電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

地域の壮年会で介護保険制度の研修会を企画した頃

2024年06月24日 06時00分36秒 | Weblog
介護保険制度は今やすっかり身近なものになりましたが、制度が始まる前に、地域で研修会を企画したことがあります。当時、私は戸数50戸程度の小さな地域の壮年会の会長をしており、妻は婦人会の会長でした。そんなわけで、新しい制度が始まる前に何か役立つ企画をしたいと考え、全戸にお知らせして研修会を行ったのでした。あれはいつのことだったろう? テキストファイル備忘録の記録によれば、

$grep "介護保険" memo*.txt
memo-utf.txt:2008/01/27 介護保険制度等の研修会 朝の公民館除雪の後に、午前10時から◯◯壮年会主催で「介護保険制度と介護予防入門」の研修会を実施した。講師は、◯◯市健康福祉部福祉課介護保険主査の◯◯◯氏と、◯◯市地域包括支援センター係長の◯◯◯◯◯氏。全部で30名弱の参加者で、良い研修会になった。

なるほど。このブログを初めたのが2004年12月ですので、2008年ならば当ブログにも記録があるだろうと見当を付け、検索ボックスにキーワードとして「介護保険制度」と入力し、「このブログ」を検索対象に指定して実行してみると、

2008年01月28日 「介護保険制度と介護予防入門」研修会 (Weblog) 〜「電網郊外散歩道」


という記事を見つけることが出来ました。

母の在宅介護をしてみて、今、介護保険制度のありがたさが実感としてわかります。気丈な母は95歳の最後までボケることなく、自分のことは自分ですると、服薬管理も血圧測定もトイレも、歩行器を使いながら自分でやりました。それでも、日常の起き上がりに便利な電動ベッドのレンタルをはじめ、さすがに入浴は危ないのではじめは自宅で入浴介助、後からはデイサービスで入浴や洗髪をしてさっぱりしたと喜んでおりました。また、かかりつけ医のところに通院するのに自家用車への乗り込み時に転んで危なっかしくなり、通院に不自由するようになってからは、車いすタクシーのお世話になりましたが、タクシー券の補助がありがたいものでした。

母を看取り、三回忌を計画している今になって、当時の自分の記事のこの表現が本質だと感じます。

介護保険制度というのは、健康保険とは別に制度設計されたものであって、一定の年齢以上の人たちが、それぞれの立場に応じて介護保険料を納め、介護が必要になった世代の人たちを支えましょう、という趣旨の制度のようです。介護を個人の努力だけで解決するのではなく、介護の社会化を目指す、というものでしょうか。

地域で研修会を企画してから16年。制度を設計した人たちには、現在のような介護の状況が見えていたのでしょうか。もし制度が実現せず、すべて家族や個人の献身にまかされていたら、おそらくは全国で数多くの悲劇が生まれていたことでしょう。そう考えると、いささかゾッとします。


コメント    この記事についてブログを書く
« 梅雨前にやっておくべき農作... | トップ | 手術入院中。 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事