電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

木田厚瑞『肺の生活習慣病(COPD)』を読む

2009年01月01日 09時33分24秒 | -ノンフィクション
木田厚瑞著『肺の生活習慣病(COPD)』を読もうと思ったのは、晩夏の時期でした。老父の葬儀等も一段落し、ほっとした頃かと思います。書店の新刊の中に平積みになっていた本書の帯の中に、「咳がなかなか止まらない」の一言を見つけました。山響の定期演奏会に行けずくやしい思いをした(*)この春の長い咳は、もしかすると風邪のせいではないのかもしれない、と漠然と思っていたところへ、実にタイムリーな本でした。体裁こそコンパクトな中公新書ですが、内容的には実に豊富なものがあります。著者の木田厚瑞(こうずい)氏は、日本医科大の呼吸器内科の専門家のようです。少しずつ少しずつ、理解しながら読み進み、ようやく大晦日の夜に、全部の内容を読み終えました。学問的な裏付けのある内容は信頼できますし、詩人の高見順の詩集『死の淵から』を引用し親しみ深いものにしながらも、明解で論理的な文章は、読んでいて気持ちがいいものです。

当方、BMI=22、職場の健康診断では常にオール◎印の健康優良中年でありますが、唯一の弱点は風邪をひくと咳が長く残る傾向があったことです。素人自己診断は控えなければなりませんが、本書を読んで、かかりつけのお医者さんに伝えなければならないポイントはつかめたように思います。

(1) 喫煙歴 なし。家族にも喫煙者はなし。ただし、若い頃から酸蒸気やSO2、有機溶媒などに曝されることが多くありました。
(2) 風邪をひくと、咳が出て長引く傾向があります。痰は出ますが多量ではなく、無色透明で白濁はありません。
(3) 肺活量は年齢相応にあり、息切れもなく、肺機能の低下はそれほど感じておりません。
(4) 以前、咳がなかなか止まらないと訴えたところ、2泊3日の人間ドックで、気管支拡張ぎみ、と言われたことがあります。
(5) 食事の後、胃から逆流することがあり、近年は喉の奥に違和感があり、声が嗄れぎみと感じています。父親も声が嗄れてきて逆流性食道炎の診断を受け、治療しておりました。
(6) いつもの風邪の予防には、うがいがもっとも効果的と感じています。風邪が悪化し喉の奥がむずむずするとき、咳とともにカスのようなもの(菌叢?)が取れると、快方に向かうようです。
(7) 一親等で喘息を訴える者はおりません。また、本人も喘息の既往歴はありません。ネコが二匹おります関係で、アレルギー性の副鼻腔炎で、秋冬の時期にはジルテック錠を服用しています。
(8) 咳が出て止まらないときに、気管支拡張剤としてホクナリン・テープを処方されておりますが、時に手のふるえや足のふくらはぎの筋肉等に痙攣症状(足がつる)が出ることがあります。
(9) 鼻詰まりのひどいときは耳鼻咽喉科で副腎皮質ステロイドの点鼻薬を処方されますが、ベータ2刺激薬と思われるホクナリン・テープとの併用はしないようにしています。

こんなところでしょうか。私の場合、COPD(慢性閉塞性肺疾患)というよりは、逆流性食道炎がらみの慢性気管支炎を疑うところです。まさに生活習慣病として対応を取る必要性を感じます。

(1) 風邪の予防、とりわけ日常的に換気と室内の拭き掃除を心がける。
(2) 日常的な運動、とくにウォーキングの実行。
(3) コーヒー等を一度に飲みすぎる傾向はある。コーヒーカップの小型化。
(4) 枕を高くして、上体を起こしぎみにして寝る。

などでしょうか。具体的な対応を考えることができ、有益な本でした。
それにしても、タバコの害は大きいです。恐ろしいです。本書を読み、あらためて喫煙習慣を持たなかったことに深く感謝したことでした。

(*):山響演奏会を泣く泣く休む~「電網郊外散歩道」

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2 コメント

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こんにちは。 (ヨッち(生活習慣病))
2010-03-04 15:50:39
記事、とても勉強になりました。
喫煙は私もしていませんので、よかったと感じています。
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ヨッち(生活習慣病)さん、 (narkejp)
2010-03-04 19:29:19
コメントありがとうございます。お役にたてば何よりです。
>喫煙は私もしていませんので、よかったと感じています。
ほんとですね。喫煙習慣を持たなくて良かったと、今ごろになって実感しています。
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