ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第213回」

2017-07-18 |   ビタペクト配布活動
 7月18日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第213目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト3を5個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを4部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2576個、セルロースの合計は85個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2167部となりました。
 今回で通算229回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2576人の子どもにビタペクトを、約76人の子どもにセルロースを、2167家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a


 今回はモギリョフ市(チェルノブイリ原発から約280キロ)から4家族がSOS子ども村で保養滞在をしていました。

(家族A)

 お母さんが3人の子どもを引率していました。この家族には2個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時10歳)18ベクレル
長女 (9歳) 28ベクレル ○
次女 (5歳) 25ベクレル ○
長男 (1歳) 38ベクレル 

 お母さんに子どもたちの健康状態についてお話をうかがいました。
 長女は5歳になるまで元気だったのですが、突然白血病になりました。その後腎臓病も併発。尿が膀胱から腎臓に逆流するようになり、手術も受けましたが治らず、今でも1年に2回は検査入院しなければならないそうです。
 抗生物質の投与も続けており、近いうちにまた検査入院だそうです。入院中はビタペクト3の摂取はとりあえず中止するよう言っておきましたが、お母さんが、
「どうしたら病気が治るのか、できることはなんでもしたいけど、分からない。」
と言っているのを聞いていて、本当に気の毒になりました。
 5歳まで元気だった子どもが急に白血病になるなんて、最初聞いたときは家族みんなすごくショックだったと思います。

 お母さん自身は自分の脱毛に悩んでいました。確かに40代とは思えないほど、髪の毛が薄かったです。あくまで平均の話ですが、日本人と比べると、ベラルーシ人は髪の量が少ないので、若くから薄毛になる人が多いのですが、何と言って私からアドバイスしたらいいのか分かりませんでした。


(家族B)

 お母さんが4人の子どもを引率していました。この家族には1個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時18歳)18ベクレル
次男(17歳)17ベクレル 
三男(14歳)23ベクレル ○
長女(10歳) 5ベクレル

 この一家にはすでに成人の長男がいます。今回保養に来た三人の子どもですが、難病にかかっていました。
 細胞壁に異常が出るため、筋肉が柔らかくなりすぎて腱で筋肉とつながっている骨も正常に成長しない、という病気だそうです。背骨も歪んで、激しいスポーツもできません。
 両親はこの病気にかかっていないのですが、兄弟三人が同じ病気なのです遺伝病だと思います。(マルファン症候群)に症状が似ていますが、お母さんははっきりと病名を言っていませんでした。)
 三男は視力低下のほか、甲状腺機能亢進症、心臓の壁に穴があいているそうです。
 背骨がまっすぐ成長するために手術を受けたとも話していました。

 お母さんは現在、甲状腺に線種ができているそうです。また関節痛がひどくなってきているそうです。
 子ども三人も骨の病気(原因は筋肉のほうですが。)になっていますが、お母さんも関節や背骨が痛いということで、遺伝的な要因がやはりあるのかなあと思いました。あくまで体質的なものですが。お母さんは子どものころはとても体が柔らかかったそうです。

 ちなみにこの一家で一番内部被曝量が少なかった長女ですが、すごくりんごが好きな子で、乾燥させたりんごを毎日食べているそうです。ペクチンの摂取量が多いから、こういう結果だったのかもしれません。


(家族C)

 お母さんが2人の子どもを引率していました。この家族には 1個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時16歳)29ベクレル
長男(11歳) 29ベクレル ○
次男 (6歳) 17ベクレル 

 長男は5年前、6歳のときに心臓の壁に穴があいていると診断されたそうです。それまでの検査では問題なしだったのに、突然、「これは生まれつきですね。」と医者に言われたのですが、ベラルーシでは心臓の壁に穴があいている子どもはたくさんいるので、普通、経過観察しましょう、と言われて終わりです。その後の追跡調査では、第二次性長期のころに自然とふさがる人が多いです。
 このお母さんは医者から、「アモソフのペースト」を子どもに与えなさい、とアドバイスを受けたので、そのとおりにしたところ、10歳になった去年の検査では心臓の壁の穴がふさがったそうです。
 よかったですね! それで、そのアモソフのペーストって何ですかと尋ねると、作り方がネットで検索できると教えてもらいました。家族Bのお母さんも14歳の三男の心臓の壁の穴がふさがらないので、私も作るわ! と言っていました。
 アモソフのペーストのレシピはこちらです。
 画像はあるけどロシア語です。これによると、ロシアの科学アカデミーの学者、アモソフが免疫力強化、病後の体力回復、心臓によいビタミンやミネラルを効率よく摂るために考案したものだそうです。
 冬場に毎日食べれば、風邪予防にもなるそうです。サプリメントを買うより、こちらのほうがいいかもしれませんね。
 私も作ってみます。

 子ども達は今は健康だそうです。お母さんは次男出産後、高血圧になってしまったと話していました。


(家族D)

 お母さんが2人の子どもを引率していました。この家族には1個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時13歳)15ベクレル
長女(11歳) 23ベクレル ○
長男 (9歳) 17ベクレル 

 長男は血小板減少症という症状が出る病気にかかっています。原因ははっきりしていませんが、生後間もなく、鼻血が出るようになり、血液検査を受けたら、血小板の数が少ないことが判明。
 ホルモン剤投与で治療しましたが、副作用で大変苦しんだそうです。
 今は血小板の数値も落ち着いて、ホルモン剤の投与は受けていませんが、それでも基準より少ない数値のまま。完全に治すのは難しいそうです。
 ベラルーシの医者からはごま油がいいと言われて、飲ませているそうです。
 日本でも血小板の数を増やすためにごまはいいと言われているみたいなのですが、ごま油でなくても、ふつうにごまでいいような気がします。
 ベラルーシの医者はごま油のほうを勧めているみたいですが・・・。

 お母さんたちは、
「チェルノブイリ原発事故の後、数年してから病気の人、子どものガンが増えた。モギリョフには二棟のがん病棟があるが、今三棟めを建設中。子どものホスピスも作られた。」
と口々に話していました。
  
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書などをプレゼントしました。
 普通の折り紙セットのほか、ポケモン柄の折り紙も渡しました。ポケモンはやっぱり人気ですねえ。

 画像は記念撮影した様子です。風邪のため写っていない子どももいます。(保養には関係のない子も写っていますね。)(^^;)

 今回のビタペクト3の購入費には、CD「月と日」の売り上げを使いました。
 最後になりましたが、「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
べラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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