電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

マーラー「交響曲第4番」を聴く〜バーンスタイン盤とセル盤

2020年07月04日 06時01分15秒 | -オーケストラ
このところ、通勤の音楽として聴いているのが、マーラーの「交響曲第4番ト長調」。「大いなる歓びへの賛歌」という副題を持ち、終楽章に声楽の付いた音楽です。私が最初にマーラーの音楽に触れたのはたしかこれで、図書館から借りたバーンスタイン指揮ニューヨークフィルのLPレコードでした。その後、自分でも東芝の廉価盤でホーレンシュタイン指揮ロンドンフィルのレコードを購入して楽しみました。この頃の記憶は、だいぶ前に記事(*1)にしたことがありますが、その孫も今や中学生。新型コロナウィルス禍の渦中にあって、苦労しているのでしょうか。

CDの時代になり、エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送響によるDENON盤で楽しむようになり、今、車中で聴いているのがこれです。ダイナミックレンジの広さが災いして、ピアニシモの部分はロードノイズに消されてしまいますが、こうしたおなじみの曲は勝手に鼻歌などで脳内補正(^o^)/

加えて、パブリック・ドメインの恩恵で、念願だったのにずっとCDを購入できなかったジョージ・セル指揮クリーヴランド管とジュディス・ラスキン(Sp)による録音や、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルとレリ・グリスト(Sp)による録音も入手でき、自室の PC-audio で楽しんでおります。二者で特徴的な違いは、例えば第4楽章のテンポでしょうか。バーンスタイン盤では8分30秒ほどであるのに対し、セル盤では10分以上かけています。バーンスタイン盤では「魔法の角笛」のイメージに近づけたのでしょうか、オペラではおきゃんな役柄を得意としたレリ・グリストの声質もどちらかといえば少年のイメージに近づけたものでしょう。一方、全曲で3分近く演奏時間に差があるほどに、堂々としたテンポで緻密に丁寧に演奏されるセル盤のほうは、ジュディス・ラスキンの歌唱が知的で格調高く、大人の女性の印象です。

Mahler Symphony No 4 / Cleveland Orchestra, SZELL (1967/2018)


Mahler - Symphony n°4 - NYP / Bernstein


車の中と同じように、自室で二つの録音をエンドレスで流していると、ほんとにいいなあと感じます。どちらが、ということはなく、解釈と表現の方向性の違いで、どちらも「らしいなあ」と受け止めてしまいます。どっちが好きかと言われれば、たぶん歌がたっぷりしたセル盤ですが、まだ若いバーンスタインの旧盤も懐かしくてお気に入り(^o^)/

(*1):マーラー「交響曲第4番」を子守唄にした子が〜「電網郊外散歩道」2005年6月


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