電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」を聴く

2008年05月04日 05時22分00秒 | -オーケストラ
ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」初めてを聴いたのは、たぶんFM放送だと思います。それでこの曲に興味を持ち、LPを購入したのでした。当時は学生の身分でしたので、もちろんセラフィムの1000円盤(CA-5056)で、演奏はレオポルド・ストコフスキー指揮ベルリン・フィル。「火の鳥」とのカップリングでした。

この演奏を、だいぶ聴きました。1957年の録音だそうです。録音のせいか演奏のせいかわかりませんが、独特の不思議な音がしました。でも、いくらおなじみでも、車の中でLPはさすがに聴けませんし、わざわざデジタイズしてCD-Rに焼いて聴くまでの元気・根気は、さすがにもうありません。いきおい、CDが中心になります。

CDでよく聴くのは、ズビン・メータ指揮ニューヨーク・フィルの演奏です。こちらは1947年の全曲版で、雰囲気もやや異なります。1979年の録音は、当時各社で普及しはじめたデジタル録音によるものです。

フルート・ソロの音が澄んでいるのが印象的です。ティンパニの音も歯切れが良く、ピアノの音も打楽器の連打も迫力があります。演奏は表情がくっきりとしたもので、豊かな響きです。たいへんに聴かせ上手、という感じがします。

カーステレオで聴くと、ある音域の低音が強調されて、えらい迫力ですが、単身赴任先の小型スピーカでは、まったく迫力が出ません。そのかわりに、フルートソロやトライアングルの響きなどがくっきりと浮かびあがります。自宅でヴォリュームを上げて聴くと、ようやくバランスの取れた音で楽しむことができます。こういう音楽は、どうやらラジカセやパソコン用の小型スピーカには不向きな曲目のようです。

■メータ指揮ニューヨーク・フィルハーモニック (1947年版全曲)
I=9'39" II=4'22" III=6'55" IV=13'16" total=34'12"

写真は、たぶん、アケビの花です。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
« アホ猫と馬鹿にするけれど | トップ | ジュード・デヴロー『時のか... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (リベラ33)
2008-05-04 07:07:37
ストコフスキーのペトルーシュカはEMIからCD化されたものを買いました。確かにBPOとは思えない原色のようなどぎつい音ですね。ストコフスキーの超人ぶりが遺憾無く発揮された怪盤だと思います。
返信する
カーステレオと小型スピーカー (安倍禮爾)
2008-05-04 11:03:48
narkejpさん

そうですか!カーステレオと小型スピーカーでは、そんなに違う!小型スピーカーの場合、やはり出力の問題なんでしょうかね。もちろんフルサイズのステレオの方が情報量が多いことは明らかなんでしょうが、少なくともストラヴィンスキーの曲は小型スピーカーには向かない、ということですね。ストコフスキーについては、この場合はスコアをいじくってはいないのかな?Unknownさんが書いている原色のようなどぎつい音は、もともとストコフスキーの最も得意とするところでしょうが、その心算で聴けば、これはこれで楽しめますね。
返信する
リベラ33 さん、 (narkejp)
2008-05-04 19:10:12
コメントありがとうございます。当方にあるストコフスキーの演奏は、LDの「ファンタジア」やこの「火の鳥・ペトルーシュカ」のLP、チャイコフスキーの「1812年」など、ごく限られたものですが、いずれもたいへん特色のある演奏・録音で、面白いものですね。映画「オーケストラの少女」をまた観てみたいです。
返信する
安倍禮爾 さん、 (narkejp)
2008-05-04 19:18:00
コメントありがとうございます。カーステレオと小型スピーカは、ユニットそのものは大差ないものと思いますが、主たる違いは音量だと思います。信号のほとんどない郊外路を疾駆する(?)車の中では、かなり音量を上げても大丈夫ですので、低音が豊かに聞こえるのだと思います。また、車載用の機器側でもそういう音作りをしているのかもしれません。
ストラヴィンスキーの音楽は、大きな舞台での強烈なインパクトを想定して書かれたもので、やっぱりアパートの六畳間は想定外だと思いますね(^o^;)>poripori
返信する

コメントを投稿

-オーケストラ」カテゴリの最新記事