電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

フルニエ、セル、ベルリンフィルによるドヴォルザーク「チェロ協奏曲」がついに公開

2013年03月08日 06時05分08秒 | -協奏曲
ピエール・フルニエのチェロ、ジョージ・セル指揮ベルリンフィルによるドヴォルザークの「チェロ協奏曲」といえば、天下の名盤として名高いものですが、名盤の常として一定のプレス枚数を売り切ってしまうとしばらくは「品切れ・廃盤」などの通告を受けてしまい、興味を持った音楽愛好家が実際に耳にすることは難しいような状況がありました。

ところが、私も一度、このブログの比較的初期の頃に取り上げた(*1)ことのある、この音楽的に素晴らしいステレオ録音が、ついにパブリック・ドメインになって公開された(*2)ようです。リンク先のサイトでは、丁寧な解説がついて、ストリームで聴くこともできますし、一定の手続きを踏めば、ダウンロードして楽しむこともできます。

ついに、この録音も公共の財産の仲間入りを果たしたかと、感無量です。学生時代に二枚組のLPで出会い、廉価版LPを購入し、のちにCDでも追加購入し、何度も何度も聴いてきました。ドヴォルザークのチェロ協奏曲ならすでにたくさんお聴きの方でも、「フルニエ、セル、ベルリンフィル」という組み合わせに興味をお持ちの方は、ぜひ一度、この素晴らしい音楽を、どうぞ自由に心ゆくまでご堪能ください。

(*1):カール・ライスターの「一番印象深かった録音」~「電網郊外散歩道」2005年5月
(*2):ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調~「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」リスニングルーム

この演奏の価値を先刻ご承知の方も、元記事の方でもこちらでも、コメントなどいただければ幸いです。


コメント (8)    この記事についてブログを書く
« 「これ一つで済むように」と... | トップ | 急ピッチで除雪・排雪が進む »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これはいいニュース (よし)
2013-03-08 15:37:27
これはありがたいですね。
早速聴いてみます。
ライスターの話は本で読みましたが、ホルンもボロクソに言われたそうですね。
最近のベルリンフィルも溶け合わない響きが復活したような気がします。
音質のことですが (パスピエ)
2013-03-08 16:21:48
これは録音にはあまり恵まれなかったセルとしては上位にランクされる音質かと思います。CBSでは薄めの低域がベルリン・フィルとしては若干明るめながら重厚に響きます。
オケの違いは勿論ありますが録音技師の違いも大きいと思います。もしセルがDGGと契約していたら、なんてことも思ってしまう好録音かと思います。
よし さん、 (narkejp)
2013-03-08 19:56:40
雄渾な演奏、天下の名盤です。ぼたもち大の(^o^)推奨印をを押して、おすすめいたします(^o^)/
ぜひ、お聴きになってみてください!!
いや、ちょいと興奮してスミマセン(^o^;)>poripori
パスピエ さん、 (narkejp)
2013-03-08 20:14:46
演奏もそうですが、おっしゃるとおり、録音もいいですね。ドイツ・グラモフォンらしい、低音の量感のある音でした。この録音を、音量を上げて聴くとき、実に雄渾な演奏をダイナミックな音で楽しむことができ、満足したものです。
評価は皆さんの大賛辞とは異なり、 (pfaelzerwein)
2013-03-09 00:00:20
これは友情出演のバーター制作だったのですね。はじめて通して聞かせて頂きました。但し録音の評価は皆さんの大賛辞とは異なり、その評価ゆえに否定的なものでした。61年の録音ですから当時のベームやの録音なども残っていて比較対象になるかと思います。決して録音技術的にも明確な録音はDGでは出来ないのは周知の事実です。

そうした中で、独自のクリーブランドサウンドではあまり気にならない面として、楽曲の矮小化のようなものがあって、同じようにザッハリッヒな鳴らし方をしても、例えばその細かな符読みや制御にドヴォルザークの作曲家としての意志や必然が全く感じられないのです。

名盤であるカラヤンとロストロポーヴィッチの録音が68年録音で、フルニエの気品も良いですが、やはり全体のスケールが大分異なっていますね。

趣味好みもあるので一概には言えませんが、やはりこうしたセルの演奏実践では、子供っぽいフレージングなどの単純化の印象は免れません。もう一つ気がついたのは録音や鳴らし方の相違で、クリーブランドサウンドのようなものの方が、アメリカ人にとっても恐らく日本の聴環境にとっても分りやすい音楽として伝わりやすいのだと確信しました。

勿論、セルの音楽に関して否定する気は毛頭無いのですが、フィラデルフィアなどの状況やその後のショルティー・シカゴでの米国流極限の合理主義の成果と制覇として評価したいです。
pfaelzerwein さん、 (narkejp)
2013-03-09 06:21:01
私はこの演奏が大好きですが、好みは人さまざまですね。実際に誰でも耳にすることができるようになった点で、公共の財産となった意味は大きいと思います。
トラックバック (望 岳人)
2013-03-11 20:42:39
2005年5月の記事にトラックバックさせてもらった記事に追記をして、こちらの記事にトラックバックを送らせてもらいました。
望 岳人 さん、 (narkejp)
2013-03-12 19:44:31
トラックバックをありがとうございます。録音年が1961年とのこと、元記事のほうを訂正しておきたいと思います。初めて聴いたのが1971年頃ですから、もう40年以上聴き続けているわけです。パブリック・ドメインになって、多くの人に自由に聴いてもらえるようになりました。ありがたいことです。

コメントを投稿

-協奏曲」カテゴリの最新記事