトまで泥まみれだ。

昔、吉永小百合と浜田光夫の「泥だらけの純情」という映画があったが、このていたらくは「泥だらけのアホタレ」と言うしかない。ぐすん。

しかし、この泥まみれぶりは、単に転んだ程度ではないようにも思える。
田んぼか、畑の中か、それともドブ溝へでも落ちたのだろうか…。
あるいは、その日は夕刻まで雨が降っていたので、道路脇の水たまりにどど~っと顔ごと全身を突っ込み、プールと間違ってクロールの姿勢で悶え苦しんでいたのかもしれない。いずれにしても、人に見られたら、気が狂ったとしか思えない所業であったに違いない。

夕方に長男の嫁さんに会ったとき、彼女はこう言った。
「昨日の真夜中にピンポーンと鳴りました。誰かが来たようです。怖かったので出ませんでしたけど」
すまん。許せ。
それは、たぶん、…というより、間違いなく僕である。
いったい、何を考えてそういう行動をとるのであろうか? 
何も思い出せない自分がこわい。

まあ、何も覚えていない…というのは神様のご配慮かも知れないが。
覚えていたら、自分の行動を思い出すたび、ぎゃぁ~と叫んで顔から火が出て、そのへんをのたうち回らなければならないだろう。
(だから懲りずに同じことを繰り返す…とも言えるのだろうけどね)。


ところで、僕がぐでんぐでんになって、自分が何をしていたのか覚えていない頃、わずか2~3キロほどしか離れていない場所の居酒屋で、ライフル銃が発砲され、店の経営者の女性と、20代のアルバイト男性、そして店に居合わせた49歳の男性の3人が死亡するという事件が起こっていた。犯人は49歳の男。大阪市職員で、泥酔してライフル銃を発砲したという。そしてその犯人も、銃で自殺をした。

この朝の新聞で、その事件は、1面で大々的に報じられていた。

二日酔いのボケた目でその記事を見つけたとたん、酔いがどこかへ吹っ飛んだ。僕がいたところから近くの場所で、しかも居酒屋という僕がもっとも親しんでいる空間で、血も凍りつくような凶悪事件が起きていたことに、強い衝撃を受けた。

しかも、殺された女性経営者は、かつて羽曳野市議会議員だった人である。
僕はその、とびきり陽気で明るかった女性市議のことを、よく知っていた。
驚きはまさに倍増し、しばらくの間、凍りついた。

なんということであろうか。

3人を撃ち殺したライフル銃の犯人は、泥酔していた、というのである。

泥酔…
僕も同じその夜、泥酔していた。

泥だらけになって家に帰ってきたのだから、文字どおり「泥酔」である。

もう、ここまで泥酔するような自分に、酒を飲む資格はないのだと、悟った。

飲みかけるととことん飲まなければ気が済まない…という、やっかいな性格なのだ。

こんなことを続けていると、いつか、酒で命を落とす日が来るに違いない。

ショッキングな事件を伝える新聞を、食い入るように見つめながら、そう思った。

 

 

 

 

 

 

コメント (6)
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