ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第210回」

2017-05-22 |   ビタペクト配布活動
 5月22日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第210目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト3を10個渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2547個、セルロースの合計は85個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2160部となりました。
 今回で通算226回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2547人の子どもにビタペクトを、約76人の子どもにセルロースを、2160家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)


http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から1家族が13人の子どもを引率して、保養滞在していました。家庭タイプ孤児院の一家です。
  この家族はこの一家は2006年と2008年と2015年にも保養に来たことがありますが、2006年に保養に来た子どもは今回は1人もいません。
 2015年の保養のときのようすはこちらをご覧ください。 
チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第175回」 (家族B)

それぞれの測定結果はこのとおりです。丸印の子どもにビタペクト3を渡しました。

母親(事故発生時16歳)12ベクレル(2006年測定)→13ベクレル(2008年測定)→ 8ベクレル(2015年測定) → 12ベクレル
娘 (28歳) 21ベクレル
孫  (4歳) 21ベクレル ○
女子(16歳) 28ベクレル ○ → 24ベクレル ○
男子(15歳) 36ベクレル ○
男子(15歳) 31ベクレル ○ → 31ベクレル ○
男子(13歳) 39ベクレル ○ → 5ベクレル
女子(13歳)  0ベクレル(2008年測定)→ 33ベクレル ○ → 31ベクレル ○
女子 (7歳) 31ベクレル ○ → 27ベクレル ○
女子 (6歳) 30ベクレル ○ → 29ベクレル ○
女子 (6歳) 22ベクレル ○
女子 (4歳) 22ベクレル ○
男子 (4歳)  7ベクレル
男子(11歳)  8ベクレル
女子(11歳) 33ベクレル ○

 11歳の男の子と女の子は二卵性双生児で、他の家庭タイプ孤児院の一家と暮らしています。
 28歳の娘はお母さんの実子。4歳の孫はこの娘さんの実子です。

 このお母さんは現在10人の里子を育てています。
 このような家庭が現在ゴメリ市内に5家族あるそうです。お母さんはお母さんとしての仕事をしており、毎月、給料(実際には手当)をもらっていますが、平均月収より少ないので、大変だと話していました。
 子ども達は5歳から17歳までの孤児(実際には生みの親がいて、育児放棄された子どもがほとんど。)それぞれ毎月100ドルの孤児手当を支給されていますが、生活は大変、と話していました。
 というのも、孤児であっても健康で低年齢の場合、養子にもらわれていきやすいのですが、障碍があったり、持病があったりすると、引き取り手がおらず、そういった子どもたちが、家庭タイプ孤児院に里子として出されるそうです。両親がアル中になって家庭内暴力が始まり、13歳でこの家に来た、と言う子どももいます。

 最近は海外への保養滞在も数が減ってきて、小さい子どもは優先されますが、大きくなると選ばれなくなる、とお母さんは話していました。
 13歳の女の子と7歳の女の子はイタリアへ保養に行ったことがあり、ホームステイ先の家族から養子縁組の申し出があったのですが、ベラルーシの法律が厳しく、外国人の養親との縁組はできないそうです。
 私からすれば、思い切ってイタリア人の家族に育ててもらうほうが、ベラルーシ国内の孤児の数がその分減るのですから、国の負担が減る・・・と思うのですが。
 そうすると、この家族の里子が2人減るので、その分他の2人の孤児をこの家族に里子として出せるから国にとっては得だと思いますが・・・。

 お母さんに子どもたちの健康状態についてお話をうかがいました。
 13歳の女の子は小児麻痺。6歳の女の子は神経系統の病気ということでしたが、生みの母がいわゆる精神病。遺伝だ、とお母さんは話していましたが、事実関係は不明。
 4歳の男の子は多動。危険な行動を取ることもあるので、お母さんは見てるだけで大変、と言っていました。
 逆にこういう子どもは家庭の中で子どもがたくさんいない、家庭の中で暮らすほうがこの子にとっては安全だと思うのですが、引き取り手がなかったそうです。

 このように問題がある子どもは、養子縁組の話が出ず、里子として、心優しい家庭タイプ孤児院の一家に国が押し付けている状態です。
 お母さんとしての給料を国は出しているとはいえ、結局一般人の中で善意のある人に養育を負担させて、国は甘えているように思えました。
 
 ベラルーシでは孤児は1年に2回保養滞在できるという決まりがあるそうです。
 しかし、そのうち1回は無料で、もう1回は自己負担なので、孤児手当をもらっていても、保養滞在費を捻出するのは大変だと言っていました。
 それで結局イタリアの支援団体やSOS子ども村など無料で行ける保養プログラムに選ばれるよういつも願っているそうです。

 お母さんは国境を越えて、1年に3回、ウクライナへ安い子供服を買いに買出しへ行っているそうです。
 家はゴメリ市から支給されましたが、ローンが残っているし(でも一般人より家庭タイプ孤児院の家庭に優先して家は支給されるし、ローンの負担も楽。)やりくりが大変なので、近所の貸し畑をもらって、そこでにわとりを飼っているそうです。これで卵は買わなくてすむ、とお母さんは話していました。
 都会人ですが、やっぱりたくましいですね。
 牛乳は田舎で乳牛を飼っている知人から安く分けてもらっていますが、その牛乳はだいじょうぶですか、と尋ねたら、放射能の検査済み、(その乳牛を飼っている酪農家の自発的な検査)結果は大丈夫だったので、買っているということでした。
 
 画像は記念撮影したものです。
 今回子どもたちに折り紙、折り鶴、日本製のベラルーシ人から見るとすごくハイテクなのり、昆布茶としいたけ茶をプレゼントしました。
 やっぱりベラルーシにない物は珍しがられるというか、受けますね。(^^)

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費を寄付してくださった方々、折り紙や文房具、昆布茶など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 
 

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