電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

オーディオ愛好家のタイプ分けからオーディオマニアでなくなっていることを知る

2022年02月12日 06時00分06秒 | クラシック音楽
昨年末にブログ「If you must die, die well みっちのブログ」に掲載されていた記事「キミはどういうタイプのオーディオ愛好家なのか、いくつかの質問を考えてみました、の巻」(*1)が面白かったので、自分の場合はどうなるのか、やってみました。
まず、A. 音源について です。

  1. コンサート・ゴーワーであるか。 はい。山響、山Qの定期演奏会を中心に、年間15回以上はコンサートに足を運びます。
  2. 歴史的名演奏という言葉を聞いて胸が踊るか。 いいえ。資料としては興味深いと思いますが、だから積極的に聴きたいという熱意はありません。
  3. 音楽評論家やオーディオ評論家の名前を何人か挙げられるか、また彼らが推奨する意見を信じるか。 何人かの評論家の名前を挙げることはできますが、皆さん亡くなりましたし、私の好みとはずれていたと感じます。
  4. 音楽サブスクリプションという音楽販売形式に好意的か、あるいは気乗りしないか。 気乗りしないほうです。
  5. 録音することが愉しいか、例えば生録やFM録音などは好きか。 若い頃は生録もFMエアチェックもやりました。ミキサーを入れてマルチマイクでオーケストラ録音を試みたこともありますが、今は全然です。

次は B. 機器の選択について です。

  1. 機器デザインも音のうちと考えるか。 いいえ。
  2. 舶来品がとにかく国産品より優れている気がするか、あるいは特定のブランド信仰があるか。 いいえ。例えば TEAC 社が自社製品を長く修理してくれることは知っており敬意を表しますが、ブランド信仰というほどではありません。
  3. 物理的測定データがないと信頼できないか。 いいえ。測定データは耐久性を表しませんので。
  4. プロ用機器、業務用機器に魅力を感じるか。 若い頃は標準プラグよりもキャノンプラグに信頼性を感じましたが、今はミニプラグより標準プラグのほうが丈夫だなあと思っている程度です。
  5. コストパフォーマンスという言葉に魅力を感じるか。 多少は惹かれるところはありますが、それほどではありません。悪いよりは良いほうが助かる、みたいな。

最後に、C. 一般的な質問 です。

  1. 骨董品が好きか。 いいえ。
  2. コレクター気質があるか。 かなり限定的です。ジョージ・セルの正規録音は全部集めたい、みたいなところはありますが、裏青盤までぜんぶ、というほどではありません。
  3. 半田ゴテいじりが好きか。 必要があれば持ちますが、あくまでも必要があれば、です。
  4. 日曜大工が好きか。 必要があればやりますが、必要がなければしません。

こんなところでしょうか。

写真は2016年1月頃のものですが、全体的に見て若い頃はオーディオマニア的要素もあったけれど、今はほとんどないと言っても良いようです。あらためて感じましたが、もうミニコンポに接続したデスクトップPC-audioで充分な気がしています。大きくて重いアンプやめったに使わなくなったカセットデッキ、今はもう使うこともないローノイズ・トランジスタに換装したオーディオミキサーなど、若い頃の残滓を思い切って処分して、5〜6年かけて徐々にフェードアウトしていくほうが良いのではなかろうか、などと考えてしまいました。



昨日、山響事務局から電話連絡があり、楽団員に感染者が出たために12〜13日の定期演奏会を中止するとのこと。恐れていた事態が発生。罹患された方の早い回復と影響が最小限にとどまるように祈ります。

(*1): キミはどういうタイプのオーディオ愛好家なのか、いくつかの質問を考えてみました、の巻〜「If you must die, die well みっちのブログ」より


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4 コメント

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Unknown (みっち)
2022-02-12 12:52:13
みっちです。拙ブログの記事を真面目に取り上げて頂いてありがとうございます。

セルはクリーヴランド管弦楽団へ移ったため、オペラを演らなくなったのが残念です。ザルツブルクでは少し振ってますけどね。
あのままヨーロッパに留まることが出来ていたら、カール・ベームに勝るとも劣らないオペラ指揮者となっていたでしょう。
その抜群の耳のよさは、ハンス・ホッターの回想録でも知りました。それは戦前のプラハ歌劇場でのこと、ホッターが「マイスタージンガー」のドレスリハーサルの時にふざけて、わざと音程を少し外して歌った(一和音だけですよ)のを聞き咎めています。ホッターは端役ですから、大勢の合唱団たちに混ざって歌っていたのです。しかし、リハーサルの後、皆んなで舞台監督の話を聞いていると、ホッターの後ろに誰かが立ち、「誰も分からないと思ったら、大間違いだぞ」と云って立ち去っていったのがセルでした。(爆)
みっち さん、 (narkejp)
2022-02-12 18:12:31
コメントありがとうございます。面白い記事でしたので、楽しんで回答してみました。
セルのエピソード、ハンス・ホッターにもありましたか。セルの奥さんも元歌手で、たしかキャスリーン・フェリアーだかも若い頃にセルにトレーナーをしてもらったらしいです。すごく怖かったけれど、とてもためになった、みたいな感想を何かで読んだことがあります。セルがR.シュトラウスのもとを離れてプラハ歌劇場に移動したのはずいぶん若い頃だったようですね。前任がクレンペラー?だったかで、戦火が近づきそうなので若い者に押し付けて逃げ出したみたいな按配だったようです。アメリカに渡り、メトでビングと喧嘩して歌劇場から足を洗ったそうですが、妥協しない性格が災いしたのかもしれません。セルはユダヤ系らしいので、当時のヨーロッパではたぶん生きていけなかったでしょう。
素質ナシ! (しろまめ)
2022-02-14 17:42:43
ぼくはオーディオマニアの素質はまったくないようです……。

そりゃま、そうですよね。

日頃、聴いている音源はMP3が再生できるとはいえ、議事録用のボイスレコーダですし。
高校生のころはモーターがいかれてしまって、回転数のおかしいラジカセでプログレッシヴ・ロックを聴いて喜んでいましたし。初めて買った(そして最後だった)ステレオセットは、安くて手軽だからという理由でモジュラータイプを選んだし……。
しろまめ さん、 (narkejp)
2022-02-14 19:55:32
コメントありがとうございます。NHK-FMのステレオ分離信号の後に、フワッとステレオ音声が流れるのに魅了されてしまい、LPレコードとステレオにハマりました。音楽をいい音で聴きたいという願いで機器を購入し楽しんで来ましたが、いつからかオーディオ界隈がオカルト的になってしまい、離れてしまいました。
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/cdb2e689f5073b6acc9efbd1cc7f245c
今でも音楽をいい音で聴きたいという願いは変わりませんが、それよりも演奏会に行き、生の音楽に触れていきたいほうですね。

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