ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第160回」

2014-03-03 |   ビタペクト配布活動
 3月3日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第160回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。


 今回はビタペクト3を7個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2144個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1970部となりました。
 今回で通算174回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2144人の子どもにビタペクトを、1970家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80




今回は2家族が保養滞在していました。それぞれの家族にお話をうかがいました。

(家族A)

 モギリョフ州オシポビッチ地区リペニ村(チェルノブイリ原発から約240キロ)から来た家族。この家族は2008年8月にもSOS子ども村に保養滞在したことがあります。そのときの様子はこちらをご覧ください。
 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第78回」(家族A)

 家庭タイプ型孤児院の家庭で、お母さんと実子1人、里子6人が母親と一緒に保養に来ていました。この家族には4個のビタペクト2を渡しました。
 それぞれの体内放射能値は次のとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。前回の滞在のときに測定した人の結果も表記しています。

母親(事故発生時25歳)18ベクレル → 8ベクレル 
女子(16歳)19ベクレル
男子(15歳) 0ベクレル → 24ベクレル ○
女子(14歳)17ベクレル
男子(12歳)38ベクレル ○ → 38ベクレル ○
男子(12歳)36ベクレル ○
男子(12歳)30ベクレル ○
男子(10歳)18ベクレル 

 子どもたちの健康状態についてもお母さんにお聞きしました。
 16歳の女の子はお母さんの実子です。生まれつき心臓に穴が開いており、片耳が難聴です。
 31ベクレルだった12歳の男の子は片方の足が内側にねじれてきており、今は普通に歩いているし、痛みもないそうですが、ねじれがひどくなってきたので、医者から足をまっすぐ伸ばすための矯正用の靴を履くように言われ、近いうちにそれを注文する予定だそうです。
 36ベクレルだった12歳の男の子はおねしょが治らないそうで、原因を調べましたが、検査の結果は特に異常はなく、病院からは原因不明と言われました。里子なので、実の親(アルコール中毒)から育児放棄されていたらしく、精神的なトラウマが原因ではないか、とお母さんは考えています。
 引き取った里子のほとんどは最初の頃、栄養不足状態と慢性胃炎を持っており、食事つくりに気を使うそうです。しかし今は養母の心のこもったご飯を食べて胃炎はほぼ治っているということでした。

 この一家は畑を持っており野菜を作って食べているそうですが、食品の測定をしたことはありません。村の中に測定する場所がなく、測定しようと思ったら、20キロ離れたオシポビッチまで持っていかないといけないので、面倒だからです。
 この村は汚染地域に指定されたことはありません。しかし村の中でがんや甲状腺の病気になる人が増えたそうです。お母さん自身は健康ですが、そのお母さんのお母さんは現在甲状腺の病気になっているということでした。


(家族B)

 スラブゴロド(チェルノブイリ原発から235キロ)から来た家族。この一家も家族タイプ孤児院で、お母さんが6人の里子を連れてきていました。この家族には3個のビタペクト3を渡しました。それぞれの体内放射能値は次のとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。

母親(事故発生時30歳)10ベクレル
女子(17歳)14ベクレル
女子(16歳)12ベクレル
男子(14歳)11ベクレル
男子(14歳)22ベクレル ○
女子(11歳)21ベクレル ○
男子(10歳)35ベクレル ○

 
 お母さんに子どもたちの健康状態について質問しました。
 17歳の女の子は胃炎持ちでしたが、成長した現在は治ったそうです。この女の子と14歳の男の子(11ベクレル)は実の姉弟です。二人とも体が弱く、予防接種をするだけで体調が悪くなる(ワクチンのせいで軽く発病してしまう。)ということでした。
 11歳の女の子と10歳の男の子は実の姉弟です。弟のほうは最近食欲がなく、顔色も悪くなってきたので、お母さんは心配していました。情緒不安定なのか、よく理由もなく泣くそうです。私が話をしているときも、この子がうっかりコップを倒してジュースをこぼしてしまったのですが、泣き出してしまい、その後30分ぐらいずっと泣いていました。絵葉書をあげたら笑っていたけど、何だか心配な感じですね。
 お母さん自身は甲状腺に良性の腫瘍ができており、それがどんどん大きくなるので、手術するよう勧められましたが、まだ決心していないそうです。

 スラブゴロドは放射能汚染地域です。人口は1万1000人だそうですが、全員に1年に1回甲状腺と血液検査が義務付けられているそうです。それで異常が見つかると、WBC測定も義務付けられます。検査は全て無料です。
 異常が見つからなくても希望する人はWBCの測定ができます。この場合も無料です。しかし無料でも測定に行く人は少ないそうです。測定をしてよくない結果だとしても、ではどうしたらいいのかという対策方法を教えてくれないのが理由だと思います。
ビタペクト3は薬局では売られていないし、今回はチロ基金からあげることができましたが、ふだんはマルチビタミン剤とセルロースで代用するしかなさそうです。
 スラブゴロドには食品の測定もしてくれるところがあり、これも無料で測定してくれます。この一家はきのこの測定など頼んでいるということでした。

 このお母さんは事故が起きたとき30歳で、汚染地域の住民ですから、事故当時のことをよく覚えており、いろいろ詳しく話してくれました。
 これについては後ほど「聞き取り調査」のほうで詳しくご紹介します。

 画像は記念撮影したものです。
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書、着物で作った巾着袋などをプレゼントしました。
今回は年齢が高い子どもが多かったので、日本語のことなどけっこうつっこんだ質問がありました。
 このように興味を持ってくれる子が増えてくれるとうれしいですね。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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