ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第120回」

2011-07-12 |   ビタペクト配布活動
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第120回」

 7月11日にビタペクトTと「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第120回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを13個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1842個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1590部となりました。
  
 今回で通算130回目のビタペクトT(ビタペクト2)の配布となりました。延べ人数ですが、1842人の子どもにビタペクトTとビタペクト2を、1590家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13



 今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。

(家族A)

 ミンスク(チェルノブイリ原発から約350キロ)から来た家族。この家族には8個のビタペクトTを渡しました。
 この家族は子どもが10人いますが、長女は年長で保養滞在の対象になっておらず、保養に来ていません。また滞在中の子どものうち1人は私がSOS子ども村に来たときは不在でした。(画像には写っていません。)
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

 
母親 (事故発生時13歳)9ベクレル 
次女(15歳)41ベクレル ○
長男(14歳)19ベクレル ○
三女(13歳)18ベクレル ○
四女(11歳)18ベクレル ○
次男 (9歳)26ベクレル ○
五女 (8歳)28ベクレル ○
六女 (6歳)19ベクレル ○
七女 (4歳)20ベクレル ○
三男 (1歳)18ベクレル

 1歳半の三男はまだ小さいのでビタペクトTを渡していません。
 子どもたちの健康状態ですが、特に風邪を引きやすい、といったことはありませんでした。
 ただ次女と長男は背骨が湾曲しており、矯正体操をしているそうです。(痛みなどはないそうです。)
 次女と三女は視力が急に低下したそうです。
 この家族はミンスク市の多子家庭協会の会員で、国から助成金をもらっています。
 お母さんは幼稚園で働いていましたが、長女が生まれてからずっと育児休暇中だそうです。(日本では考えられない・・・。)ベラルーシでは育児休暇は3年なので、10番目の子どもが3歳になった時点で11番目の子どもが生まれていなかったら、職場復帰するそうです。でもお母さんはまだ子どもがほしいようなことを言っていました。(私にはとても真似できない・・・。)
 お母さんは次女だけ41ベクレルで「どうしてこの子だけこんなに高いの?」と心配していました。
 ミンスクに住んでいるので、ビタペクトTを飲み終わったら、この子だけでも再測定を受けさせたい、と話していました。


 (家族B)

 モロジェチノ(チェルノブイリ原発から約390キロ)に住む家族。
 お母さんが自分の6人の子どもと保養滞在に来ていました。この家族には5個のビタペクトTを渡しました。
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時10歳)21ベクレル
長女(13歳)35ベクレル ○
次女(11歳)20ベクレル ○
長男(10歳)18ベクレル ○
次男 (8歳)18ベクレル ○
三女 (6歳)19ベクレル ○
三男 (4歳)17ベクレル 

 子どもたちの健康状態ですが、長女は小学校入学後、視力が下がり続けて止まらないそうです。
 長男は背骨が歪んでおり、疲れやすいそうです。
 他の子どもたちは健康だということでした。
 この家族でも長女だけが35ベクレルと値が高いので、お母さんはどうしてなのか?と心配していました。(放射能を取り込みやすい体質、というのも理由でありえますし、成長期に入ると食欲が出て食べる量が増え、偶然汚染された食品をたくさん食べてしまった可能性もあります。)
 この家族はモロジェチノ市の多子家庭協会の会員で、国から助成金をもらっています。6人の子ども合計で毎月33万ベラルーシ・ルーブルもらっています。日本円に今のレートで換算すると5280円です。少ない・・・というのが私の印象です。
 モロジェチノ市の多子家庭協会には会員が何人ぐらいなのか尋ねたところ、約70家族だそうです。
 ちなみにベラルーシでは1家族につき、16歳以下の子どもが3人以上いると、多子家庭とされ、多子家庭協会に希望者は入れます。
 この協会の会員でなくても国から助成金はもらえますが、SOS子ども村への滞在の招待などは多子家庭協会経由で受けることになっています。

 画像は記念撮影の様子です。(一人保養滞在には関係のない子どもが写っています。うちの子なんですけどね・・・。夏休みのときはこうやって、浴衣の紹介をしています。)
 裸足だったり、上半身裸だったり、ベラルーシも暑くなってきました。

 今回もいつものように子ども達に折り紙、おやつ昆布などをプレゼントしました。今回は都会から来た子どもばかりで、海草も違和感など持っておらず、おやつ昆布もさっそく食べていました。
 きれいな日本の便箋に子どもたちの名前を日本語で筆ペンで書いてあげたら、大喜び!
 「何か日本語でしゃべってみて!」
と頼まれ、いろいろ話してみたら、「日本語は難しそう・・・。」
と言われました。(^^;)

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。