めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

秋の午後、釣り糸垂れる、東京湾

2017-09-25 17:31:05 | 東京

久し振りに気持ちの良い天気で、気温も湿度も快く
爽やかな風に、思わず外出したくなります。
昼頃まで、のんびりと家で寛いでいたのですが、午後になって
少し広い所へ行きたくなりました。
東京で広い所はなかなか見つけられませんが、一番の広さは、
東京湾と言えます。

昼過ぎ、釣り道具を両肩に担ぎながら、海を目指します。
時たま出かける海釣りは、東京湾が大きく見えるウォーターフロント
と言いたいところですが、工場が立ち並ぶ護岸の一角のわずかに残された
竿を出せる秘密の場所です。


我が家から1時間以上かけて3時頃ようやく現地に着きました。
広い干拓地の一角にわずかの釣り人しか知らない憩いの場です。
東京湾は、殆どが護岸で囲まれ、自然の海辺はわずかしか有りません。
しかも、殆どが私有地であり、釣りをする場所は極めて限られます。


いつもの様に釣り座を構えると、目の前に広がる先に東京の街が浮いています。
青い海と青い空の境目にビルが並んでいます。
仕掛けを海に沈めて、のんびりとアタリを待っていると、快い潮風が首元を
撫ぜて行きます。
時折船が前を横切るものの、本当に静かな日曜の午後です。

広い空の一角には頻繁に羽田飛行場から飛び上がる旅客機が、何処か異国への
夢を運びます。
この時期、海辺は、とても気持ちの良い風が吹いていて、イアホーンから流れる
お気に入りの曲に耳を傾けると、こんなにも素敵な場所が、大都会から直ぐ
目の前にあると言うのが嘘の様に快く感じられます。

中々竿が曲がらず、ボーッと海に浮かぶ東京の街を眺めていると、この時間が
遠い過去の記憶と成ってしまうのかと言う不安が沸いて来ます。
大好きな東京の街に、もしかして、閃光が放たれるのかも知れないのです。
ここに来るまで、幾つかの駅を経由しながら、様々な景色を眺めて来ました。

日曜と有って、公園で親子連れが楽し気にボール遊びをしていたり、
グラウンドで子供たちが野球をする姿や沢山の人が笑顔で歩道を歩いていたり
お年寄りが若い人の手を借りながらのんびりとにこやかな笑顔で歩いていたり、
こんな日常的な平和な日々が、消えてしまう事が有るのだろうかと
思いながらの道筋が、海を眺めながら思い出されます。

日常が非日常になる時、誰にっても突然であり、頭の中は真っ白と成って
混乱してしまいます。
ドラマや映画の様に、作られたものは、全体の趣旨や流れに則って
場面設定が作られていますが、本当の不幸は、まるで交通事故の様に
突然やって来ます。しかも、国民全体への不幸の招待状の様に投げ込まれます。

ただでさえ、生活が安定せず、毎日の生活で一生懸命なのに、更なる苦しみを
何故被らなければならないのでしょう。
殆どの国民は、心の中では信じたくはないのに、益々現実味を帯びて来る恐怖の時に
少なからず不安を覚え始めています。
日常生活の中で、自分の中に死を感じる事はほとんど無いものです。
しかし、その時がある事を信じなければならない時が近づいてきていると思っている
日本人も少なくないのです。

自分が殺されるかもしれないと思う国民が増えているのは、如何に国が国民を守れず
国としての役割を果たしていないと言えるのです。
何だかの交渉をしたり準備をしたりしているのでしょうが、国民の不安を払拭するために
シェルターを作るなんて、そんな子供だましでは、誰も納得は出来ないのです。

折角の青空と静かな海を見ながら、こんなことを考えなければならない事に
いささか不満を感じていると、突然、目の前の竿が大きく曲がりました。
1時間ほど全くアタリが無かったのに、その時は突然やって来ました。
満月に曲がる竿を操りながら、しばらくすると黒い魚体が水面に浮かびました。
このあたりでよく釣れるメジナと言う魚です。

既に陽は西に傾き、暗くなる前には帰らなければなりません。
余り釣れないので、日没まで頑張って、やっとアジとメジナを数匹釣り上げました。
3時間ほどの釣りでしたが、広い東京湾と秋の青空を眺めながら、のんびりとした
午後を満喫しました。

今朝は、メジナの刺身とアジの煮付けがテーブルに並びました。
ほっこりとした身のアジの煮つけは、甘辛い味付けで絶品でした。
刺身は、透き通る様に美しく、荒く擦ったワサビを付けて頂くと
鼻に抜ける爽やかさと魚の甘味で、これまた最高の味でした。
目の前の東京湾で、午後からちょっと出かけて、こんなにも美味しい海の幸が
手に入る事が信じられない程幸せです。

願わくは、この幸せを長く子孫たちにも伝えたいものです。
日本には、一億人の幸せが在るのです。
其々の環境で、日本の素晴らしさを感じているのです。
この幸せを、一時の怒りや憎しみで消し去る事は絶対に許されません。
同じ人間の心を持つのなら、怒りの拳を下し、リーダーとしての
本当の役割を果たして欲しいものです。
戦いは、不幸を呼んでも、決して幸せを呼ぶことは無いのです。

 

 

 

 

 

 

 

 



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