めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

桜島大噴火の予兆

2015-08-20 12:53:05 | 自然災害

今、妻の故郷である鹿児島の桜島が不穏な空気を漂わせています。
最近の桜島は、年間を通して殆ど連日噴煙を上げていました。
数十万人が暮らす数キロ先でこれ程にも活発に活動をしている火山は
世界でも珍しいと言われます。

100年ほど前には、大正の大噴火が有り、それまで島であった桜島が

溢れ出た溶岩によって、対岸の大隅半島に繋がりました。
その時の噴火の凄まじさは、資料館の数々の写真や噴出物を見ると、
いかに恐ろしく、この世の終わりではと思われる程のものでした。

私が鹿児島にいた頃にも、一週間に一度程、キノコ雲を空に吹き上げ

沢山の火山灰が音を立てて降っていたのを思い出します。
とは言え、噴煙を上げない時は、一か月程静かな日が続いたものですが、
近年、その頻度は著しく、殆ど毎日吹き上げる火山灰に、地元の人達も
さすがに閉口していました。

長年に渡っての事であり、殆ど県外ではニュースには成らなかったのですが、

今年に入って、記録的な噴火回数を数え、その異常ぶりに慣れている
鹿児島市民も、首をか傾げていた程です。

しかしながら、今回の様子は、少しいつもと違います。

火山性の地震が頻発し、気象庁も危険度を4にレベルアップするなど
もしもの事態に備えているのが少し心配です。

小規模の噴火が有り、夜の火口が赤くなる火炎現象が見られましたが、

この程度の噴火はしょっちゅう有り、余り問題ではないのですが、
気になるのは、以前続く山体膨張です。
大噴火の前兆として挙げられる山体膨張は、いまだエネルギーが溜まっていて
いつ大噴火が起こっても不思議でないと言われています。

いま、世界中の火山が噴火をしています。

大地震の後、必ずと言っていいほど大きな噴火が起こり、東日本大震災の後
全く大きな噴火が起こっていないのは、世界の火山の傾向として珍しく、
日本のどの火山が噴火を起こしても不思議でないと言われています。

富士山が危ないと言う学者も多いのですが、それより、はるかに可能性としては

鹿児島の桜島が大きいのです。
元々、桜島は、姶良火山と言う太古の昔に在った巨大火山の噴火口の真ん中に
新たに生まれた火山でした。
この姶良火山は、世界でもトップクラスの巨大火山で、その後の火口に、海の水が
入り込んでできたのが今の鹿児島湾であり、大きくえぐり込んだ深い湾が
美しい錦江湾でもあるのです。

この火口跡の海辺の縁に発達したのが鹿児島市であり、周辺の街なのです。

つまり、鹿児島市は、大きな火口の中にあり、桜島は、その中にできた新しい
火山でもあるのです。
有史以前の出来事とは言え、この姶良火山の噴火の規模は今の桜島どころではなく
日本のみならず、世界中に大きな影響を与えたと言われています。

とはいうものの、この地に住む人々は暢気なもので、妻の実家の人達でさえ

殆ど関心が無く、私達からの情報で、むしろ驚いているような状態です。
長い歴史の中で、生まれた時から桜島と共に育ってきた人々にとっては
差ほど驚く事ではないのかも知れませんが、もし、一度大噴火が起これば
今の生活が確実に変わってしまい、今の様なのんびりとした日々が送れないのは
明らかです。

このまま、いつもの様に収まってくれればいいのですが、数か月前、箱根の山が

少し機嫌を損ねただけで、いまだ地元の方々の生活は元に戻っていません。
何時からまた以前の様な観光業を営めるか、全く予想が付いていないのが現状です。

地球の温暖化による異常気象で、毎年多くの地域が災害に見舞われて、

日本中に被災都市が増えています。
天災は、忘れた頃にやって来る、と昔の人は言いました。
しかし、今や、忘れる以前に、繰り返して多くの方が被災しているのが、今の日本です。
妻の故郷がそんな災害の地にならない事を、心から願っています。