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過日、山形交響楽団のモーツァルト交響曲全曲定期演奏会「アマデウスへの旅」の終結に際して開催された「松田理奈が奏でるモーツァルトwith池辺晋一郎&飯森範親」コンサートで、開幕冒頭に、ヴァイオリン・ソナタ第28番を取り上げておりました。ホ短調K.304 です。
1778年にマンハイムで書かれた6曲のうちの1つで、旅先のパリで母アンナが病死するという不幸に見舞われたときのものだそうです。
第1楽章:アレグロ。ヴァイオリンとピアノがユニゾンで奏でる主題は印象深く、思わず聞き耳を立ててしまいます。やがて、いつもの流暢なモーツァルトの調子が戻ってきますが、やはり悲しみの影が再現してきます。
第2楽章:テンポ・ディ・メヌエット。この曲の儚げで切ない開始が、妙にお気に入りです。たしかにセンチメンタルな曲なのですが、そうとばかりは言っておれない面があると感じます。
この曲は、これまで、ジョージ・セルがピアノを担当しクリーヴランド管のコンサートマスターだったラファエル・ドルイアンがヴァイオリンを奏した1967年のステレオ録音をもっぱら聴いております。CDはSONYにしては珍しい廉価盤で、SRCR-1650 です。
この演奏では、ピアノを受け持つ指揮者ジョージ・セルの腕前に野次馬的興味を持つところですが、これがたいそう立派なものです。いわゆるヴィルトゥオーゾ・スタイルではありませんが、若い頃にピアノの腕前を買われて、R.シュトラウスの下で歌劇場の練習ピアニストとして活動していたというセルの、それもなるほどと思わせる練達のピアノによる表現です。オーケストラでは女房役となるドルイアンとともに、モーツァルトの心細く孤独な心情を垣間見せてくれるような演奏です。
録音は明瞭なもので、ヴァイオリンとともに、硬質なピアノをよくとらえており、音量をあげると、奏者の息遣いがけっこう聞こえます。それもリアルといえばリアル。
■ドルイアン(Vn)、セル(Pf)
I=6'50" II=5'06" total=11'56"
さらに、この哀しさや切なさを感じさせる音楽で、すでにパブリック・ドメインになっている録音がある(*1)ことがわかり、公開されているものをダウンロードして聴いてみました。それが、グリュミオー(Vn)とクララ・ハスキル(Pf)による1958年の録音(FLAC)です。なんとまあ、当時の代表的な演奏の録音が、「廃盤です」「品切れです」という通告でくやしい思いをせずに、すんなりと入手できてしまいました。これがパブリック・ドメインの最大の恩恵でしょう。ただし、録音のほうはやはり時代相応で、必ずしも良好で満足できるレベルとは言えないようですが。
■グリュミオー(Vn)、ハスキル(Pf)
I=6'21" II=5'24" total=11'45"
(*1):モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調K.304~「クラシック音楽へのおさそい」~クラシック音楽|リスニングルーム
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/d2/697212f2594fc83e8aa72a84d635bee2.jpg)
写真は、モーツァルトが出入りしていた貴族の館でおやつに出されたチョコレート……ではなくて、過日の菓子業界の陰謀に今年も加担した証拠として押収した物品です(^o^)/
1778年にマンハイムで書かれた6曲のうちの1つで、旅先のパリで母アンナが病死するという不幸に見舞われたときのものだそうです。
第1楽章:アレグロ。ヴァイオリンとピアノがユニゾンで奏でる主題は印象深く、思わず聞き耳を立ててしまいます。やがて、いつもの流暢なモーツァルトの調子が戻ってきますが、やはり悲しみの影が再現してきます。
第2楽章:テンポ・ディ・メヌエット。この曲の儚げで切ない開始が、妙にお気に入りです。たしかにセンチメンタルな曲なのですが、そうとばかりは言っておれない面があると感じます。
この曲は、これまで、ジョージ・セルがピアノを担当しクリーヴランド管のコンサートマスターだったラファエル・ドルイアンがヴァイオリンを奏した1967年のステレオ録音をもっぱら聴いております。CDはSONYにしては珍しい廉価盤で、SRCR-1650 です。
この演奏では、ピアノを受け持つ指揮者ジョージ・セルの腕前に野次馬的興味を持つところですが、これがたいそう立派なものです。いわゆるヴィルトゥオーゾ・スタイルではありませんが、若い頃にピアノの腕前を買われて、R.シュトラウスの下で歌劇場の練習ピアニストとして活動していたというセルの、それもなるほどと思わせる練達のピアノによる表現です。オーケストラでは女房役となるドルイアンとともに、モーツァルトの心細く孤独な心情を垣間見せてくれるような演奏です。
録音は明瞭なもので、ヴァイオリンとともに、硬質なピアノをよくとらえており、音量をあげると、奏者の息遣いがけっこう聞こえます。それもリアルといえばリアル。
■ドルイアン(Vn)、セル(Pf)
I=6'50" II=5'06" total=11'56"
さらに、この哀しさや切なさを感じさせる音楽で、すでにパブリック・ドメインになっている録音がある(*1)ことがわかり、公開されているものをダウンロードして聴いてみました。それが、グリュミオー(Vn)とクララ・ハスキル(Pf)による1958年の録音(FLAC)です。なんとまあ、当時の代表的な演奏の録音が、「廃盤です」「品切れです」という通告でくやしい思いをせずに、すんなりと入手できてしまいました。これがパブリック・ドメインの最大の恩恵でしょう。ただし、録音のほうはやはり時代相応で、必ずしも良好で満足できるレベルとは言えないようですが。
■グリュミオー(Vn)、ハスキル(Pf)
I=6'21" II=5'24" total=11'45"
(*1):モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調K.304~「クラシック音楽へのおさそい」~クラシック音楽|リスニングルーム
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写真は、モーツァルトが出入りしていた貴族の館でおやつに出されたチョコレート……ではなくて、過日の菓子業界の陰謀に今年も加担した証拠として押収した物品です(^o^)/
その時の解説で、「本来はヴァイオリンとピアノの曲だ」と知るのですが、LP(グリュミオー+ハスキル)を購入したのはずっと後のことです。セルのこの盤は佳さげですね。
セルとバルビローリは命日が近いのですね。こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
好きになったのはFMで放送されたのを聴いたことがきっかけでした。
その時の演奏は塩川悠子のヴァイオリン、ピアノは初来日したM.J.ピリスでした
悲劇的な美しさを秘めた素晴らしい曲!!
オープンテープに録音していたものを毎日のように聴いたものでした
残念ながらそテープはあるのですがデッキが動かないので聴くことはできません
なお最初に買ったのはシェリング/ヘブラーのLPで聴いた回数はこれが一番です
ドルイアンは未聴です。セルのピアノでは曲は違いますがシゲッティのヴァイオリンのものが手元にあります。
美味しそうなチョコレートですね
今年は残念ながら収穫なしでした(・_・、)
パブリック・ドメインになっているものとしては、他にボスコフスキーとリリー・クラウス盤などもあるようです。すごい時代になりました。
>手元には現在9種類の全集があります。
わーお、それはすごいですね。円高だった時に、私ももう少し全集BOXを集めておけば良かったかな(^o^)/
セル盤は、ふつうはファースト・チョイスにはなりにくいものかと思いますが、単身赴任地でふらりと入った昔ながらのレコード店で、このCDを見つけてしまったのですよ。これを買わずに帰ったら、二度とお目にかかることはあるまいと思い、あわてて確保しました。残り物に福ありですね(^o^)/
今年の春は、ヤンネ舘野さんのリサイタルで、第35番ト長調も聴ける予定です。これも、楽しみにしています。