ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

低レベルの放射能でも危険があります

2011-05-14 | 放射能関連情報
 放射線の安全の基準は「1年1ミリシーベルト」か20ミリシーベルトか? はたまた100ミリシーベルトなのか? という問題ですが、私が言いたいのは、チェルノブイリ原発事故後、放射能汚染が世界1広がってしまった国、ベラルーシでも1年1ミリシーベルト以下を安全基準として定めているということです。

 それから、脅かすつもりはないのですが、低レベルの放射能でも危険があります。
 普通、放射能の被爆量が増えれば増えるほど、病気になるリスクも比例して増えます。
 しかし、先天性の異常を持って生まれる子ども(つまり奇形児)が生まれる率は、被爆量と比例していません。
 皆さんは数学の授業で比例のグラフを勉強したことがありますね? 比例のグラフの線はまっすぐの線で、右上に斜めに伸びていますね?
 ところが、被爆量と先天性の異常が発生した率をグラフにすると、まっすぐの線にはならず、M字型になります。
 つまり、低レベルの被爆と高レベルの被爆のときに、異常が高く発生しており、中レベルの場合は、異常が低く発生している、ということです。
 これはミンスクにある国立遺伝性疾患研究所の報告です。
 どうしてこのような形になるのかは分からず、分かった人は
「ノーベル賞がもらえる。」
のだそうです。

 この研究所によると、ベラルーシでは全体で事故後約2倍近く、異常のある子どもが生まれています。
 しかし実際には事故の後は中絶する人が急増したため、これがもし全員生まれていたら、この2倍という数字も変わってくると思います。
 種類としては一番多いのが多指症(6本の指がある。)ですが、これはある程度成長したら、外科手術で6本目の指を取ってしまいます。
 そのほか無脳症の子どもがたくさん生まれたそうです。
 
 ただし、声を大にして言っておきますが、これはベラルーシでの事例であり、日本でこの結果がそっくりそのまま当てはまるとは限りません。
 低レベルの被爆をした人が「異状のある子どもを生みたくないから、もう少し被爆しておこう。」と考えるのは、当然間違いです。
 他の病気になるリスクが低レベルより中レベルのほうが増えるのですから・・・。
 
 何といっても、被爆などしないに越したことはありません。
 1ミリシーベルトまでは大丈夫、と安心するより、被爆ゼロを目標にしてください。

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