電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

予期せぬ影響、思いがけない貢献

2020年07月03日 06時01分59秒 | 健康
昨日、子供用歯磨きの登場が、その後の子供世代の歯磨き習慣形成に貢献したのではないかという記事を書きました。歯磨きに関する個人的な記憶を、当時の社会的背景の中に置いてみると、意外なほどその影響は大きかったことがわかります。


 (歯周病疾患の有病状況 厚労省ヘルスネットより

この図を見た時、どうしても「年をとると歯周病が増える」と読んでしまいますが、もう一つ、年配者ほど歯磨きをしていなかった、あるいは歯磨き習慣形成が弱い世代だった、と読むこともできるでしょう。その可能性は大いにあると考えます。若い世代に歯磨き習慣が定着したことで、たぶん国民的なレベルで、口腔歯科の健康状態は大きく改善されたのではないか。推測ではありますが、口腔歯科に関する健康保険の状況にも影響したのではないかと思います。

当時のサンスターやライオンの製品開発者は、大きく言えば子供たちのむし歯をなくしたいという思いから出発したのでしょうが、口腔歯科の健康保険にまで大きく影響するとは必ずしも思っていなかったかもしれません。

ある一つの技術や製品開発が、後々大きな影響を及ぼし、まるで最初からそれを狙っていたかのように受け止められることがありますが、おそらくそれは結果論で、「そうなったらいいなあ」程度の願いの場合のほうが多いのではなかろうか。戦前の農村改革の試みが挫折した後に、戦後、農村の過酷な肉体労働から農民を救ったのは、農業機械だったように思います。農業機械の購入と維持の負担が別の問題をもたらしていますが、たしかに過酷な肉体労働を解消したのは事実です。物事には、本来ねらった効果とともに、予期せぬ影響というものがあり、ときに思いがけない社会的貢献を果たす場合がある、ということでしょうか。

では、今回のコロナ禍は、どんな予期せぬ影響をもたらすのだろう? また、思いがけない社会貢献ということがありうるのだろうか?


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